こちらのページではInfineon（インフィニオン）社の車載向けマイコンである「Automotive PSoC™ 4 」の概要と、車載アプリケーションを開発されるお客様へどのようなソリューションが提供可能かをご紹介します。
(PSoC™ … Programmable System-on-Chip)
【目次】
3. Automotive PSoC™ 4 MCU製品ラインナップ
4. New Prodact PSoC™ 4 High Voltage (HV) ファミリ
5. 開発環境
9. お問い合わせ
1. Automotive PSoC™ 4 特徴
Infineon社は車載向けマイコンとして、高性能で低消費電力な32-bit Automotive PSoC™ 4(Programmable System on Chip)をラインナップしております。一般的なMCU周辺ペリフェラルに加えて、業界実績No.1静電容量性センサー、オペアンプ、ADCなど各コンポーネントの接続をプログラムできるアナログブロック、およびカスタムロジックを効率的にプログラムできるデジタルブロックを内蔵しています。
業界実績No.1の静電容量センサー（CAPSENSE™）
Automotive PSoC™ 4に搭載されたInfineon社の静電容量センサー（CAPSENSE™）は、2003年の登場から10億個以上を出荷しており、業界No.1の実績を持っています。CAPSENSE™は、15年を超える継続的な開発を行っており、高い信頼性を確保しています。
・業界ベストイン クラスの高いSNR
・高い耐水性能
・車載EMI / EMC要求を満たす高ノイズ耐性
・低消費電力対応
・自己容量、相互容量センサーに加え、新たに誘導式センサーに対応
・最新の高感度静電センサー: 新式差動方式によりノイズエラーを除去
プログラマブルアナログブロックによるカスタムアナログフロントエンド
Automotive PSoC™ 4は、デバイス内で直接ADCに接続できるオペアンプを提供しています。これにより、たとえばバッファーやゲイン アンプを構成する、2つのオペアンプを用いて差動増幅回路を作るなど、外付け部品を使用することなくアナログ フロント エンドが構成できます。
柔軟なAFE設計によるセンサーシステム統合例
プログラマブルデジタルブロックによる仕様拡張性とBOMコスト削減
Automotive PSoC™ 4は タイマー、PWM、SCB、セグメントLCDドライバー、スマートI/Oが装備され、ブール演算や簡単なロジック動作ができるLUTを内蔵しています。また、UDB (Universal Digital Block) として、PLDなどの16ビットのフリップ フロップ16個を2段構成し、前後にロジック演算ができるデジタル素子を含み、記憶素子を用いたロジック演算をさせたりすることが可能です。
また、設計者のお好みの機能を選択してソフトウエア上で構築し、デジタル アナログ混在型のカスタムMCUとして使用することも可能です 。
2. 実現可能なアプリケーション例
PSoC™ 4を使用したアプリケーション例として、情報端末タッチパネル、タッチセンサー式ドアハンドル、ステアリングスイッチ、ハンズオン検出、液面検出、バッテリー監視センサーなどがあります。
3. Automotive PSoC™ 4 MCU製品ラインナップ
Automotive PSoC™ 4 は、32KB Flash / 4KB SRAM / 20 Pin Deviceから384KB Flash / 32KB SRAM / 100 Pin デバイスまで幅広くラインナップしており、ニーズに合わせコアCPUや内蔵ペリフェラルなど、細かなデバイスの選択が可能です。
1 Successive approximation register ADC
2 Maximum number of comparators (including comparators configured using opamps )
3 Average current consumption per sensor
4 Maximum number of hardware-based timers, counters and PWMs, using timer/counter/PWM (TCPWM) blocks and universal digital blocks (UDB)
5 Maximum number of hardware-based SPI, I2C, UART, and LIN Slave interfaces, using SCBs and UDBs
4. New Product PSoC™ 4 High Voltage (HV) ファミリ
PSoC™ 4 HVファミリは、開発中の新しいPSoC™ 4ファミリです。(2023/7)
これまでのPSoC™に、ハイボルテージシステムを備え、機能安全に対応した製品展開を予定しています。
PSoC™ 4 HV PA
PSoC™ 4 HV PA ((High Voltage Precision Analog) は、バッテリ監視と管理として最適な完全統合プログラマブル組み込みシステムです。
PSoC™ 4 HV PAは下記の特徴を備えています。
・最大48 MHzで動作するArm® Cortex®-M0+プロセッサ
・プログラム可能で再構成可能なアナログおよびデジタルブロック
