こんにちは、太郎です。

今回はクロックジェネレータの周波数精度について書きます。

 

クロックジェネレータのデータシートには、周波数精度について記載がありません。

しかし、水晶発振器や水晶振動子には、一般的に PPM で周波数精度が記載されています。

クロックジェネレータと発振器の代替を行う上では重要なはずなのに、なぜ無いのでしょうか?

クロックジェネレータの周波数精度はリファレンスの周波数精度に依る

多くのクロックジェネレータはリファレンス入力を源振として、分周 / 逓倍などの調整を行います。

クロックジェネレータ内部の PLL で一度同期をとるので、PLL の出力する周波数精度はリファレンスのクロック信号の周波数精度に依存します。

Jitter のスペックは各クロックジェネレータに依りますが、周波数精度については源振とイコールと考えることができます。

クロックジェネレータのデータシートに周波数精度について記載がないのは、このような背景があるからです。

水晶振動子の周波数精度

水晶振動子のデータシートに記載されている周波数精度は、マッチングが取れている状態のものです。

そのため、マッチングの取れていない水晶振動子は、データシートに記載されている周波数精度をクリアできない可能性があります。

また、水晶振動子のデータシートにある周波数精度の記載は、Initial / Temp / Aging と分かれています。

Initial は、水晶振動子そのものが持つ周波数特性について記載されています。こちらは水晶の純度やカッティングの加工に依存します。

水晶振動子の出力周波数は、温度変化によっても変化します。

Temp は、その水晶振動子が保証する動作温度に対して、どれだけ周波数精度が変化するかを表しています。

その記載された温度に対して、データシートの周波数精度を満足する、という意味ですので、温度が変われば、周波数精度も変わります。

Aging は、クロック信号を作り出すために、水晶片は物理的に振動します。そのため、水晶片が摩耗し、経年劣化が起きてしまいます。

Aging には経年劣化による周波数精度の変化が記載されています。

 

そういえば、以前 同期入社のハチは RTC の水晶振動子を買ってきて、クロックが出ないと嘆いていました(笑)

以前、私が書いた RTC についての記事もぜひご覧になってください。