IoTソリューション向けエネルギーハーべスティング電源管理ユニット

本記事ではアナログ・デバイセズ社が提供するパワー・マネジメント・ユニット (ADP5091/ADP5092) を紹介します。

ADP5091/2は、利用可能エネルギーがわずかな環境下でも効率的に使用可能なインテリジェントな統合型エネルギー・ハーベスティング向けの超低消費電力パワー・マネージメント・ユニット (PMU) ソリューションであり、PV セルや TEG からの DC 電力を変換します。これらのデバイスは独自の回路設計によって、エネルギー・ハーベストで収集されたエネルギーを16µWから100mWの電力に変換し、その間の動作損失をサブµWレベルに抑えます。

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ADP5091 / ADP5092 評価用ボード

また、ADP5091/ADP5092は最高速のコールド・スタートも実現し、エネルギーレベルの低い状況でエネルギー・ハーベストに依存するデバイス類の場合、起動に必要な量のエネルギーを蓄積するまでに時間がかかり、計測や加工、伝送といった機能の作動開始が大幅に遅れかねません。その結果、データの収集漏れや動作速度の遅延が生じ、利便性や満足度も低下してしまいます。ADP5091/ADP5092は革新的なマルチパワーパス設計によってこうした問題を解消し、起動時間を短縮してスムーズな動作を可能にします。

エネルギー・ハーベストは完全な自律型IoTソリューションを実現する鍵となるきわめて重要な要素技術です。ADP5091/ADP5092により、バッテリー交換に非常にコストがかかるアプリケーションにおいて大幅なコスト削減を図れるだけでなく、バッテリー交換が不可能なものや現実的でなかったアプリケーションについても、数多くの新たなアプリケーションの可能性を生み出せるようになります。多くのアプリケーションが、太陽光エネルギーの採取が困難な低光量の屋内などきわめて低レベルのエネルギー採取環境下にあること、周期的に全くエネルギー採取が不可能な時間帯があることなどが、エネルギー・ハーベストの大きな障害となっています。

このため、パワー・マネジメント・ソリューションにはごくわずかなエネルギーでシステムを十分に稼働できるようにするだけでなく、エネルギー貯蔵デバイスを効率的に管理して、エネルギーが全く採取できない間もエネルギー需要を充分に賄えるだけの電力を供給できるようにすることが求められます。

主な機能と特長

  • 最大電力点追従 (MPPT) 機能により、バーベスターから可能な限りの最大電力の取り出しが可能
  • 超軽負荷時に最大効率を実現するためのヒステリシス・モード
  • 動作時の SYS ピンにおける静止電流 (VIN > VCBP ≥ VMINOP) : 510 nA
  • スリープ時の SYS ピンにおける静止電流 (VCBP < VMINOP) : 390 nA
  • 入力の動作電圧範囲:0.08 V ~ 3.3 V
  • 温度範囲:-40℃~125℃

想定対象アプリケーション

ADP5091/ADP5092を使用する際に想定するアプリケーションの例としては下記があります。

  • PV セル(太陽電池)によるエネルギー・ハーベスティング
  • TEG(熱電発電)エネルギー・ハーベスティング
  • 工業用モニタリング
  • 電源内蔵ワイヤレス・センサー・デバイス
  • エネルギー・ハーベスティングによるポータブル機器とウェアラブル機器
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