センサーとは何か

「センサー」は、IoTの入り口

センサーとは、物理的、化学的な現象を電気信号やデータに変換して出力するデバイスや装置で、エレクトロニクス・アプリケーションの「知覚」としての役割を果たしています。
人間が視覚や聴覚などによって知覚した情報をもとに行動するように、エレクトロニクス機器も知覚装置であるセンサーにより情報を収集し、それを表示したり、それに基づいて作動しています。

センサーは、ファクトリーオートメーションなどの産業分野をはじめ、航空機や自動車などの交通機関、家電、さらにはパソコン、スマートフォン、デジタルカメラなどのデジタル機器にも活用されています。
特に、IoTにとっては、センサーは必要不可欠です。IoT 機器を開発する上では、多数のセンサーの中から、最適なセンサーを選ぶことが非常に重要になってきています。センサーを知ーることがIoTを構築する上での第一歩となっているのです。

センサーには、光や音、温度・湿度、圧力、距離、電気、磁気、速度、加速度、角速度などの物理的な現象を測定するセンサーだけでなく、大気中のガスなどを測定したり、溶液などの組成を調べる化学センサーがあります。
また、構成する材料面からセンサーを分類すると、物理量の変化による半導体素子の性質変化を用いる半導体センサーや、生体物質を用いるバイオセンサー(酵素センサー、微生物センサー、免疫センサー)などがあります。

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センサーはエレクトロニクス・アプリケーションの「知覚」としての役割

測定目的に最適なセンサーを選ぶことがポイント

今日では、知覚したい現象に応じて、多数のセンサーが開発されています。どのような現象を測定したいのか、その目的に最も適したセンサーを選ぶことが肝心です。ここでは、主なセンサーの概要を紹介します。

光センサー

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まずは、光センサーです。フォトダイオードの後段にトランジスタをつけたフォトトランジスタ、0.78μm以上の波長の電磁波を電気信号に変換する赤外線検出器、CCDやCMOSなどのイメージセンサー、光の性質を利用して物体の有無や表面状態の変化などを検出する光電子センサーがあります。

温度センサー

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温度を検知するためのセンサーとしては、設定された温度を保つように働くサーモスタット、電子システムの温度を監視し、温度の異常上昇からシステムを保護するための基板取付型温度センサー、低温域から高温域までの測定が可能な熱電対、測温抵抗体などの工業用温度センサーがあります。

湿度センサー

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湿度センサーには、大きく分けて高分子静電容量式と高分子抵抗式の二種類があります。
どちらも、湿分を吸湿、脱湿する感湿材を使用していますが、変換した電気信号を電気容量でとらえるのが高分子静電容量式湿度センサー、電気抵抗でとらえるのが高分子抵抗式湿度センサーです。現在では、高分子静電容量が主流となっています。

音センサー

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音センサーは、音の振動を計測するセンサーです。その振動を検出するのに、電磁誘導や圧電効果、振動板の静電容量の変化を利用した方式などがあります。

圧力センサー

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圧力センサーには、音波のように高速で変動する圧力を測定する動的計測方式と水深や圧力容器の内圧を計測する静的測定方式があります。また、超高圧か常圧か低圧かなど、圧力の強度によってもそれぞれに適した計測方法があります。

磁気センサー

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磁石や電流が発する磁気、さらに地磁気などの大きさや向きを計測するのが磁気センサーです。磁気には、さまざまな強度があるため、それに応じて、コイル、ホール素子、磁気抵抗素子から超伝導量子干渉素子まで沢山の種類がラインアップされています。

センサーの活用で、アプリケーションの未来を拓く

センサーは今日、大きな進化をみせています。小型・高性能化、複合化されたセンサーが開発され、それに伴って活用範囲も大きく広がっています。

例えば、気圧や温度などを測定できる小型のデジタル複合センサーが登場し、すでにスマートフォンやウェアラブル機器、ドローンなどに組み込まれています。
また、XYZの3軸方向の加速度を計測できる加速度センサーは、ゲームコントローラなどに活用されています。
産業関連のIoTでは、非接触センサーが注目を集めています。さまざまなデータの計測が非接触で行なえ、検出対象物の磨耗や損傷の心配もないからです。非接触センサーには、赤外線や磁気、光学センサーなどさまざまな方式が使われています。なかでも、放射熱を検知して温度を測定する光高温度センサーは、工場などで数多くの商品の温度を、同時にかつ瞬時に計測することが可能になるため、多くの工場で採用が進んでいます。

産業界では、周波数が30GHz~300GHzの電磁波を活用したミリ波センサーも注目されています。ミリ波は、周波数帯が非常に高いため直進性が強く、電波でありながらレーザのように扱うことができます。このため、特に車載や産業機器への応用が期待されています。
さらに、カメラで撮影した画像をソフトウェアで分析・照合する顔認証センサーは、ビルの入退出管理、空港での出入国審査、コンサートの入場チェックなどでも活用されています。
タッチセンサーで読み取った指紋情報を分析して、あらかじめ登録されている指紋情報と照合する指紋認証も普及しています。
赤外線を読み取るセンサーを利用したサーモグラフィ、味覚センサー、ガス漏れ検知器などの形で、家庭生活にもセンサーの応用領域が広がっています。
センサーを上手に活用することで、エレクトロニクス・アプリケーションの未来はさらに広がっていきます。

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様々なシーンで使われるセンサーのイメージ(アプリケーション)

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