Okta Active Directory PW Sync Agentを利用してみた

はじめに

今回は、Okta Active Directory PW Sync Agentに関しての解説をしていきます。

[Okta Active Directory PW Sync Agentの機能説明] (以下AD PW Sync Agentと記載)

AD PW Sync Agentは一見名前を見ると、OktaADで管理しているPWを同期するように見えると思います。しかし、実はそのような機能ではなく、ADPWの変更をOktaへプッシュし連携先のSaaSへ反映させる機能になります。

この機能を用いると、OktaSSO連携を組んでいないSaaSに対して、ユーザーの利便性を損なわずにADID/PWでログインさせることができます。

AD PW Sync Agentありの場合

動作フロー

  1. ADからユーザーインポート(Delegated Authentication有効化)
  2. Oktaへユーザー作成
  3. Oktaから連携先SaaSへプロビジョニング(Sync Password有効化)
  4. SaaSへPWが同期
  5. AD上で対象ユーザーのPW変更
  6. AD PW Sync AgentがOktaへPW変更をプッシュ
  7. 連携先SaaSのPW変更
  8. SaaSへログインする際に変更後のPWでログイン

AD PW Sync Agentなしの場合

  1. ADからユーザーインポート(Delegated Authentication有効化)
  2. Oktaへユーザー作成
  3. Oktaから連携先SaaSへプロビジョニング(Sync Password有効化)
  4. SaaSへPWが同期
  5. AD上で対象ユーザーのPW変更
  6. OktaへPWの変更がプッシュされず、SaaSへのログインに使用されるPWは以前のPW

※AD PW Sync Agentがデプロイされていない環境下で連携先SaaSPWを変更するにはOktaからサインアウトし再度サインオンが必要になります。

AD PW Sync Agent設定手順

①Okta管理画面>Settings>DownloadsからAD PW Sync Agentインストーラーをダウンロード

②Windowsサーバ上でインストーラーを起動し、Nextをクリック

OktaテナントのURLを記載し、Next

 記載例)https://xxxxx.okta.com

④Okta AD PW Sync Agentをダウンロードするフォルダーを選択し、Install

⑤サーバの再起動が必要になるため、どちらかのオプションを選択

⑥Windowsマークをクリックし、追加されていることを確認しクリック

⑦Okta username formatをUPNSAM accountnameで選択

⑧Okta側のUsername formatと一致させ完了

設定は以上になります。

実際に動作が正常かを確認していきます。

①連携済みのAppのプロビジョニング設定を確認(OktaAppへのPW同期有効化)

②Appへプロビジョニングを行い、SaaS側でID/PWでログイン

③AD側で対象ユーザーのPWを変更

④再度SaaSID/変更後のPWでログインが成功するか確認

まとめ

Okta AD PW Sync Agentはあまり利用するケースは少ないかと思いますが、OktaSSO連携を組んでいないSaaSに対して、ユーザーの利便性を損なわずにADID/PWでログインさせることができ便利な機能となります。この記事を通して少しでもご理解いただければ幸いでございます。

その他Oktaに関するお問い合わせなどございましたら、是非弊社までご連絡ください。

 

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