FPGA向けのクロック設計は複雑性を増している
いきなり、脅し文句のような始まりになってしまいましたが…
ハードウェアシステムの中心ともいえる“FPGA”は、ラインナップにより多少の違いはあれど、近年さまざまな進化を遂げ、周辺設計の複雑性も増しています。
I/O規格は、Gigabit Ethernet、PCIe、DDRメモリーなどの複数のインターフェースをサポートするために、さまざまなハードIPブロックと高速 SerDes でアップグレードされました。
そこで本記事の前半では、複雑なクロッキング要件を備えた、昨今の“FPGA向けのクロックを選定”されるお客様向けに、知っておくべきポイントをまとめました。
後半では、“部品選定で失敗しないための” SiTimeの“クロックソリューション”をご紹介します。
是非、弊社取り扱いのIntel社、Lattice社などのFPGAなどと組みあわせてお試しください。(リファレンスデザインあり)
FPGA向けのクロック選定は非常に重要
では、FPGA向けのクロックにはどんなものがあるのでしょうか?
昨今、各FPGA メーカーは、いくつかの組込みPLLを追加していますので、その点も加味して列挙してみました。
■ FPGA向けのクロック例
・ FPGA内部の組込みPLL用の基準クロック
・ I/Oごとの基準クロック
・ ユーザーロジック用のクロック
・ リアルタイムクロック(RTC)などの機能をサポートするためのさまざまなクロック
選択したFPGAの性能や設計によっては、周辺に外部のロジックICを足すことがあります。CPUや、フラッシュメモリーなどです。
これらに必要なクロックも、同時に賄う必要があります。
また、カスタムASICでは開発費用や開発期間に満足できず、幅広い用途でFPGAを使うケースが増えてきています。
“さまざまな用途、環境下で安定したパフォーマンスが出せる”クロックのメーカーを選定することが非常に重要です。
クロック源(クロックソース)にはどんなデバイスが適してる?
クロック源として、一般的なデバイスとしては、発振器もしくはクロックジェネレーターです。
シングルエンド(Single-ended)の発振器だけでなく、差動(Differential)の発振器を使うケースがあります。
複数の周波数を出力できるクロックジェネレーターは、評価ボードへの搭載も増えています。
信頼性や供給面に優れ、正確かつ高精度なSiTimeのMEMS発振器・クロックジェネレーターを使用することにより、
設計するシステム・アプリケーションの信頼性や性能をより確かなものにすることが可能です。
※参考記事
FPGA向け “SiTime クロック” ソリューション
■ SiTimeをFPGAのクロックに使うべき3つの理由
・その1:過酷環境下での優れた信頼性
従来のクロックに比べ、周辺振動に4倍優れている。Typical:0.1 ppb/g
・その2:幅広い温度範囲で優れた周波数偏差のスペックを保証
・最大動作温度範囲: -55 to +125°C
・エアフローおよび耐熱 1 ppb/°C
・その3:プログラマブルなクロックであること
・発振器、クロックジェネレーター共に、周波数、偏差、出力タイプ、などご要望に応じて自由にプログラムが可能
・細かい仕様の設定や、急な設計変更等にも柔軟に対応
デバイスの種類 |
おすすめ型番/シリーズ ※製品ごとのリンクより詳細仕様確認可能 |
特長 |
発振器(シングルエンド) |
・最もシンプルなSPXO(汎用パッケージ発振器) ・水晶発振器からの置換実績も多数(コンパチブル) ・1~137MHzまでサポ―ト |
|
発振器(差動) |
・低ジッター ・LVDSLVPECL、HCSLなどの差動インターフェースに対応 ・業界最小サイズ 2.0mm×1.6mm を採用 (他のサイズにも幅広く対応しております) |
|
発振器(高精度TCXO) |
・優れた周波数偏差(±0.005ppm) ・屋外などの過酷な環境で使用される通信機器などに最適 |
|
クロックジェネレーター | SiT95141 |
・最大10出力に対応 対応周波数は下記 8 kHz to 2.1 GHz (差動) 8 kHz to 250 MHz (LVCMOS) ・Integreted Phase Jitter:120fs ・外付けの水晶振動子が不要 |
参考資料(出典:SiTime Corporation)
今回は、FPGA向けのクロック設計で困らないために、FPGA向けのクロックを選定される際のポイントとSiTimeのクロックソリューションをご紹介いたしました。
本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。設計時に迷われた際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。