重量センサー+IoTによる在庫・残量の自動管理【小売店・飲食店向け】

「重さが変わったらお知らせが来る。」 そんなシステム探していませんか?

小売店や店舗などのリテール分野では、販売フロアやバックヤード倉庫の効率的な運営が求められています。商品を最適な数量、最適なタイミングで提供することで、顧客の期待に応えながら、収益を最大化する必要があるからです。

しかしながら、近年では労働人口減少による人員不足に加え、コロナ禍の影響で、消毒やソーシャルディスタンスへの配慮など、新たなオペレーションの負担が増えているといった課題もあります。

マクニカのMpressionでは、これらの課題を解消するべく、商品・アイテムの自動管理によって効率的な補充がおこなえる「AIスマート棚」の試作機を開発しました。在庫状況の可視化や、在庫不足の通知などの機能を実店舗で実証可能です。このようなAIIoT技術の活用により、小売業界はより効率的な店舗運営や顧客体験を実現し、競争力を維持することができます。

小売店や飲食店、物流倉庫が抱える、在庫チェックの課題

小売店の販売フロアやバックヤード、レストランや居酒屋、物流倉庫などでは、顧客に商品を届けるために、棚に商品を陳列・ストックし、必要に応じて補充するというオペレーションがおこなわれています。

多くの店舗では、定期的なサイクルで在庫をチェックすることによって、補充がおこなわれています。このやり方は、TBM(Time Based Maintenance:定期保全)とも呼ばれています。チェックサイクルが長くなれば運用負荷は下がる一方、必要な商品を提供できずに機会損失が発生します。だからといって、チェックサイクルを短くすれば、運用負担が高まり、人手不足のなかで従業員に負担を強いることになります。

天候や周辺イベントの影響、取引先の稼働など、外部環境によって在庫状況が変化するため、最適なサイクルで補充をおこなうのは至難の業です。人口減少時代に突入した日本では、あらゆる業界で人員不足が課題とされています。限られた人員で、なおかつ負担をかけることなく収益を最大化するには、デジタル技術やAI・IoT技術の活用が有効です。

定期保全から状態保全へ転換する、AIスマート棚

TBMの課題を解消するアプローチに、CBMCondition Based Maintenance。状態保全、予知保全)があります。これは、設備などの状態を診断して、適切な保全タイミングを見極める方法です。センサーやカメラなどIoT機器・コンピューティングの発展によって、人の負担をなくCBMを実現できるようになっています。

マクニカでは、小売店や飲食店での在庫管理にCBMを実現するための「AIスマート棚」の試作機を開発しました。これは、棚に載った商品・アイテムの重量を計測するセンサーと、その情報をBluetooth経由で管理アプリに送信し、数量・残量のモニタリングを可能にすることで、店舗運営最適化をサポートするソリューションです。

小売店や飲食店での在庫管理「AIスマート棚」の試作機
「AIスマート棚」の試作機

このアイデアは、もともと居酒屋のビールサーバー(樽)の補充の課題から着想されました。ビールサーバーは外見では残量がわからないため、ビールを注いでいる途中でサーバー内のビールがなくなってしまうことがあります。しかもその際にサーバー内に充満したガスが噴出し、お客様に音やビールの飛散で迷惑をかけるなど、取り扱いに注意が必要です。この課題を、ビールサーバーの中身が見えなくても重量を測ることで、ビールがなくなる直前に気付けると考えたのです。

AIスマート棚」の管理アプリでは、扱う商品の単位重量を設定しておけば、棚の上に商品が何個置かれているかを確認できます。ビールサーバーのような、液体の残量も計測・管理できます。そして、残数・残量のアラーム基準値を設定しておけば、それを下回った場合に補充通知のEメールを受信することができます。これにより定期巡回・チェックの必要がなく、在庫・残量不足を起こす前に補充するというCBMが可能となるのです。

小売店・飲食店における在庫・残量管理を最適化するデモ

スーパーマーケットなどの小売店や、ビールサーバーを置いた飲食店などにおける、商品棚の在庫・残量管理を最適化する「AIスマート棚」、ここでは試作機のデモの様子をご紹介します。実運用のヒントになれば幸いです。

システム構成

AIスマート棚(重量センサー:大サイズ)
AIスマート棚(重量センサー:小サイズ)
・モニタリングアプリ(PCBluetooth経由)

想定

重量センサーのデモ

ペットボトルをお茶飲料、水タンクをビールサーバー(樽)と想定し、デモンストレーションをおこないます。

デモ1:ペットボトルの本数をモニタリング

重量センサーでのペットボトル本数計数デモ

最初のデモは、ペットボトルの本数をアプリでモニタリングするデモです。

ペットボトルを識別して計測しています。AIスマート棚に載せられたペットボトルの本数が増えるたびに、アプリ内の「お茶」欄の表示数も増えていくことが確認できます。

デモ2:水タンクの残量(重量)をモニタリング

重量センサーでのビール残量計測デモ

続いてのデモは、水タンクの残量(重量)をアプリでモニタリングするデモです。

水の残量を計測し、Bluetooth経由でアプリに表示させています。AIスマート棚に載せられた水タンク内の水が減るにつれ、アプリ内の「ビール樽」欄の表示も減っていくことが確認できます。

デモ3:商品在庫が一定数を下回った場合にアラートメール

商品在庫が一定数を下回った場合にアラート

最後のデモは、商品在庫が一定数を下回った場合にアラートメールが送信される機能のデモです。今回はお茶飲料の在庫数が基準値を下回ったケースを紹介します。

アラートメール送信の基準値を3本以下と設定しています。ペットボトルを4本から3本に減らしてみます。

スマートフォンに在庫不足のアラートメール

【結果】
モニタリングアプリの表示が3本に減りました。
そして、スマートフォンに在庫の補充を知らせるアラートメールが届きました!

高度なAIによる更にインテリジェントなAIスマート棚の可能性

AIスマート棚」では、外部データと連携することで、店舗運営をよりスマートにする発展を考えております。例として、店舗に設置したカメラによるデータから来場者の年代・性別、会員情報を判別したり、気象情報や気温、質問、周辺の交通状況データを取得したりして、需要予測をもとにしたより高度な在庫管理に活かしていくというものです。

AIスマート棚と外部データを連携して店舗運営
AIスマート棚の売場での活用想定例

他にも、天候や気温、イベント情報などから補充のスケジュールを前もって設定したり、在庫状況に応じてタイムセールを柔軟に開催したり、顧客とのコミュニケーション履歴やチラシ・広告と販売実績を分析するなどのスマート管理以外の店舗運営への貢献も期待できます。

スマートな店舗を目指して

マクニカのMpressionは、最先端のセンサーなどのデバイスやAIテクノロジーを活用し、あらゆる産業の課題を解決するソリューションの具現化をおこなっております。

今回開発した「AIスマート棚」は、販売フロアやバックヤード、レストランや居酒屋などでの人員不足を補いながら、顧客によりよい価値を提供できるソリューションとなる可能性を秘めています。本ソリューションにご関心のある方はぜひお問い合わせください。

ものづくりコンサルティングサービス

ものづくりコンサルティングサービス詳細は以下ボタンよりご参照ください