カタールで開催された2022年FIFAワールドカップで選手たちの華麗なプレーに魅了された一方、世界のIoT業界ではブラック・テクノロジーが熱い議論を巻き起こしていました。クロアチア選手が直前のオフサイド判定によりPKを取り消されたり、日本選手の勝ち越しゴールにつながるパスが、わずか
1ミリ”ながらオンライン判定となったり、VAR(Video Assistant Referee/ビデオアシスタントレフェリー)は今回のワールドカップで重要な役割を果たしました。

 

“VAR”は2018年にロシアワールドカップで導入された技術であり、前述の通り2022年のカタールワールドカップでは試合結果を左右する極めて重要な役割りを果たしました。“VARシステム”は、反則行為を見極めるだけでなく、フィールド上の選手やボールの位置と動きを高い精度でモニターすることが可能です。

今回のワールドカップで、開催国のカタールに対してエクアドルがPKで先制点を決めましたが、このPKはワールドカップでは初めて“VAR技術”によって判定された歴史的なゴールでした。

審判や大会関係者による論争を解決したり、ゲームが正しいルールにのっとって行われているか確認したりする際、“VAR”が迅速かつ正確な判断を下します。つまり、テクノロジーの新時代がサッカー界に新たな革命をもたらしているのです。

 


しかし、“VAR”の結果はどのくらい正確なのでしょうか?どのようにして正確で信頼できるデータと映像を、迅速かつ多角的に審判に提供することができるのでしょうか?

出典:FIFA

VARシステムのコア技術

出典:FIFA

“VARシステム”の迅速なジャッジは、フィールドに設置された 12 台の追跡カメラと、ボールに埋め込まれたUWB(ultra-wideband sensor/超広帯域センサー)とIMU(inertial measurement unit/慣性計測装置)という2つの独立したセンサーが同時に作動するチップに依存します。


“UWB”は正確な位置データを受信して基地局に中継し、“IMU”はボールの速度や方向のデータを検出します。このデータは1秒間に500回映像オペレーションルームに送信されます。

出典:FIFA

“VAR技術”のワークフローは基本的にIoTソリューションと類似します。

フロントエンドのデータ収集から、UWB基地局との通信、バックエンドのデータ解析まで、モーションセンサー、位置、通信、エッジコンピューティングを効果的に統合しています。

IoTの中核となるこれらの機能は、2組のセンサーの相互作用によってデータの正確な収集が保証されるものの、データの送信に遅れが生じます。

サッカーのデータをリアルタイムに解析するには、“エッジコンピューティング”による処理が必要です。

UWB基地局がサッカーデータを受信すると、フィールド近くに設置されたエッジコンピューティングプロセッサーが、ほぼ同時に速度・動き・距離を計算し、12台の追跡カメラを使ってサッカー選手の動きを認識し、動作を調整します。

エッジコンピューティングのユビキタス化

“エッジコンピューティング”は、サッカー場だけでなく、インテリジェント家具、産業制御、自動運転車など、人々の生活の多くの分野において不可欠な役割を果たすようになってきています。

 

新しいアプリケーションが開発されるにつれ、ウェアラブルデバイスの内部ストレージとそのタスクに対する要求は、より厳しくなってきています。

OSの保存からデータのバッファリング、写真や動画の一時保存、ネットワークバッファリングの計算など、機能は徐々に複雑化し、読み取り速度やストレージ容量に対する要求も高くなりました。

 

AIoT(Artificial Intelligence of Things)時代を迎え、多くの運用タスクがエッジ端末に投入され、キーワードや画像の認識をもたらすために、

内部メモリーに大量のデータストレージを持つAIや機械学習モデルが必要になってきているのです。

前述のように、アプリケーションシナリオはレイテンシーに関する要求が比較的高く、データはエッジコンピューティングのプロセッサを経由する必要があります。

そのため、“内部ストレージ”は最先端コンピューティングにおいて“決定的な要素”となっています。

エッジコンピューティングに必要な内部ストレージとは?

ウェアラブル機器では、製品がスムーズに動作することだけでなく、データを正確に収集し、エネルギー効率、最大のバッテリー寿命も期待されています。スマートブレスレットやTWSイヤホンなどのアプリケーションには、以下の利点を提供する“HYPERRAM”が最適です。

 

超低消費電力:HYPERRAMは、通常オペレーションおよびハイブリッドスリープモードで“超低消費電力を実現”します。

    8V、64Mビットの HYPERRAMは、室温でスタンバイ時の消費電力は70uW、ハイブリッドスリープモードではわずか35uWです。

簡素化されたデザイン:pSRAMの信号ピンが31本に対し、HYPERRAMは13本しかありません。つまり“設計と生産プロセスを大幅に簡素化”します。

省スペース:少ピンカウントパッケージでホストコントローラーのインターフェースも少ないため、“基板フットプリントが削減”されます。

より高いリアルタイムデータ転送能力、ストレージ容量、データ帯域幅、および安定性が求められるアプリケーションには、“DRAM”がより適した製品であると言えます。車を例にとると、運転中は“ミリ秒単位”の遅延により重大な被害をもたらす可能性があるため、リアルタイムなデータ転送と処理をサポートするために十分なデータ帯域幅とストレージ容量を持つメモリーが要求されます。

ウィンボンドは、LPDDR、LPDDR2、LPDDR3、LPDDR4など一連の“DRAM製品”を提供しており、これらは低消費電力を必要とするアプリケーションに適しています。また、2~4GビットのLPDDR4/4Xの販売も開始しました。最新のLPDDR4/4Xモデルには、以下のような特長があります。

 

・わずか5×10mm2の小型100BGAパッケージを採用

・JEDEC JED209-4規格に準拠し、省エネ・低炭素化に貢献

・民生用途に適した4267Mbpsのデータ転送が可能

・小型パッケージで高いデータスループットを必要とするアプリケーションに最適

 

小さなセンサーがサッカーの公平性と正確性を支えていますが、これは基盤となる技術をサポートするチップに起因していると言えます。

IoTは私たちの生活をよりつながる世界へ導き、それによって内部メモリーへの依存もますます高まっていくことでしょう。

関連リンクはこちら

お問い合わせ / お見積もり

本製品に関してご質問、サンプル、お見積もりなどのご希望がある方は以下よりお問い合わせください。

Winbond メーカー情報Topに戻る

Winbondのメーカー情報Top ページに戻りたい方は以下をクリックください。