Okta 特集記事 - Oktaが目指す世界感と最新ソリューションを紹介! 「Oktane20」概要

Oktaが目指す世界感と最新ソリューションを紹介!「Oktane20」概要

アイデンティティの役割やその重要性について議論を深める場として、毎年ITのプロフェッショナルや開発者などが一堂に会するイベント「Oktane」。世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から、今回のOktane20はオンライン上で開催された。そんなイベントの概要についてお届けする。

IDaaS提供ベンダー Okta社のグローバルイベント「Oktane20」概要

2020年3月末から4月頭にかけてオンライン上で開催された「Oktane20」。IDaaSを提供するOktaが主催するこのイベント、今回は2万人を超える方が事前登録を行うなど、初のオンライン開催ながら興味の高いジャンルのソリューションであることが伺えるイベントとなった。グローバルに公開されたイベントだけに海外からも多くの方が登録し、米国の参加者がおよそ14,000名、日本を含めたAPACでは1,200名ほどが参加した。

今回はKeynoteだけで20名ほどのスピーカーが登場し、全体では65を超える分科会を用意、50を超えるゲストスピーカーが参加するなど、多くの登壇者がイベントを盛り上げた。なお、AWSやBoxなどクラウド事業者を中心に30を超えるスポンサーが協賛している。主催したOkta社からは「参加者から上々の反応を得ており、多くの方にOkta社の目指すビジョンが共有できた」とコメントが寄せられている。

Oktaが掲げる3つの重要事項

ではイベントにおけるKeynoteの様子をご紹介しよう。冒頭で、子供がカメラ前を横切るという“テレワークあるある”を演出しながら、自宅にて昨年のOktaneの映像を振り返ったOkta CEOのTodd McKinnon氏。昨今の状況を加味したうえで、オンライン開催に踏み切った経緯を語る。そして、今回のOktane20の概要についてマーケティング部門のRyan Carlson氏が説明、米国に本拠を置く非営利団体であるDonorsChooseと連携し、サンフランシスコのベイエリアにある学校における地域支援の様子を紹介しながら、COVID-19に向けた寄付の呼びかけを実施。同時に、COVID-19にて献身的なサポートを行う医療提供者に感謝を述べるTodd氏。

最初に語ったのは、信頼に根差したIDaaS企業であるOktaにおける3つの重要事項だ。「最優先事項は、チームの健康と安全であり、これ以上に重要なことはない」とTodd氏。そして「安全なサービスでビジネスを継続させながら、顧客が求める基本的なサービスを顧客に提供すること」。そして最後に挙げたのが「顧客の成功に向けて柔軟に対応していくこと」だ。合わせて、同社における長期ビジョンである「あらゆる組織があらゆるテクノロジーを利用できるようにすること」を紹介。「特定のベンダーや特定のプラットフォームに縛られない最適なテクノロジーがあれば、ビジネスを前進させるために必要な環境が自由に構築できる。この技術を簡単に使えるようにすることが我々の使命だ」と説明。そのための環境として同社が作り上げているのが、アプリケーションをはじめ、ネットワークやデバイス、プラットフォームなど、あらゆる環境に柔軟な接続が可能な統合的な「Okta Integration Network」だ。

オープンネットワーク「Okta Identity Cloud」の位置づけ

これまでOktaが行ってきたことは、Active DirectoryやOracleなどそれぞれのプラットフォーム内に組み込まれていたIDを引き出し、統合的なIDとして中心的なものにしたことだと力説する。「このIDプラットフォームが人々をつなぎ、保護する役割を担っている。IDプラットフォームの選択は重要なプラットフォーム選びの1つ」とTodd氏。ただし、複雑化するユースケースに対応すべく、ユーザーやデバイス、他のプラットフォームと対話するためのシナリオをプラットフォーム側で用意する必要があるという。「単に構成管理を行うのではなく、プログラミング可能なプラットフォームが必要。しかも、ITチームが使うコードをサポートするだけでなく、セキュリティチームや開発チーム、そしてビジネスリーダーであっても、プラットフォーム上でコードが実行できる環境が求められている」とTodd氏。そのために、中立的で安全かつスケーラブルな、働く環境で世界をリードするオープンネットワークとして「Okta Identity Cloud」を構築しているわけだ。

Oktaが持つ6つのコンポーネント

Oktaでは、従業員やパートナーなどが全てのテクノロジーにアクセスできる、顧客の安全なデジタル体験を提供するための機能を「Okta Products」として用意している。そして、これらを機能させるための共通サービス「Okta Platform Services」として6つのコアサービスを提供していると説明。それが、従来からある「Direcories」「Integrations」「Insights」と呼ばれるもの、そして新たに追加された「Identity Engine」「Workflows」「Devices」の3つだ。

「Direcories」は、Oktaの中核となるサービスで、柔軟なスキーマによってユーザー情報を格納できるユニバーサルディレクトリであり、ライフサイクル管理が可能なサービスだ。そして「Integrations」は、Okta Integration Networkにおいて、APIのテンプレートとツールキットを使用してインテグレーションが可能なサービスであり、コミュニティ全体で統合を実現する仕組みを提供する。「Insights」は、Octaサービスで生成されたすべてのデータを収集し、可視化や気づきにつなげることができるサービス。このInsightsには、悪意のあるIPアドレスをブロックするThreat Insightをはじめ、最適なセキュリティ設定を推奨するHealth InsightおよびUserInsightなどが含まれている。

