
製品概要
MultiLane社QSFP-DDループバックモジュール(Loopback Module)は、400G通信環境において電気信号を送信側から受信側へループバックさせることにより、正常にネットワークが機能しているかを確認できるモジュール型の製品です。
それに加え、疑似的な消費電力や温度試験、インサーションロスやEEPROMの内容をカスタマイズすることも可能です。
400Gの検証を始めるときの課題
現在の主流である100Gから400Gへの移行が進むと、膨大な帯域幅の需要に応えられるだけでなく、新しい技術への対応も可能となります。そのため自社で400Gの検証を開始したいとお考えのお客様が増えています。
ただし400Gともなると消費電力も高く、実際に検証を始める際にまずは放熱環境を整えることが必要不可欠です。本記事では、検証を始めるのに最適なMultiLane社のループバックモジュールをご紹介します。

QSFP-DDループバックモジュール 3つのメリット
1.検証を気軽に始められる
検証の段階で400G光トランシーバーモジュールを一式用意することは、費用面で現実的に難しいという声を多くいただきます。そちらに比べてループバックモジュールなら、より低コストで気軽に検証を始めることができます。検証専用の機材のため、実機を故障させてしまうといった心配もありません。
2.消費電力の設定が可能
ループバックモジュールに、本番環境で使用する光トランシーバーモジュールの想定消費電力値を設定可能です。またスイッチのポート数だけ本製品を同時に挿入し、任意の消費電力値を設定することで、実運用に近い検証を実現します。
3.モジュールの温度をその場で目視可能
通常、光トランシーバーモジュール内の温度を測定する際はスイッチに光トランシーバーモジュールを挿し、PCにて逐一コマンドを打って温度を確認します。本製品は本体にLED表示があり、PC操作なしで光トランシーバーモジュール内の温度をリアルタイムにモニタリングすることが可能です。
QSFP-DDループバックモジュールを用いた検証
MultiLaneのQSFP-DDループバックモジュールには、通常のループバックモジュールの機能に追加して、消費電力値の設定、LED表示によるモジュール温度確認が可能な製品「ML4062-TL2a-C-LCD」があります。今回はそちらを実際に使用して、温度上昇をモニタリングしてみました。
測定系

試験方法
上記のそれぞれ評価系において約1Wずつ消費電力を上げていった際のモジュール内温度を測定しました。
※室温20℃。消費電力を変更する度に3分程経過した時の温度を観測しています。
結果

送風機がない場合では、たった8W程度で75℃を優に超えてしまいます。 しかし、送風機がありの場合にはMaxの23.4Wまで70℃以下を保っています。
一般的な光トランシーバーの動作保証温度である70℃程度を保つためには、細やかな消費電力の調整をしながら放熱環境の検証をおこなう必要があります。
MultiLane社のループバックモジュールを用いれば、モジュールについたLED表示から温度を目視で簡単に確認しつつ、様々な消費電力のパターンを検証することができます。
検証や導入でお困りの方はお問い合わせください
400Gを始めるまでハードルが高いと感じられている方も、まずはループバックモジュールを使った検証をご検討いただければ幸いです。