高速な光伝送技術が欠かせないデータセンター
データセンター市場は近年飛躍的な成長を遂げています。特にデータネットワークでは増加する帯域幅に伴い、データセンターなどの機器間を繋ぐ光トランシーバーモジュールの高速化が進んでいます。
本記事では光トランシーバーモジュールについてこれから学びたい初心者向けに光トランシーバーモジュールとはどのような物かご紹介します。
光トランシーバーモジュールとは
光トランシーバーモジュールは以下の図のように電気信号と光信号を相互に変換するためのデバイスです。

ここでは「光トランシーバーモジュール」がどのような物か、以下の5点に分けて解説いたします。
- 光トランシーバーモジュールの種類
- 光トランシーバーモジュールにアクセスするマネジメントインターフェース
- 光ファイバーの種類
- 光ファイバーと光トランシーバーモジュールが一体化したAOC
- 規格と距離の関係
1. 光トランシーバーモジュールの種類
以下の表は各伝送速度に対応した光トランシーバーモジュールです。
SFP/QSFPは下位互換性があり、例えば SFP28のケージの場合、全てのSFP(SFP,SFP+)が刺さります。もちろんQSFP28のケージにQSFP+が刺さりますし、QSFP-DDも同様にQSFP28,QSFP+が刺さります。ただしCFPには互換性がありませんので注意が必要です。
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10G |
25G |
40G |
50G |
100G |
200G |
400G/800G |
SFP |
SFP+ |
SFP28 |
- |
SFP56 |
SFP-DD/ SFP112(SFP2) |
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QSFP |
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QSFP+ |
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QSFP28 |
QSFP56 |
QSFP-DD |
OSFP |
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OSFP |
CFP |
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CFP |
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CFP/CFP2/CFP4 |
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CFP8 |
フォームファクターによって製品寸法は規程されております。

2. 光トランシーバーモジュールにアクセスするインターフェース
SFP/QSFP/QSFP-DDはI2Cインターフェースを介して、Host側から光トランシーバーモジュールのマネジメントを行うことができます。具体的には各種管理情報の取得や、送受信のON/OFFなどの制御を行うことができます。
CFP/CFP2/CFP4/CFP8はMDIOインターフェースを使用します。
3. 光ファイバーの種類
光ファイバーには主に以下の2つの種類があります。
MMF(Multi-Mode fiber)
MMFは光信号を複数のモードで伝送します。SMFと比較すると価格は安価ですが、光損失が大きいため短、中距離の光伝送に適しております。
SMF(Single-Mode fiber)
SMFは光信号を単一のモードのみで伝送します。
MMFと比較すると価格は高めですが光損失が小さいため長距離の光伝送に適しております。
AOC(Active. Optical Cable)
AOCは下記の写真のように光トランシーバーモジュールと光ファイバケーブルを一体化した物です。

4. 規格と距離の関係
光トランシーバーモジュールは光通信規格ごと(SR/LRなど)に使用するファイバーおよび伝送距離が決まっております。下表に光通信規格、使用ファイバー、伝送距離をまとめましたので選定の参考にお使いいただけると幸いです。
アプリ | 規格 | ファイバー | 距離 |
40GE | 40GBASE-SR4 | MMF | 100m |
40GBASE-LR4 | SMF | 10km | |
40GBASE-ER4 | SMF | 40km | |
100GE | 100G BASE-DR | SMF | 500m |
100G BASE-SR4 | MMF | 700m | |
100G BASE-FR | SMF | 2km | |
100G BASE-LR | SMF | 10km | |
100G BASE-LR4 | SMF | 10km | |
100G BASE-ER4 | SMF | 40km | |
100G ZR DCO | SMF | 80km | |
200GE | 200GBASE-SR4 | MMF | 100m |
200GBASE-DR4 | SMF | 500m | |
200GBASE-FR4 | SMF | 2km | |
200GBASE-LR4 | SMF | 10km | |
400GE | 400GBASE-SR8 | AOC | 100m |
400GBASE-DR4 | SMF | 500m | |
400GBASE-DR4+ | SMF | 2km | |
400GBASE-FR4 | SMF | 2km | |
400GBASE-LR4 | SMF | 10km | |
400G ZR DCO | SMF | 80km | |
400G ZR+ DCO | SMF | 80km | |
800GE | 800GBASE-SR8 | MMF | 100m |
800GBASE-DR8 | SMF | 500m | |
800GBASE-DR8+ | SMF | 2km |
光トランシーバーモジュールの試験方法について知りたい方はこちら
いかがでしたでしょうか。光トランシーバーモジュールのシステムを測定するための測定機器、評価治具もご用意しています。
試験に必要な物や、測定器を使ったネットワーク障害の解決方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
光トランシーバーの試験に必要な物
光コネクターの種類
光コネクターには、主に以下の4種類が挙げられます。
LCコネクター

LCコネクターは、1芯の光ファイバーに用いられる光コネクターです。
Duplex LCコネクターの場合は、光ファイバーは2芯となります。LCコネクターは、1G~800G光トランシーバーと幅広く採用されています。
MPOコネクター

MPOコネクターは、多芯の光ファイバーに用いられる光コネクターです。MPOの文字の後に数字が表記され、その数字が光ファイバーの芯数を意味します。例えば、MPO12であれば、光ファイバーの芯数は12となります。
LCコネクターと比較して、高密度が特徴な光コネクターです。
CSコネクター

CSコネクターは、Duplex LCコネクターと同じく、2芯の光ファイバーに用いられる光コネクターです。CSコネクターは、Duplex LCコネクターと比較的して、寸法が小さいです。そのため、高密度・集積化に優れています。
SNコネクター

SNコネクターは、LCコネクター・CSコネクターと同じく、2芯の光ファイバーに用いられる光コネクターです。SNコネクターも、Duplex LCコネクターと比較して、寸法が小さいです。
以下はフォームファクターQSFP-DDにDuplex LCコネクター、CSコネクター、SNコネクターを配置した参考図です。
Duplex LCコネクターに対して、CSコネクターは2組、SNコネクターは4組を接続可能で、高密度・集積化に優れているのが分かるかと思います。

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