そして今回新たに登場したのが、「Identity Engine」「Workflows」そして、「Devices」だ。

Identity Engine

カスタマイズ可能なコンポーネントとしてユーザーに公開した「Identity Engine」は、アプリケーションレベルでポリシーが設定でき、パスワード忘れだけでなくさまざまな設定項目のリセットや登録などを柔軟に行うなど、アカウントに対するリカバリが容易になっている。また、Okta Hooksと呼ばれるトリガーをIdentity Engineに組み込むことで、生体認証といった認証システムとの統合も可能なエコシステムを実装。このIdentity Engineは、社員及びパートナー向けのソリューションのみならず、顧客向けのソリューションにも適用できるものだ。

Workflows

「Workflows」は、Okta内部で発生したアクションやイベントをきっかけに、必要なプロセスやフローを正確に実行することが可能なサービスだ。例えば、新規ユーザーが作成された段階でSalesforceのファイルを移動し、その通知をSlackにて行うといったフローが容易に設定できる。しかも、これは開発者だけでなくIT管理者やセキュリティ担当者、ビジネスアナリストなど、プロセスをきちんと理解している人であれば、Oktaにアクセスして、ドラッグ&ドロップにてプロセス記述が可能な仕組みが実装されている。これによって、例えばセキュリティを使用してロックを解除するなどセキュリティレスポンスの自動化も可能になる。

Devices

Windows Helloといった生体認識によって業務に利用するアプリやWebサイトは利用者を認識できるものの、デバイスに応じてセキュリティポリシーを変化させることは難しい。「スマートフォンやノートPC、アプリ、Webサイトに至るまで、アイデンティティが利用者を追跡する必要があり、各種デバイスからIDを引き出す必要がある。レガシーテクノロジーで有効に機能するActive Directoryでは難しい」と力説する。そこで、デバイスからアイデンティティを自由にすることを可能にするコンポーネントとして用意されたのが「Devices」だ。

ゼロトラストセキュリティに移行するために全てのデバイスにOktaを組み込み、セキュリティに紐づいたコンテキストを収集、「Devices」によってデバイスの管理状況はもちろん、特定のアプリケーションに対しては最新バージョンのOSが動くデバイスしかアクセスさせないといった制御がOkta Integration Networkによって実現できるようになる。しかも、主要セキュリティベンダーとの統合が可能になることで、デバイスの暗号化やマルウェアの存在といったデバイスに関する新しい情報を取り込むことも。ユーザーごとのアクセス制限を可能にするだけでなく、Salesforceなどデバイスの可視性を持たない環境に対してデバイスやOSの種類などを表示させることができ、そして、リモートからでもデバイスごとにサインアウトさせることが可能になる。

Okta FastPass

Keynote最後の発表で紹介されたのが、「Direcories」「Identity Engine」「Devices」の3つを組み合わせたサービス「Okta FastPass」だ。Oktaに接続されている全てのデバイスで動作する仕組みで、パスワードなしの認証が可能なソリューションとなっており、個人のデバイスと企業所有のデバイス双方で柔軟に機能する仕組みだ。「組織で利用されるActive Directoryへの依存をなくすことができるようになる。デバイスからIDを取り出し、FastPassに設定してあげることで使いやすい仕組みを提供する」とTodd氏。その中核となるのが、デバイスのコンテキストを収集するDevicesであり、ワークフロー全体を調整するIdentity Engineだ。

あらゆる環境への容易なアクセスを実現するOkta FastPass実演

ここで、Oktaのシニアプロダクトマーケティング担当のTeju Shyamsundar氏が登場し、「あらゆる組織でセキュリティと利便性を両立させるために常に戦っており、その戦いにパスワードは大きく貢献する。しかし、身近であるために漏洩する危険性が常に付きまとう」と既存環境の課題を語る。Okta FastPassを利用すれば、既存インフラが持つディレクトリへの依存を最小限おさえながら、ユーザーに対して最高の体験を与えることができるという。ここで、事前に「Devices」に登録されたWindows 10デバイスをリモート拠点に送り、デバイス上にあるOkta VerifyからOktaアカウントにサインインを実施、Windows Helloの認証だけであらゆるアプリケーションにアクセスできるデモを実施した。また、iPhoneなどWindows以外のデバイスについてもOkta Verifyにて有効にすることで、同様のエクスペリエンスが得られることも紹介。個人所有のIT部門が管理していないデバイスであっても、FastPassによってパスワードを入力することなくSlackへのログインをデモで実演した。このFastPassが、ユーザーの信頼とデバイスの信頼に基づくゼロトラストセキュリティ実現に向けた重要なコンポーネントにもなるとも言及。他にもSalesforceを使ったレポートへのアクセス制限デモやランサムウェアなどのマルウェアにデバイスが感染した場合、企業リソースへのアクセスを拒否するポリシーを適用するデモも披露した。

最後のゲストとして妻を紹介しながら、これまでのOktaneの思い出について振り返るTodd氏。そして、COVID-19に関わるコミュニティへの寄付やOktane開催に向けたメンバーへの感謝、さまざまなボランティア活動に求められるリモートワークに対するOktaへの提案募集などについて言及し、最後に歌を歌うOktaの伝統に則って、The Beatlesの「Here Comes The Sun」を口ずさみながらKeynoteを締めくくった。

お問い合わせ・資料請求

株式会社マクニカ  Okta 担当

月~金 8:45~17:30