音響機器、PLC (Programmable Logic Controller) やセンサーを多く使用している機器において、高精度を必要としているような回路では、プラスの電源以外にマイナスの電源を必要としていると思います。そのような場合、ボード上でプラス・マイナスの電源回路を作るには、回路規模が大きくなってしまったり、システムの入力電圧が変わってしまうことにより電源回路をシステム毎に変更する必要が出て困ってしまうことはありませんか?

プラス・マイナス電源回路

高精度なアナログ回路がシステム内にある場合、センサー入力をプラス・マイナス電源のオペアンプで受けたり、出力する信号をプラス・マイナスにしたりするアプリケーションにおいて、プラス・マイナス出力可能な電源回路が必要となります。

 

±12Vを供給する電源回路を作る場合を考えてみます。例えば、ボード上に5Vが供給されている場合は、±12Vを作るには昇圧と反転のDC/DCコンバーターが必要となります。また、産業機器向けのシステムのようにボードに24Vが供給されている場合は、図1のように降圧と反転のDC/DCコンバーターが必要となります。

 

一般的なDC/DCコンバーターICを使用すると2チップ構成となり、非常に電源回路が大きくなると思います。また、入力電圧によって選定するDC/DCコンバーターICの変更が必要になり、電源回路の再設計が必要になると思います。

図1:降圧・反転コンバーターによるプラス・マイナス電源構成図

アナログ・デバイセズ社のソリューション

アナログ・デバイセズ社が提供しているLT8471は2チャンネルのDC/DCコンバーターICです。LT8471を使用することで、5V、12V、24Vなど、さまざまな入力電圧からプラス・マイナス電源を1チップで小型に設計することが可能になります。

 

また、LT8471は、降圧/昇圧/昇降圧/反転/SEPIC回路に対応していることも大きな特長です。図2にあるように、降圧と反転で構成することもできますし、昇降圧と反転の組合わせで設計することも可能です。

 

昇降圧の回路構成が可能であることから、広い入力範囲に対応した共通化された電源回路が実現可能となります。今までは、システムに供給される入力電圧にあわせて、設計変更する必要があったかもしれませんがLT8471を使用することで電源回路の共通化が図れます。

図2:LT8471電源構成図

LT8471を使用したプラス・マイナス電源のリファレンスボード

今回、マクニカオリジナルで産業機器向けに、LT8471を使用したプラス・マイナス電源のリファレンスボードを開発しました。

入力電圧範囲は6~36V、出力電圧は±12V(または抵抗を変更して±15V)の設定となっています。

 

図3が、実際の回路図とリファレンス・ボードの写真となっています。

図3:±12V電源回路図とリファレンス・ボード

回路図や基板レイアウトなどの設計情報は、「+/-12V Output Multi-Topology DC/DC with LT8471」をご参照ください。

 

最後に

この記事では、弊社で開発した、入力電圧範囲の広い±12V出力のDC/DC電源回路のリファレンスボードについてご紹介しました。ご紹介した製品について、詳細な情報をお求めの際は、ぜひこちらからお問い合わせください。



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