第11回 FPGA 電源設計の際のパターンに起因する動作不良事例と解決方法

第11回は「FPGA電源設計の際のパターンに起因する動作不良事例と解決方法」についてご紹介します。

ご存知のように電源設計の際には、多様な不具合が発生する可能性があります。
今回はパターンに起因する場合に絞ってご紹介いたします。
以下、ご紹介する不具合動作事例と、その解決方法を ご参考にしていただき、今後のFPGA電源設計にお役立ていただければと思います。

事例1 : 入力コンデンサに電解コンデンサを使用

  • 症状:発熱が酷い。
  • 原因:入力コンデンサはスイッチング電流を供給するため高 di/dt の矩形波状の電流が流れます。 大電流出力の場合、電解コンデンサの RMS リップル電流の許容値を超過して、 異常発熱したり信頼性に影響を及ぼします。
  • 対策:セラミックコンデンサのような ESR が低いコンデンサを入力コンデンサとして デバイスの直近に配置します。
  • 注意:ESR が高いコンデンサはリップルが大きくなります。 ESR が低いコンデンサを使用しましょう。

事例2 : 出力コンデンサに電解コンデンサを使用

  • 症状:出力電圧のリップルが大きく、発熱が酷い。
  • 原因:電解コンデンサは ESR が高いので、出力リップル電圧が大きくなります。 大きなリップルノイズが負荷に接続した回路の誤動作を引き起こします。
  • 対策:セラミックコンデンサのような ESR が低いコンデンサを出力コンデンサとして デバイスの直近に配置します。
  • 注意:ESR が高いコンデンサはリップルが大きくなります。 ESR が低いコンデンサを使用しましょう。

事例3 : セラミックコンデンサの温度特性や DC バイアス特性

  • 症状:温度が高くなると出力電圧が低下する。または安定しない。
  • 原因:使用条件での実容量値を考慮していない場合、十分なフィルタ効果が得られないために 電源回路の異常動作を引き起こします。
  • 対策:温度による容量低下分を考慮したり、温度特性の良いコンデンサを使用します。
  • 注意:温度特性による容量の増減を十分考慮してコンデンサを選定しましょう。

事例4 : 出力コンデンサ COUT の裏面配置

  • 症状:出力電圧が安定しない。発熱が酷い。
  • 原因:COUT が VIA を介して BOTTOM 層に配置している。
  • 対策:パワーMOSFET、入力、出力コンデンサなど高スイッチング電流ループは TOP層の同一レイヤで最短で接続します。
  • 注意:高スイッチング電流ループが発生する箇所は、同一レイヤでの接続パターンを厳守しましょう。

事例5 : VFB ノードの引き伸ばし

  • 症状:出力電圧にスイッチング周波数以外のノイズが乗る。
  • 原因:分圧後の VFB 端子へのラインが長く、信号線が隣接しており影響を受けていた。
  • 対策:VFB 端子への配線パターンを短くします。また信号線も遠ざけます。
  • 注意:VFB ノードなどの高インピーダンスノードは配線パターンを短くします。

事例6 : アナログ電源のデカップリング容量の位置

  • 症状:動作が安定しない。発熱する。
  • 原因:アナログ電源入力端子のデバイス直近は電源供給源の VIA で、 その外側に容量がありデカップリングが機能していない。
  • 対策:アナログ電源入力のデカップリングはデバイス直近で行うように デバイス、容量、電源供給源の VIA を配置します。
  • 注意:デカップリング、フィルタが機能するように順序に注意して部品を配置しましょう。

事例7 : 入力フィルタの定数間違い

  • 症状:デバイスが動作しない。
  • 原因:デバイスによっては推奨回路に抵抗 1.0Ohm~20Ohm と 容量 1.0uF の RC フィルタが AVIN 入力に接続されます。 抵抗値を誤ってしまい 1kOhm を接続すると AVIN ピンのバイアス電流によって 電圧ドロップを生じます。 入力電圧を減電したことで AVIN の UVLO を検出して動作が停止します。
  • 対策:抵抗値を推奨のものに変更します。
  • 注意:回路で使用されている部品の定数を確認しましょう。

 

以上のような事例を知っていることで、今後の設計をストレス無く進めていただくことが出来るかと思います。

 

さて、次回はいよいよ最終回です。1月から11回に渡ってご紹介させていただいたFPGAの 第12回「FPGA 電源設計プロセスのまとめ」をご紹介いたします。 

 

 

インテル® Enpirion® の概要はコチラ>>