・2つの高精度ΔΣADC（16〜20bit）
・LDO内蔵12 V / 24 Vバッテリーで直接動作（最大42 Vを許容）
・LINトランシーバー内蔵
・ASIL-BのISO26262の開発プロセスに従って開発ISO26262-10：2018E、条項9に準拠）
・ECC保護機能付きコードフラッシュを提供。
・AEC（Automotive Electronics Council）-Q100認定。
PSoC™ 4 HV MS PSoC™ 4 HV BMS
Coming Soon
5. 開発環境
開発ツール
・PSoC™ Creator: Concurrent Hardware & Firmware Design
・ModusToolBox™ and Peripheral Driver Library (PDL)
評価ボード
PSoC™ 4000S CapSense Prototyping Kit
PSoC™ 4000S プロトタイピング キットは、PSoC™ 4000S デバイスを使用した第 4 世代低消費電力 CAPSENSE™ ソリューションの評価と開発を行うことができます。このキットは、スナップアウェイ フォームファクタで設計されており、KitProg（オンボード プログラマおよびデバッガ）をターゲット ボードから切り離して使用することができます。
PSoC™ 4100S Plus Prototyping Kit
・CY8CKIT-149
PSoC™ 4100S Plus プロトタイピングキットは、PSoC™ 4100S Plus デバイスの評価と、Infineon社の第4世代低電力 CAPSENSE™ ソリューションを使用した開発を可能にします。このキットは、スナップアウェイ フォームファクタで設計されており、KitProg（オンボード プログラマおよびデバッガ）をターゲット ボードから切り離して使用することができます。
PSoC™ 4100S Max Pioneer Kit
PSoC™ 4100S Max パイオニア キットは、PSoC™ 4100S Maxデバイスの設計およびデバッグを行える廉価なハードウェア プラットフォームです。PSoC™ 4100S Max は48 MHz Arm® Cortex®-M0+ コア、384KB フラッシュ、32KB SRAM、12 ビット SAR ADC を含むプログラマブル アナログ ブロック、プログラマブル デジタル ブロック、暗号アクセラレータ、CAN-FD インターフェース、84 GPIO を搭載しており、 CAPSENSE™ による静電容量センシングが可能です。
MiniProg4 Program and Debug Kit
MiniProg4 プログラムおよびデバッグ キットは、PSoC™ 4、PSoC™ 5LP、および PSoC™ 6 MCU デバイス用のオールインワン開発プログラマーおよびデバッガーです。 サポートされているデバイスのプログラマまたはデバッグ プローブとして MiniProg4 を使用します。
6. Infineon社の自動車向けMCUソリューション
近年、自動車業界では機電一体化が更に加速している中で、テクノロジーの進歩や新たな法令の制定など様々な背景からシステムに要求される仕様は日々変化が生じています。Infineon社は複雑化する要求仕様における課題に対し、解決策を提示し続けることができるトータルソリューションパートナーです。
今回ご紹介したAutomotive PSoC™ 4は、Infineon社の持つ車載向けMCUファミリーの中においてローエンド、ミドルレンジのアプリケーションをカバーするソリューションですが、より機能安全レベルの高いアプリケーションをカバーするAURIX™ TC3xや、特にクラスター系で多くの実績があるTRAVEO™ T2G、また、モーターアプリケーションに特化したEmbedded Power ICsなど、様々なシステム要件に対しベストな解決策を提案することができます。
一例として、AURIX™ TC3xとTRAVEO™ T2G MCUのアプリケーション区分を示しますが、ほぼすべてのアプリケーションに対して、最新の技術トレンドを踏襲したMCUをご選択いただけます。
7.マクニカが提供するソリューション
セキュリティ要件に対する課題をお持ちのお客様に対して、弊社よりETAS社のご紹介が可能です。
自動車アプリケーションにおけるサイバー攻撃の脅威に対し、分析や課題抽出といった導入検討から、実装、量産、保守のプロセスを一貫してサポートするソリューションを提供しております。
セキュリティ導入検討におけるトレーニングやセミナなども開催していますので、リンクのETAS社紹介ページより詳細をご参照ください。
AURIX™ TC3x、TRAVEO™ T2Gにそれぞれ実装されているHSMをご利用になられる場合、もしくは既存システムのMCUの流用がほぼ決定しているもののセキュリティ要件を達成しなければならないといった課題をお持ちの場合、CycurLIB, CycurHSMといったソフトウェアソリューションが最適です。
また、多くのサードパーティ、並びにエコシステムパートナーが提供する最新情報や、Infineon社製品に関連するトレーニングの情報は、別途ご案内することが可能です。
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