製品概要
T30HM1TS2500は、IEEE 802.3cg 準拠のMAC/PHYを内蔵したイーサネット・トランシーバーです。PLCA動作時の実効スループットは最大約 9.5Mbpsです。
本製品は、CSMA/CD MAC と、物理層衝突回避 (PLCA) 機能を備えた PHY で構成されています。PLCA により送信タイミングを調停することで、CSMA/CDに依存した衝突検出動作は最小限となり、高いスループットを実現します。
本製品は、MAC内蔵のため、従来のT1S PHY+RMII/MIIとは異なり、MCU直結用途のインターフェースとしてSPI(クロック最大 25MHz)を使用します。
主な特長・機能
・IEEE 802.3cg 2019に準拠
・物理層の衝突回避 (Physical Layer Collision Avoidance: PLCA)
・QFNW20(4*4)の小型パッケージ
<新しい機能>
・Wake-up/Sleep(TC10準拠)
・Inhibit(禁止)およびスリープモード電源用の VBAT (最大 48V)
・SQI / SQI+ : Signal Quality Index(信号品質指数)
・Topology discovery(トポロジー検出)(TC14準拠)
・Time stamping(TC6準拠)
・PLCA診断
・HDD :Harness defect detection(ハーネス欠陥検出)
・Grade 0 (Tamb = 150℃)
内部ブロックと標準アプリケーションダイアグラム
新しい機能について詳細を説明します。
Wake-up/Sleep Inhibit
MAC‑PHY が INH を使って外部電源を自律制御し、スリープ時は 35uA 以下で LIN/Wake 入力だけを監視、イベント発生時に即座にフル電源復帰する低消費電力アーキテクチャーです。
待機時の消費電力を極限まで低減しつつ、必要なウェイクアップ検出だけを維持するので、車載用途など、常時 VBAT 接続が前提の低待機電流要求に対応します。
SQI / SQI+ : Signal Quality Index(信号品質指数)
通信セグメント(ケーブル)の信号品質を測定する機能です。
ネットワーク上の、どのノードでも、そのセグメントに存在するノイズを測定できます。
セグメントが健全な場合、約 9.5Mbps のデータ伝送速度が得られます。
一方で、セグメントにノイズが存在し、特に信号振幅の 50% 以上 (1Vp-p) に達するような場合には、BER(ビット誤り率)が増加すると予想されます。
この機能は、ノード自身が自律的にセグメントの信号品質を評価できる診断ツールであり、最大 32 段階で品質を評価できます。また、リアルタイムでの EMC 試験を可能にします。
この指標は、
・リンク障害の予測
・メンテナンスの必要性の判断 (例:部品の経年劣化、ケーブルの潰れ・折れ、ノイズ源の存在)
などに有用です。
SQIは 8 段階の分解能であり、SQI+は 32 段階の分解能です。
Topology discovery(トポロジー検出)
同一セグメント(同一ケーブル)上の各ノード間ケーブル上の距離(伝搬遅延から算出)を測定します。
ネットワーク上で、物理的なノード位置を特定するのに有効です。
またデバイスが同一型番・同一設定でも設置場所を区別可能です。
PLCA診断
PLCAが「通信できている・できていない」だけでなく、“なぜおかしいのか” を PHY が自動検出できます。
以下、PLCA診断で報告される内容です。
・想定外の BEACON を検出(※コーディネーターのみが報告)⇒ 複数のPLCAコーディネーターが存在している
・送信許可スロット前に BEACON を検出⇒ ノード数の設定が正しくない
・自身の送信スロット中に受信が発生⇒ Node ID(ノードID)の重複
HDD :Harness defect detection(ハーネス欠陥検出)
Harness Defect Detection (HDD) は、10BASE‑T1S PHY が差動信号の振る舞いを監視し、
ハーネスの短絡・終端異常といった“物理的な配線欠陥”を自動検出する機能です。
図1:差動モード故障 ― 短絡(ショート)
図2:差動モード故障 ― 断線(オープン)
図3:コモンモード故障 ― 単線のGND / VBAT短絡
まとめ
オンセミ社のT30HM1TS2500のデータシートについては、下記リンク先を参照ください。
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