Bluetooth® 5認定SoCのRSL10を初めて評価してみた 全3回の記録 ~第3弾「RSL10でBLE通信を用いたデモ環境の構築」

はじめに

今回は、オンセミ社のRSL10BLE通信を用いたデモ環境の構築をおこないます。ここでは初めてRSL10を開発する方、これから開発する方にRSL10BLE通信を用いたデモ環境の構築を案内します。

第一弾および第二弾については、こちらのリンクを参照してください。
・第1弾LEDを点灯」
・第2弾 前編RSLでセンシング エラーが発生するまで」
・第2弾 後編RSLでセンシング エラーの原因と解決方法」

用意するものと接続方法、開発ツール、開発環境の準備

用意するもの

・スマートフォン :AndroidもしくはIphone
・以下の評価ボード

RSL10-SIP-001GEVB

RSL10-BDK-GEVK

NOA-1305

ハードウェア接続方法

下図のように接続してください。
RSL10-SIP-001GEVBはRSL10とアンテナ(※)、その他周辺受動部品をワンパッケージ化した製品のため下図のように接続してください。
(※) 国際無線規制(CE, IC, KC, MIC, FCC)に認定

開発ツール

・onsemi IDE:Eclipse®ベースの統合開発環境です。

onsemi IDE

開発環境の準備

開発環境の準備については、第一弾の記事を参照してください。

onsemi IDEで設計スタート

BLE通信を用いたデモ環境の構築のサンプルコードのインポート

1. オンセミ社の IDE の起動をおこないます。ON Semiconductor IDE を開くには、Windows [スタート] メニューから [ON Semiconductor] > [ON] を選択します。

2.「Example」タブをクリックすると、RSL10 CMSIS-Packに含まれるすべてのサンプルプロジェクトが一覧で表示されます。

3. Custom Service Firmware(BDK-GEVK)というサンプルプロジェクトを選択し、コピーボタンをクリックして、ワークスペースにインポートします。また、このサンプルプログラムは、RSL10 Sense and Control AndroidまたはiOSモバイルアプリケーションと通信するためにBLE上のカスタムサービスプロトコルを実装しています。(図1参照)

図1 Pack Manager Perspective: Examples Tab


4. Project Explor上に C/C++が開き、新しくコピーされたプロジェクト(bdk_ics_firmware)が表示されます。

5. Project Explorer上のbdk_ics_firmwareフォルダーの中のmain.cをクリックすることで、BLE通信を用いたデモ環境の構築に関するC言語でのコードが確認できます。(図2参照)

図2 BLE通信を用いたデモ環境の構築に関するC言語のコード確認方法

BLE通信を用いたデモ環境の構築のサンプルコードビルド方法

1. bdk_ics_firmware用のフォルダーを右クリックし、Build Projectをクリックします。または、プロジェクトを選択し、[Build Project]をクリックします。

2. ビルドが実行されると、図3に示すようにビルドの出力がオンセミIDE C/C++上で表示されます。

図3 ビルド出力例


3. プロジェクトエクスプローラー上のDebugフォルダーに出力される主な結果は以下の通りです。図4に示します。BLE通信を用いたデモ環境の構築をするにあたって使用するファイルは、bdk_ics_firmware.elfです。

図4 ビルドによる出力ファイル

BLE通信を用いたデモ環境の構築のサンプルコードのデバッグ方法

bdk_ics_firmware.elfファイルを用いてデバッグをおこないます。

1. Project Explorer内でbdk_ics_firmware.elfファイルを右クリックし、Debug As > Debug Configurationsを選択します。

2. Debug Configurationsダイアログが表示されたら、GDB SEGGER J-Link Debuggingを右クリックし、New Configurationを選択します。GDB SEGGERの見出しの下にbdk_ics_firmware.elfの新しいコンフィギュレーションが表示されます。右側のパネルに新しいコンフィギュレーションの詳細が表示されます。

3. Debuggerタブに移動し、「デバイス名」欄に「RSL10」と入力します。ターゲット・インターフェースにSWDが選択されていることを確認してください。(図5参照)

図5 GDB起動設定およびDebuggerタブの設定


4. コンフィギュレーションの更新が完了したら、評価・開発ボードをマイクロUSBケーブルでPCに接続し、デバッグをクリックします。J-Linkは自動的にbdk_ics_firmwareというサンプルコードをダウンロードし、RSL10 のフラッシュメモリーに保存します。

5. デバッグをクリックした後に下記、図6ResumeF8)をクリックします。

図6 Resumeのクリック場所

スマートフォンを使用してBLE通信を用いたデモ環境の構築

1. スマートフォンでRSL10 Sense and Controlアプリケーションダウンロードし起動します。 (7参照)

図7 RSL10 Sense and Control

図8 設定ページについて

2. Receive over BLEモードに切り替えます。右上の歯車アイコンをクリックして、設定ページを開きます。設定ページには以下を確認する必要があります。(左図8 参照)

 ・Enable Broadcast sliderがオフになっていること
 ・Manage Receive Channelが[BLEで受信する]に設定されていること

図9 起動しているBDK_BLE_Terminalデバイスに接続

3. 起動しているBDK_BLE_Terminalデバイスに接続します。(左図9 参照)各デバイスは、名前とMACアドレスで識別されます。デバイスは、右側の3つの点をクリックすることで、カスタム名を割り当てることができます。また、デバイス名は RSL10 プログラム (main.c:44) で変更することができます。

図10 コンポーネントからALS-NOA1305のセンサーを選択

4. コンポーネントからALS-NOA1305のセンサーを選択します。(左図10 参照)


5. スマホ上のアプリで受信・更新されるセンサーデータを観察する事が出来ます。(下図11 参照)

図11 スマホ上のアプリで受信・更新されるセンサーデータを観察

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