“差動出力”の発振器が必要な理由
昨今、高速伝送を目的とし差動伝送を用いることが一般的となっています。
クロック周りのハードウェア(HW)設計で言えば、100MHz近辺までは依然としてシングルエンドのクロックを使うこともありますが、それ以上になると、差動インターフェースの出番が増えてきます。
シングルエンドとの信号の差分のイメージは以下です。
キーデバイスとなるFPGAやネットワークスイッチの選定を進める中で、
ノイズの対策が必要となったり、信号の引き回しに苦労されたり、負荷のキーデバイス側が差動のクロック源(リファレンスクロック)を要求していたり、様々な課題が出てきます。
そこで、クロック源として有効なのが、“差動出力の発振器”です。
主なメリットは「高速性・安定性に優れている」「ノイズに強い」といった点です。
設計に失敗しないために ~SiTimeの差動出力発振器ができること~
半面、設計を失敗しないためには、「正しい終端の設定」「波形のスキューがない高品質なクロックの選定」などがポイントとなります。
それらの課題をクリアしつつ、優れたメリットを活かすために、是非“MEMSを使った差動出力発振器”をお試しください。
・ おすすめポイント1「幅広いインターフェースへの対応」
→ LVPECL, LVDS, HCSL, Low-power HCSL に幅広く対応。その他のご要求がある際にも、一度ご相談ください。
Flex-Swing というSiTimeオリジナルの機能も、一部最新製品に搭載しています。
これは、LVPECLに似た出力ではあるのですが、VOH/VOL及び振幅を設定可能なものです。
受け側の変わった要求などに合わせてフレキシブルにコンフィギュレーションが可能です。
・ おすすめポイント2「性能」
→ 差動出力製品では、業界最小サイズである2016サイズを採用。システムの小型化要求にもメリットあり。
驚異的な低ジッター 70 fs(Phase Jitter RMS)を実現。プログラマブル発振器のこれまでの常識は、SiTimeにはあてはまりません!
加えて、幅広い周波数範囲(1MHz~750MHz)にも対応。
・ おすすめポイント3「正しい終端設計に対する技術サポート」
→ マニュアル関連が充実しており、設計にも困りません。
以下は、差動出力発振器として人気の「SiT912x」シリーズの推奨終端についてインターフェースごとに記載があります。
その他の製品やご質問についても、マクニカへご遠慮なくお申し付けください。
SiT912x の出力終端について(出典:SiTime ホームページ)
製品ラインナップ
以下のリンクより製品ラインナップをご確認いただけます。
※ジッター、消費電流の比較資料については、お問い合わせフォームよりリクエストお願いいたします。型番選定からお手伝いいたします。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、差動出力発振器のメリットと、選定の際のポイントを簡単に解説しました。
是非、設計時に迷われた際には、お気軽にお問い合わせください。