厳しいノイズ環境下で100mまで 延長可能な絶縁型SPIコントローラー
"LTC6820"は アナログ・デバイセズ社 が提供しているisoSPI絶縁型通信インターフェースです。
LTC6820は、2つの絶縁されたデバイス間で1本のより対線による接続を介して双方向のSPI通信を実現します。
このデバイスを搭載し、汎用のトランスを置くだけで、開発工数をかけずにノイズに強い差動通信と絶縁通信を同時に実現することが 可能です。これにより、従来の絶縁型 RS485 などで必要だった絶縁電源やフォトカプラーが不要になるため、コストが削減され、産業計測機器のインターフェースに最適な製品です。
この記事では、LTC6820の以下の特長について解説します。
- SPIインターフェースをソフトウェア変更なしに 簡単に絶縁差動変換
- 汎用トランスと汎用ツイストペアケーブルで、高ノイズ環境下でも100m通信可能
- 絶縁電源、フォトカプラー、フォーマット変換不要のため、コストを低減
1. SPIインターフェースを ソフトウェア変更なしに 簡単に絶縁差動変換
LTC6820は、ロジックの状態を信号に符号化し、その信号 を絶縁障壁を越えて別のLTC6820に伝送します。
受信側の LTC6820は、伝送信号を復号し、スレーブ・バスを該当のロジック状態に駆動します。レシーバー内の高精度ウィンドウ・コンパレーターが差動信号を検出します。駆動電流とコンパレーターのしきい値は簡素な外付け抵抗分割器で設定するので、必要なケーブル長と目的の信号対ノイズ比性能に合わせてシステムを最適化できます。

2. 汎用トランスと汎用ツイストペアケーブルで、高ノイズ環境下でも100m通信可能
絶縁障壁は簡素なパルス・トランスでブリッジを構成して、数百Vの絶縁を達成できます。
LTC6820は、整合したシンク電流およびソース電流を使用して差動信号を駆動するので、トランスの中間タップが不要であり、EMIが低減されます。

3. 絶縁電源、フォトカプラー、フォーマット変更不要のため、コストを低減
絶縁型RS485と比較しケーブル本数、絶縁電源やフォトカプラーが削減されるため、 システム構成がシンプルになり、コストも低減されます。

センサーとMCUが同一基板上に搭載の場合、SPIやI2Cなどのシリアル・インターフェースが良く使われます。
しかし、センサーと制御系の基板同士が十分に離れている状態(1m以上)においては、センサー基板のデータを制御基板のMCUなどに伝えるためにUART/RS485などのインターフェースを使うのがポピュラーな手段ですが、そのためにはセンサーの持つインターフェース (SPI/I2C) をMCUなどによってUART/RS485などにフォーマット変換する必要があります。
LT6820を使用すれば他のインターフェースにフォーマット変換することなく、SPIデータを引き回すことができます。
すぐに評価を開始できる "DC1941D" 評価キット
DC1941D評価キットを利用して、すぐにLTC6820の評価をおこなうことができます。
DC1941Dはジャンパーの設定でマスター/スレーブを選択できます。
イーサネットケーブルで2つのDC1941Dを接続することでSPI通信が可能になります。

この評価ボードには14ピンのリボンケーブル用コネクターが用意されており、別の評価ボードと接続し評価をおこなうことが可能です。

また、DC1907A評価キット (isoSPI2-Wire Serial Analyzer) を使用することでマスター/スレーブ間のSPI通信をモニタリングすることが可能です。
DC1941DのSPI出力をDC1907Aに接続し、DC1907AをUSBでPCに接続することで、DC1907A用のアプリケーションを利用したSPI通信の解析が可能になります。

アプリケーション例
- SPIインターフェースを持つセンサー搭載のシステム
- 産業用ネットワーク通信
- バッテリー・モニター・システム
- リモート・センサー

製品概要
型 名 | LTC6820 |
特 長 |
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