宇宙用部品について知ろう! 「プラスチックパッケージ品」編

これまで、宇宙環境の過酷さや、部品レベルでの宇宙環境特有の事象(TID/SEE)について、

そして前回はセラミックパッケージ品について深堀りしました。


今回は、NewSpaceという言葉と関連して注目されているプラスチックパッケージ品についてご紹介します。

宇宙環境でプラスチックパッケージ?

従来の宇宙向けアプリケーションでは、信頼性を確保するためにセラミックの認定メーカー・リスト(QML:Qualified Manufacturers List)Class V品が使用されてきました。

しかし、近年低軌道(LEO)ミッション商用ビジネスは増加しており、

NewSpaceの様なアプリケーション(コンステレーションなど)では大量に衛星を作るため部品数も多くなってきます。

そのような大規模なビジネスに、従来の宇宙用部品を使用すると非常に価格的負担があります。


そこで、従来の宇宙用部品に代わってプラスチックパッケージ品が注目されています。

では、なぜプラスチックパッケージ品が注目されているのでしょうか。

プラスチックパッケージ品が注目される背景はなに?

ー注目の理由その1:価格が〇〇だから!?

第一に、目に見える差が価格です。


セラミックパッケージ品とプラスチックパッケージ品の価格差は製品にもよりますが、おおよそ数倍から数十倍です。


近年増加しているコンステレーションなど部品を大量使用するビジネスでは、従来の宇宙用部品では予算が及ばず、

一方で民生品を利用して作るとなると信頼性を保つことが難しいため、デバイス選定に大きな壁がありました。


しかしながら、プラスチックパッケージ品であれば、コストは抑えながらも、セラミックパッケージ品と同等の信頼性を保つことができるため、

トータルコストに貢献できる、ということで注目されています。

ー注目の理由その2:サイズが〇〇だから!?

価格のみならずプラスチックパッケージ品は、セラミックパッケージ品と異なり ICのサイズが小さいため“重量を削減”できる点が、魅力の1つです。

結果、最終的なLaunchコストも削減できる点も注目される要因の1つと考えられます。

 

昨今、ニュースなどで目にすることが多くなりましたが、宇宙ビジネスに参入した民間企業による計画や取り組みは、“NewSpace”と呼ばれています。

これらの企業は、短期間、低予算でのプロジェクトを低軌道(LEO)で実現することを目的としていることが多く、積極的なプラスチックパッケージ品の検討がなされているのです。

▶プラスチックパッケージ品の採用リスクも知っておこう

結局、宇宙向けプラスチックパッケージ品の用途は??

今回ご紹介した宇宙向けのプラスチックパッケージ品は、前述の通り、低軌道(LEO)向けのプロジェクトに適していると考えられています。

 お客様の予算、要求仕様、要求品質、運用期間、アプリケーションの特性などを考慮した部品選定が求められます。

 

マクニカでは長年培ってきた宇宙向けビジネスに対するノウハウを活かし、宇宙専門の QE/FAE と共にお客様に最適な部品をご提案/ご提供します。

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