近年、ドローンや医療機器、防犯用途などの分野でカメラの需要増加に伴い、カメラモジュールに搭載されるCIS(CMOS Image Sensor)の需要が高まっています。
CISは、低消費電力で高画質を実現するため動作電圧の低電圧化の傾向が強くなっており、CISを駆動させるボルテージレギュレーターには低電圧出力と安定した電源供給が求められます。また、CISはノイズに非常に敏感なデバイスであるため、低ノイズ化も不可欠です。
こうした課題を解決するために、本製品は0.4Vの低出力電圧を実現することができる2Aの大電流のLDOボルテージレギュレーターとして開発しました。画質向上により大電流化が進むCISにも、十分対応できる製品となっております。
出力雑音電圧は5μVrms(10Hz to 100kHz)であり、リップル除去率は1Aの重負荷でも50dB(1MHz)と超低ノイズ・高リップル除去率を誇ります。また、起動時の電流を一定の値で制限する機能を内蔵しており、突入電流の抑制、後段デバイスの電源入力の立ち上がりスルーレートや傾斜に制約がある場合でも制御が容易になります。
一般的に低出力電圧を実現する場合の課題は、入力電圧を下げるほどパワートランジスター(PMOS出力タイプ)のオン抵抗が増加し電力損失が増えることです。本製品では、高効率レギュレーションを実現するために内部回路用電源入力端子(VBIAS)とNMOSパワートランジスタ入力端子(VIN)を分離しています。さらに、低いオン抵抗(90mΩ)のNMOSパワートランジスターを搭載しており、入出力電圧差をTyp. 180mV(Iout=2A)と非常に小さく抑えることができます。
軽負荷時の消費電流を低減するために、負荷電流に応じて高速モードと低消費モードが自動的に切り替わるバージョンと、応答性を重視した高速モード固定バージョンを用意しており、イネーブル端子で本製品をオフした際に、後段コンデンサーをディスチャージする機能も内蔵しています。
本製品のパッケージは、面積と放熱性のバランスが取れたDFN2020-8-GA(2.0×2.0×0.8mm)を採用しています。

NR1644シリーズ DFN2020-8-GA (2.0×2.0×0.8mm)
特⾧
ノイズリダクションコンデンサー(CNR)により、高リップル除去率と低出力雑音電圧を実現
本製品にはノイズリダクション端子(NR端子)が備わっており、NR端子とGND端子間に0.1 µF以上2.2 µF以下のノイズリダクションコンデンサーを接続することで、高リップル除去率と低出力雑音電圧を実現することができます。

VIN端子リップル除去率

出力電圧雑音
ソフトスタート機能
本製品は、EN端子に”High”レベルの制御信号が入力されて、ICがONになるとR端子に接続されたCNRの容量とIC内で設定された定電流(1mA)によって、ソフトスタート時間を設定することができます。

主な仕様(詳細はデータシートをご参照ください)
項目 |
NR1644シリーズ |
VBIAS入力電圧範囲 | VSET+1.5V (≥2.4V) to 5.5V(最大定格 6.5V) |
VIN入力電圧範囲 | VSET+VDO to VBIAS(最大定格 6.5V) |
出力電圧範囲 | 0.4V to 1.5V(0.1V単位) |
出力電流 | Max. 2A |
ドロップアウト電圧 | Typ.180mV (IOUT=2A) |
自己消費電流 | Typ.75μA / 1mA (低消費電流モード時 / 高速モード時) |
出力雑音電圧 | Typ.5μVrms (10Hz to 100kHz) |
動作ジャンクション温度範囲 | -40°C to 125°C |
搭載機能 |
高速モード / 低消費モード自動切替機能、サーマルシャットダウン機能、パワーグッド機能、 |
パッケージ | DFN2020-8-GA (2.0×2.0×0.8mm) |
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