エネルギーを効率よく使うための制御方法
近年EUを中心に待機電力に対する規制が厳しくなっています。 また、携帯機器やセンサー端末などのバッテリーで動作する小型機器では、エネルギーを効率よく使うために電源ON/OFFを制御する必要があります。
このような場合はLTC2955を用いることで簡単に実現することができます。
自動電源投入機能を備えたプッシュボタン・オン/オフコントローラー LTC2955
LTC2955はプッシュボタンや電源の接続状態により、1.5V〜36Vの電源を管理・制御するプッシュボタンON/OFFコントローラーです。
LTC2955の機能は、ボタンを押してパワーアップする標準的なプッシュボタン制御だけではありません。
主電源や補助電源から電力が供給されると、自動的にシステムパワーをオンし、プッシュボタンが押されると、システムをパワーダウンする制御も可能です。
また、無操作状態監視によるタイマーでソフトウェア・シャットダウンや、電源電圧の低下を監視して自動的に消費電流1.2μAへパワーダウンしてバッテリーを保護することができます。
スタンド・アローンで動作するので、ソフトウェアの作成は不要です。
LTC2955を搭載することで、携帯端末などでよく用いられている電源のオン/オフ機能を簡単に追加することができます。
LTC2955は動作範囲が1.5V~36Vと広いので、携帯型装置やセンサー端末から車載用の電子機器まで、幅広い種類のバッテリーアプリケーションに使えます。
左記にLTC2955の構成図を示します。
LTC2955の動作と主な特徴
自動オン/オフの組み合わせはモード選択ピンで選択することができます。
LTC2955はパワーグッド出力、割り込み出力、およびkill入力を備えており、マイクロプロセッサーとのインターフェースも容易で、割り込みを使用できないマイクロプロセッサーの場合でも、プッシュボタンの時間をオフ・タイマにより設定することができます。
LTC2955の主な特徴:
・電圧モニタ入力を使った自動オン
・広い入力電源範囲:1.5V〜36V
・低消費電流:1.2μA
・バウンスを抑えたプッシュボタン(/PB)入力
・/PB入力のESD耐量(人体モデル):±25kV
・低リークのEN出力でDC/DC コンバータの制御が可能(LTC2955-1)
・PチャネルMOSFETをドライブする高電圧/EN出力(LTC2955-2)
・シンプルなインターフェースでマイクロプロセッサーの制御可能
・調整可能なオフ・タイマ
・10ピン3mm x 2mm DFNおよび8ピンThinSOT(TM)パッケージ
以下にLTC2955の動作イメージ図を示します。
LTC2955関連製品のご紹介
LTC2955の他に入力ソースが二つあるときに低損失で自動切り替えが可能な、理想ダイオードによるPowerPath機能を備え、より高機能な制御が行えるLTC2952なども用意されています。
以下にLTC2952の構成図を示します。
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