Si5338の設計サポートツール
2つのツール
Si5338には設計をサポートする優れたツール「Clockbuilder Desktop」と「Si5338-EVB」が用意されています。
Clockbuilder Desktop 設定値を簡単に生成できるソフトウェア
Si5338-EVB 豊富な機能を実感できる評価ボード
Clockbuilder Desktopソフトウェア
Si5338には設計をサポートするツール「Clockbuilder Desktop」が用意されています。一般的にプログラマブルなクロック・ジェネレーターを使用する場合、ディバイダ、ループ・フィルターなど、ユーザーは多くの設定値を決める必要があり、デバイスを使用するにはデータシートを理解の上、面倒な計算をし値を決定する必要がありました。このため、スカイワークス社ではユーザーの設計補助ツール「Clockbuilder」を提供することにより、お客様の設計をサポートしています。「Clockbuilder Desktop」は直感的に使いやすく、お客様の要求仕様を入力するだけで適切な設定値を生成できる非常に便利なツールです。
なお、ClockBuilderソフトウェアは、以下のスカイワークス社ウェブサイトから無償で入手することができます。
https://www.skyworksinc.com/en/application-pages/clockbuilder-pro-software
Si5338/35/34/56 ClockBuilder Desktop Software をダウンロードしインストールをおこなってください。
Si5338-EVB評価ボード
Si5338-EVB評価ボードを使えば優れた特性を実感することができます。
Si5338には評価ボード:Si5338-EVBも用意されていますので合わせてご検討ください。
http://www.silabs.com/products/clocksoscillators/clock-generator/Pages/Si5338-EVB.aspx
ここからは「ClockBuilder Desktop」を使ってSi5338を設定する様子をご紹介します。簡単な操作で様々な機能を使うことができます。4つの優れた特長に沿って設定方法をご説明します。
特長1. MultiSynth テクノロジーで0ppm精度周波数出力を実現
「0ppm精度周波数出力を実現」です。ユーザー側で周波数を設定する方法は非常に簡単で、Frequency Planタブから入出力クロックの周波数設定をおこない、Create Planボタンを押下するだけで適切な設定値が生成されます。生成内容はFrequency Plan Resultsに詳細が記されます。ユーザーは周波数決定のアルゴリズムを全く気にする必要はありませんが、どの様に設定値が決められているか例を挙げてご説明します。
以下のの様な4出力を生成させた場合について詳しくご説明します。
周波数仕様
入力:水晶振動子 25MHz
出力:CLK0 =644.53125MHz
CLK1 = 24.576MHz
CLK2 =100MHz
CLK3 = 74.25MHz
CLK0:Output Clock 0
まず、出力周波数設定644.53125MHzはVCO/8 周波数を超えているためバイパス・モードが選択されVCO/4の設定になります。結果、VCOの出力周波数は2.578125GHz(=644.53125 x 4)となります。
CLK1 ~ CLK3の他の出力は、2.578125GHzのVCO出力からMultisynthディバイダーにより設定周波数を0ppmで生成します。
CLK1:Output Clock 1
Output Frequency (MHz) = 24.576000000
MultiSynth = 104 7407/8192 (104.9042)
R = 1
CLK2:Output Clock 2
Output Frequency (MHz) = 100.000000000
MultiSynth = 25 25/32 (25.7813)
R = 1
CLK3:Output Clock 3
Output Frequency (MHz) = 74.250000000
MultiSynth = 34 13/18 (34.7222)
R = 1
以上の様に、VCOは1つですが、MultiSynth テクノロジーで0ppm精度周波数出力を実現しています。
特長2. 4つの出力バンク毎に出力フォーマットと出力電圧の選択が可能
出力フォーマットと出力電圧の選択はOutput Driversタブで設定が可能です。出力フォーマットの選択をはじめ、出力イネーブル/ディセーブル機能の有効/無効、正転/反転の選択が可能です。出力フォーマットはCMOS、SSTL、HSTL、LVPECL、LVDS、HCSL、CMLと様々なフォーマットに対応していますので、供給先に合わせ柔軟に対応することが可能です。
特長3. 4つの出力バンク毎に周波数と位相をダイナミックに調整可能
周波数と位相をダイナミックに調整するにはInc and Decタブで設定します。周波数調整の単位は「%」または、「kHz」を選ぶことができます。今回の周波数の構成では、VCO/8の制約に該当するためCLK0の644.53125MHzを調整することはできませんが、それ以外のCLK1~3は設定することができます。
※CLK1, CLK2も設定が可能ですが例ではDisableにしています。
※CLK3は、周波数調整のステップ幅(kHz)は1kHz, 位相調整のステップ幅は200psecと設定しています。
特長4. 4つの出力バンク毎にEMIを低減するスペクトラム拡散設定が可能
スペクトラム拡散を設定する場合は、Spread Spectrumタブで設定します。柔軟に設定することができますので、規格に合わせたスペクトラム拡散を生成することも容易に行えます。
設定可能範囲:
スプレッド幅 ダウン・スプレッド -0.1% ~ -5.0%、 センター・スプレッド ±0.1% ~ ±2.5%
変調周波数 33 ~ 63kHz
以上の様に、「Clockbuilder Desktop」を利用してSi5338の特長を簡単に使うことができます。
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