IoT技術の進歩と市場拡大により、データ通信機能を搭載する機器が増加しています。
特に小型IoTデバイスやセキュリティ機器、産業機器用センサーなどでは一次電池で動作する機器が多く、電池寿命を延ばすための低消費電力が求められており、特にスリープ時の消費電流が課題となっています。さらに、データ通信時には転送エラーを防ぐためのノイズ低減も求められます。
本製品は、超低消費電流Iq=70nA(日清紡マイクロデバイス従来品比1/4に低減)を実現し、スリープ状態での高効率な電力変換によってバッテリー寿命を延ばし、機器の長時間駆動に貢献します。さらに、ノイズ低減のために「低リップルモード」を搭載しており、MODE端子で簡単に切り換えることが可能です。低リップルかつ優れた負荷過渡応答特性により、データ通信時の転送エラーを抑制します。加えて、PWM/PFM自動切替え制御方式を採用し、負荷電流が小さいときはPFM、負荷が大きくなるとPWMに自動切り換えすることで、効率的な電力供給を実現します。
また、EN端子によりIq=50nAのシャットダウン動作に切り換えることが可能です。シャットダウン時の動作に関しては、以下3通りでバージョン選択が可能です。
・VIN–VOUT完全遮断 : NC4650ZAxxxAE2S、NC4650ZAxxxCE2S
・VOUTディスチャージ(オートディスチャージ機能) : NC4650ZAxxxBE2S
・VIN–VOUTパススルー(シームレス・パススルー機能): NC4650ZAxxxDE2S
本製品のパッケージは、高密度実装に適した超小型パッケージWLCSP-6-ZA1(1.3×0.92×0.4mm)を採用しております。

NC4650シリーズ WLCSP-6-ZA1(1.3×0.92×0.4mm)
特⾧
MODE端子により、低消費電流モード/低リップルモードを切り替え
本製品には、MODE端子があり、低消費電流のノーマルモードと低リップルモードを使用条件により、切り換えて使用できます。
ノーマルモードでは、自己消費電流が非常に小さいため、軽負荷においても高効率の電力変換(90%以上)を実現できます(VIN=3.0V、VOUT=3.3V、IOUT=0.01mA時)。
低リップルモードは、リップルが小さくかつ負荷過渡応答も向上しており、ノイズに敏感なシステムに最適な特性となっています。
<効率特性(ノーマルモード/低リップルモード;VOUT=3.3V)>

<Ripple特性(ノーマルモード/低リップルモード)>

シームレス・パススルー機能(NC4650ZAxxxDE2S)
本ICでは、シャットダウン動作時に、シームレス・パススルー機能バージョンを用意しています。
シームレス・パススルー機能は、パススルー時のVOUT端子の電圧変動やSW端子への逆流電流を抑えつつ、VIN端子およびSW端子の電圧をそのままVOUT端子に出力させる機能です。
EN端子に”High”レベルの制御信号が入力され、ICがシャットダウン動作に切り換わったのち、出力電圧は負荷により低下していきます。
VIN端子電圧まで低下すると、VIN端子電圧をそのまま出力し続けます。

アプリケーション例
- 補聴器・メディカルパッチ
- スマートウォッチ
- IoTエッジ端末
- キーレスエントリーシステム
- 報知器・センサーネットワーク機器
主な仕様(詳細はデータシートをご参照ください)
項目 | NC4650シリーズ |
入力電圧範囲 | 0.6V to 5.5V(最大定格 6.5V) |
出力電圧範囲 | 1.8V to 5.0V(0.1V単位) |
スタートアップ電圧 | Typ.0.8V |
消費電流(静止時) | Typ.70nA / 90µA(ノーマルモード時 / 低リップルモード時) |
SW制限電流 | Typ.1A / 0.65A (VSET≥2.5V / VSET<2.5V) |
動作温度範囲 | Ta=-40°C to 85°C Tj=-40°C to 125°C |
パッケージ | WLCSP-6-ZA1(1.3×0.92×0.4mm) |
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