
概要

右図のように、Si MOSFETとSiC JFETを内部でカスコード接続し、1パッケージ化した製品です。これにより従来のシリコンMOSFETと同じように設計可能です。
また、負電源が不要であり、既存のゲート回路、および汎用的なゲートドライバーで駆動可能といったメリットがあります。カスコードJFETのメリットについて説明します。
メリット1:負電源不要
カスコードJFETのVGSの推奨動作電圧は、非常に使い勝手が良いです。
ゲート電圧のスレッシュホールドは25℃環境において4.8Vです。よって、ゲート電圧のスレッシュホールドが高いため、負電源が不要です。
下図のとおり、カスコードJFETの推奨動作VGSは一般的なシリコンMOSFETと同様の0~12Vとなっています。

通常のSiC MOSFETはゲート電圧のスレッシュホールドが低いケースがあり、完全にOFFするために負電源が必要となることがあります。
メリット2:既存のゲート回路で駆動可能
次にVGSの絶対最大定格が、カスコードJFETは一般的なシリコンMOSFET同様で、プラスマイナス20Vの仕様です。
これにより、既存のゲート回路及び汎用的なゲートドライバーで駆動が可能です。
メリット3:低オン抵抗
このカスコードJFETはSiC JFETを使用しているため、他社の一般的なSiC MOSFETのチャンネル抵抗分がないため、トータルのオン抵抗を1/4~1/2程度にすることができ、低ON抵抗を実現しています。(下図の概略断面図参照)
ただ、カスコード接続することにより、Si MOSFETのON抵抗がプラスされますが、低耐圧のSi MOSFETとなるため、チャンネル抵抗の1/10程度となり、影響を無視できる程度です。

メリット4:低VF
次にスイッチング特性に関わるボディーダイオードの特性ですが、
まず一般的なSiCのMOSFETのボディーダイオードは、SiCをつかっているので、VFが高くなり、3.5V以上です。またQrrの特性もあまりよくなく、温度によって非常に早く値が大きくなります。
しかし、カスコードJFETは、ボディーダイオードはシリコンでできています。
電流はSi MOSFETのボディーダイオードを通りJFETを通って、ソースからドレインに流れます。この時、SiCのJFET自体はただの抵抗のようにふるまいます。
ボディーダイオードの特性としては低耐圧のMOSFETとなり、VFとしては1.5Vと低いです。
カスコードJFET製品ページ
このようなメリットがあるカスコードJFETのラインナップについては、オンセミ社のページで確認ください。
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