1メガピクセル高解像ToFセンサーモジュール「ADTF3175」 その3つの特長とは?

ToFセンサーを探している方の中には、「従来のセンサーの解像度や精度に物足りなさを感じている」、「設計をできるだけ省力化するために、自社アプリケーションに組み込みやすいセンサーが欲しい」という方も多いのではないでしょうか。

ここでは、1メガピクセルの高解像度を誇り、さまざまな機器にそのまま組み込める、アナログ・デバイセズ社の高精度ToFセンサーモジュール「ADTF3175」を紹介します。高性能で汎用性のあるToFセンサーモジュールで、アプリケーションの性能を向上させましょう。

従来のToFセンサーの課題

対象物までの距離を計測するToFセンサーは、SLAM(自己位置推定と環境地図作成)、衝突回避、ジェスチャーコントロール、3Dスキャンなど、さまざまな機能に利用されています。従来のToFセンサーはスマートフォンやゲーム機などの消費者向け製品に採用されており、精度や性能を重視するアプリケーションの開発では、以下のような課題が発生していました。

  • 解像度と精度が不足し、小さいオブジェクトを正確に計測することが難しい
  • 検知範囲が狭く、何台ものセンサーを組み込む必要がある
  • データの解像度が低いため、画像処理AIの精度が上がらない
  • チップから光学設計をおこなう場合、検討事項が多く、手間がかかる

 

 

特に、産業機械やロボット、セキュリティシステムなど、高い信頼性が要求されるアプリケーションでは、より高精度で高分解能のToFセンサーが求められています。

そこでご紹介したいのが、アナログ・デバイセズのToFセンサーモジュール「ADTF3175」です。業界最高クラスの高解像度と高い深度精度を備え、産業用途を含む幅広いアプリケーションで活用できます。モジュールタイプのため、組み込みも容易で、設計の効率化を実現できます。特長を紹介しましょう。

1メガピクセル高解像ToFセンサー「ADTF3175」の優れた性能

ADTF3175は、これまでのToFセンサーにはない優れた性能を備えています。以下がスペックの概要です。

EVAL-ADTF3175-NXZ
EVAL-ADTF3175-NXZ

・3.5μm×3.5μmピクセルの1024×1024 ToFイメージャー搭載

Field of View(視野角):75°×75°

・深度範囲:40cm~4m

 ※条件:15mm以下の深度ノイズ、15%以上の反射率、5klux未満相当の太陽光

・深度精度:±5mm(全深度範囲)

・インターフェース

 -4レーンのMIPI CSI-2 Tx、1.5Gbps/レーン

 -4線式SPI

 -2線式I²C

・ローカル・イメージャーおよび照射レール用の電源レギュレーター

・キャリブレーション機能付き

 
 
性能面では、主に3つの特長があります。

高解像度1メガピクセル

1メガピクセル (1024×1024) という、画期的な高解像度を実現しています。高精細なデータを取得できるため、物体の形状やサイズ、動きなどをより正確に捉えることが可能です。実現できる処理の幅が広がり、従来のToFセンサーでは難しかった高性能なシステムも検討できます。

全深度範囲±5mmの高い深度精度

深度範囲0.44mに対応し、深度精度はわずか±5mmと高精度です。4m離れた場所にある対象物を、くっきりと検出できます。さまざまな距離条件で、安定した計測が可能です。全深度範囲で精度が一定のため、設計しやすいメリットもあります。

FOV 75°× 75°の広視野角

FOV 75°×75°という、先進的な広視野角を実現しています。検知範囲が広いため、広いエリアの監視が必要なアプリケーションも、少ないセンサー台数で対応可能です。シンプルな設計を実現でき、またセンサーのコストも削減できます。

ADTF3175で検討できる機能の例

ADTF3175を活用して、さまざまなアプリケーションの性能向上を検討できます。以下は、その一例です。

  • 精密なジェスチャーコントロール:指先の動きまで認識し、きめ細かい制御を実現
  • 高精度3Dスキャン:斜めに置かれた箱や円柱状の物体など、複雑な形状のスキャンを実用化
  • 精緻なロボットアーム操作:小さな部品やランダムに置かれた部品を正確に認識し、アームの精度を向上
  • 正確なピッキング制御:類似した形状を識別し、ピッキング装置の精度を向上
ToFカメラで精緻なロボットアーム操作
ToFカメラで高精度3Dスキャン

そのまま組み込めるセンサーモジュール

ADTF3175のもう1つの特長は、アプリケーションに組み込みやすいことです。ADTF3175はセンサーモジュールとして提供されており、そのままアプリケーションに実装できます。イメージャー用のレンズやレーザー・ダイオードなどの光学部品が統合されており、複数の分解能モードに対してキャリブレーションされています。端子を接続するだけで正確なデータが取得できるため、部品選定や光学設計を省力化し、開発期間を大幅に短縮できます。

 

さらに、評価キットが提供されており、USBPCに接続するだけで、すぐに性能を試すことができます。セットアップに時間をかけずに、データや動作を迅速に評価できます。SDKも用意されており、必要なドキュメントやコードはGitHubで公開されています。これらのツールを活用して、効率的な開発が可能です。

EVAL-ADTF3175
EVAL-ADTF3175

ADTF3175を使った測距デモ

「ADTF3175」を使って深度・輝度情報をヒートマップで表示するデモをおこなっています。

 
今回は高解像度・高精度のToFセンサーモジュールADTF3175を紹介しました。ADTF3175の登場によって、これまでのToFセンサーでは実現が難しかった高性能なアプリケーションを迅速に開発することが可能になっています。

 

ADTF3175の性能を実際に体験してみませんか?製品のデモを見たい方、見積もりをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

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