第7回 FPGAの電源を選定する場合の注意点について

第7回は、FPGAの電源を選定する場合の注意点について電源の仕様の観点からご説明させていただきます。
今回もCyclone® V(5CSXFC5D)に対する電源選定を例にご紹介いたします。

まず、前提としてインテル社のブローシャもしくはHPより インテル® Enpirion® 電源製品ラインナップを把握いたします。
http://www.altera.co.jp/products/power/devices.html

インテル® Enpirion® 電源の以下仕様を確認します。

FPGAの電源要求を満たすスペックの確認

[1] 出力電圧精度

前回のコラムで紹介した電圧精度を満たす電源デバイスの選定を行う必要があります。
インテル® Enpirion® 製品については第3回のコラムにあるような製品ラインナップとなります。
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/intel/133002/
尚、今後より精度の良い製品(0.5%-1.5%)が続々とリリースになります。

 

Cyclone V SXですと、VCCでは必要電圧が1.1Vで±30mVの範囲が必要です。

 

  • VCCの電圧範囲は 1.07V-1.13V、1.1Vをセンターとしたとき±2.72%の変動範囲
  • VCCA_FPLLの電圧範囲は 2.375V-2.625V、2.5Vをセンターとしたとき±5%の変動範囲となります。
  • IO の電圧範囲は1.71V-1.89V、1.8Vをセンターとしたとき±5%の変動範囲となります。

 

※上記で指定した範囲内にリップルの変動電圧も含まれます。

<画像1-1>
<画像1-2>

[2] 出力電圧のリップル

FPGAの要求電圧精度は決まっておりますので、以下3点を注意して電源製品を選定します。

  • デバイスの出力電圧精度
  • 電源デバイスの出力リップル電圧変動幅
  • 出力を設定するためのフィードバック抵抗精度(VID機能を使う場合は考慮する必要はありません。)

 

※VIDとはロジックピンにより固定出力電圧を選択する機能

<画像2-1>
<画像2-2>

[3] 過渡応答(トランジェント, PDN 記載スペック)

FPGAのスペックのAllowable Rippleを満たすような電源製品を選定する必要があります。
前回のコラムでも記載したように、PDNツールのIntroductionシートの各デバイスのAllowable Ripple(今回ですと5%)

<画像3>

[4] FPGAの起動シーケンスの確認

今回の VCC と VCCA_PLLが順番に起動するよう電源構成を行います。(前回のコラムにあるデバイスハンドブック参照) POKとEnableの機能、もしくはシーケンサーを使用することによりFPGAのシーケンス条件を満たした電源設計を行います。 インテル® Enpirion® 電源製品にはすべてEnable端子があり、また主なな製品にはPOKの端子もあります。

 

※今後リリースされる製品については立下げにもシーケンスの規定がある場合がありますので、その際にはシーケンサーの利用をお奨めいたします。

 

[5] ソフトスタートの有無

FPGAの立ち上げの規定にtRamp規定(立上げ時間の規定)があり、その範囲に収まるようなスペックの電源を選択する必要があります。
立ち上げ時間をデバイス側で固定された製品と外付けのコンデンサー(CSS)で調整できるものがあります。
また、使用可能な出力コンデンサー容量の範囲にデータシート上規定がありますのでご注意ください。

<画像5-1>
<画像5-2>

以上で、FPGAの要求電源を満たすような電源製品の選定についてご紹介いたしました。
前回のコラムと合わせ確認いただくことでより、より適切なFPGAに対する電源製品が可能となります。