条件を指定して絞り込む

現在957件がヒットしています。check

記事カテゴリ
製品カテゴリ
メーカー

A

B

C

D

E

F

G

H

I

J

K

L

M

N

O

P

Q

R

S

T

U

V

W

X

Y

Z

消費電力見積もりツールを使ってみる

こんにちは。インテル® FPGA 製品の技術サポートをしている 鷲宮タロー です。

FPGA を実装するボードの設計をする時に、FPGA を含めた各デバイスの消費電力を調べると思います。さて、皆さんは FPGA の消費電力をどのように調べていますか?まさか、テキトーじゃないですよね?

FPGA の消費電力は「FPGAの消費電力の種類と計算方法」でも触れているように、スタティック+ダイナミック+ I/O で構成され、またデザイン(回路)にも依存します。

インテル では FPGA ユーザ向けに PowerPlay Early Power Estimator (EPE) というエクセル・ベースの見積もり・ツールを用意しています。これを使って、消費電力の見積もりを行うことができます。今回は、その EPE を使って消費電力見積もりする流れを簡単に説明します。

EPE の概要と入手方法

PowerPlay Early Power Estimator (EPE) は、エクセル・ベースの消費電力見積もりツールです。EPE にインポートする方法として、User InputQuartus® Prime Design Profile の 2種類があります。

EPE による見積もりは、デザイン中(回路設計中)の比較的早い段階で見積もる時に使用することが多いです。

  • User Input
    EPE に手動でリソース入力して見積もり
  • Quartus® Prime Design Profile
    皆さんが開発している Quartus® Prime のプロジェクトから、リソース情報などを含んだ CSV ファイル生成して EPE にインポートして見積もり
Article header library 121893 pic01  1
消費電力の見積もり & 解析ツール

EPE の入手方法

EPE はインテル® FPGA のウェブサイトから入手することができます。
PowerPlay Early PowerEstimators (EPE) & 消費電飾解析

ここから、ターゲットの FPGA 用の EPE をダウンロードしてください。EPE のユーザ・ガイドも入手できます。

Article header library 121893 pic02  2
EPE のダウンロード


下図はダウンロードした EPE を開いただけの状態です。ここに、FPGA のリソースなどの条件を入力していくと、消費電力の見積もり結果が算出されます。

では、具体的にどのように入力するのか、見ていきましょう。

Article header library 121893 pic03  1
Early Power Estimator

EPE へのリソース情報の入力

2種類の入力方法について、簡単に説明します。

User Input

下図のように、EPE 内の各タブに FPGA のリソース情報を手動で入力して見積もる方法です。各タブの意味は、以下の通りです。

  • Logic:ロジック
  • RAM:内部メモリ
  • DSP:DSP ブロック
  • IO:I/O
  • PLL:PLL
  • Clock:クロック
  • HSDI:高速インタフェース(LVDS など)
  • HMC:ハード・メモリ・コントローラ
  • XCVR:トランシーバ
  • IP:IP
  • HPS:ハード・プロセッサ・システム(SoC)
Article header library 121893 pic04  1
EPE リソース入力(手入力)

Quartus® Prime Design Profile

入力が簡単で、かつ正確なので、こちらの方がオススメです。

まず、Quartus® Prime で開発中のプロジェクトから、現時点のリソース情報などを含んだ CSV ファイルを生成させます。手順は、以下の通りです。

手順1. Quartus® Prime の Project メニュー ⇒ Generate PowerPlay Early Power Estimator Fileを選択

Article header library 121893 pic05  1
CSV ファイルの生成とインポート 手順1


手順2. EPE の Import CSV から CSV ファイルを選択(ファイル名:***_early_pwr.csv)

Article header library 121893 pic06  1
CSV ファイルの生成とインポート 手順2

EPE の見積もり条件の設定

何れかの方法、または Quartus® Prime Design Profile の方法でインポートした後に手動で追加や修正をしても良いですが、リソースが入力できたら見積もり結果が表示されていると思います。

でも、ちょっと待ってください。デバイス条件や周囲環境条件も正確に設定してみましょう。

Article header library 121893 pic07  1
EPE 見積もり結果

デバイス条件

まずは、パラメータの入力を行います。Input Parameters のデバイス条件から設定してみましょう。

  • Family:デバイス・ファミリ
  • Device:デバイス型番
  • Package:パッケージ
  • Temperature Grade:温度グレード
  • Power Characteristics:電力特性
  • VCCINT Voltage:コア電源の電圧
Article header library 121893 pic08  1
EPE パラメータ入力 1

ちなみに、Quartus® Prime Design Profile の方法で CSV ファイルをインポートした場合は、デバイス情報もプロジェクトの情報が自動で設定されます。

デバイスの周囲環境条件

次に、デバイスの周囲環境条件を設定します。

  • Ambient Temp, TA
    デバイスの周囲温度を直接入力します。
  • Heat Sink
    デバイスに装着するヒート・シンクを選択します。ヒート・シンクなしと 3種類のプ/ulロファイルがデフォルトで用意されています。ヒート・シンクを変えると、消費電力の見積もり値も変化します。
  • Airflow
    デバイス周辺のエアーフローを選択します。エアーフローなしとデフォルトで 3種類が用意されています。エアーフローを変えると、消費電力の見積もり値も変化します。
  • Board Thermal Model
    ボード熱モデルを選択します。
Article header library 121893 pic09  1
EPE パラメータ入力 2

(参考)最大条件の消費電力を求めるには...

消費電力を大きめ(多め)に見積もりたい時は、以下の条件を目安としてみると良いと思います。

  • Power Characteristics ⇒ Maximum
  • Heat Sink ⇒ None
  • Airflow ⇒ Still Air
  • リソース ⇒ 対象デバイスの 100%
  • トグル率(信号が遷移する割合) ⇒ 12.5%(遷移率の高い場合:20~25%)
  • クロックの周波数 ⇒ 使用予定のクロック周波数

EPE の見積もり結果

ここまで来たら、見積もり結果を確認してみましょう。

Thermal Power

Thermal Power のところに、Logic や RAM、DSP など FPGA の各ブロックの消費電力見積もり値が表示されていると思います。

Article header library 121893 pic10  1
EPE 見積もり結果(Thermal Power)

Thermal Analysis

Thermal Analysis のところには、温度に関する算出結果が表示されています。算出結果の意味は、以下の通りです。

Article header library 121893 pic11  1
EPE 見積もり結果(Thermal Analysis)
  • Junction Temp, TJ (℃)
    この入力条件におけるジャンクション温度の算出結果です。
  • θJA Junction-Ambient
    この入力条件におけるダイからデバイス周囲へ伝わる時の熱抵抗です。
  • Maximum Allowed TA (℃)
    この入力条件における許容される周囲温度です。周囲温度がこの温度まで上昇しても、ジャンクション温度が規定値内に収まることを表しています。

さいごに

FPGAの消費電力の見積もりについて、イメージできましたか?

消費電力の見積もり方は、Quartus® Prime Design Profile の方法であれば、それほど難しくはありません。EPE の見積もり結果は精度が高いので、ボード設計する際には、ぜひ見積もりを行ってみてください。

また、ジャンクション温度と周囲温度との関係性を説明した記事も公開中ですので、興味があればぜひご覧ください。

おすすめ記事/資料はこちら

FPGAの消費電力の種類と計算方法
FPGA の周囲温度とジャンクション温度との関係

超初心者向けのアナログ回路 Enpirion® 編 第2回 FPGA の消費電力は?