前回の反省点を踏まえて改良版を作ります
前編「まずはやってみよう」では、技適を取得した基板で実際にどれくらいの距離までパケットが飛ぶのか実験しましたが、思ったように測定することができませんでした。前回の反省点を以下にまとめます。
- 評価ボードを内蔵するケースは必須
- ケースの外から触れるボタンが必要
- 天気は重要
以上の反省点を踏まえて確実に測定をするため、筐体に評価ボードとアンテナを固定することにしました。
今回は、改良版の製作過程と、改良版を使った測定結果を紹介します。
改良版の製作
エンジニア数名で改良版の製作を行いました。
はじめに評価ボードを内蔵するケースにアンテナ用の穴を開けます。穴を開けたケースは数名でネジと評価ボードを固定します。

最後に、PCの上に載せて計測したいため、ケースに滑り止めのゴムを付けたら完成です。
それぞれのアンテナ向けに計5台製作しました。
これで改良版の準備はOKです。

天候にも恵まれたお台場で測定!
雨の中でも580mという距離が測定できたので、今度は更に広い場所に向けて飛ばしたいと考え、レインボーブリッジからお台場に向けて電波を飛ばすことにしました。海に向かって飛ばせば遮蔽物の心配もありませんので、最大距離が測定しやすいはずです!
ちなみにレインボーブリッジから、お台場の自由の女神までの距離は約1.6kmあります。

測定方法
今回の測定方法は、1人が送信機を持ってレインボーブリッジから電波を送信し、残りのメンバーで改良版の筐体を持ち歩いてパケットが受信できているか確認します。
下記のようにPCに載せて歩いたので、早速ゴムを付けて良かったと感じました。

測定の結果は?
直線距離
ちょうどフジテレビの近くに来たところで、複数台用意した受信機の内、パターンアンテナを使ったものが受信できなくなりました。
外付けのアンテナを搭載したものはまだまだ遠くまで行きます。結局、Diver Cityの脇まで到達しました。
まとめると、以下のような図になります。
- [赤] 受信機1(パターンアンテナ搭載):約1.75km
- [青] 受信機2(外部アンテナ搭載):約2.00km

エリア別の測定
直線距離だけでなく、お台場の街を周って測定できるエリアも調べてみました。結果は以下の通りです。
- 緑エリア:受信機1、2共に良好
- 黄エリア:受信機1、受信機2共に一時的な途切れが発生するもののパケット受信可能
- 赤エリア:受信機1、2共に測定不可

期待以上に飛距離が出たので非常に驚きました。ただ、やはり評価ボードに簡易的な筐体でアンテナを固定しただけのものですので、ちょっとした環境変化でパケットの受信可否に大きく影響があることもわかりました。
以下はパケット受信に影響したのではないかと思われる遮蔽物です。
- 林(背の高い木が茂ってるところ)
- ビル(ビルの背面に入るとパケットが届きにくくなる)
- 橋(通常の道路と比較して、橋の上はパケットの受信がし辛い)
一方で、背の高いものがなにもない広場や、海に面している場所などは、距離が遠くても非常によくパケットを受信しました。
Sub-GHzは遮蔽物さえなければ約2Km先まで届く
前回は雨が降っていたこともあって、途中で計測をやめてしまい580mしか測定出来ませんでした。お台場ではなんと約2kmも届くということがわかりましたので、再挑戦の結果が出せて非常に良かったです。
Sub-GHz帯無線通信の飛距離を測定してみたシリーズはこれで終了ですが、みなさまの開発にお役立ていただけましたら幸いです。
お問い合わせはこちら
本記事でご紹介したTI社の開発キットや、Sub-GHz対応製品に関する詳細な情報をお求めの方は、是非こちらからお問い合わせください。
関連情報
おすすめ記事/資料はこちら
Sub-GHz帯無線通信の飛距離を測定してみた 前編「まずはやってみよう」
Sub-GHz帯無線通信の飛距離を測定してみた 後編「改良して2kmに挑戦」
技術基準適合証明取得までの道のり 第1話「技適を取ろう」
技術基準適合証明取得までの道のり 第2話「書類の準備」
技術基準適合証明取得までの道のり 第3話「試験実施」
おすすめセミナー/ワークショップはこちら
商品の購入はこちら
LAUNCHXL-CC1310
※本評価ボードは国内の技適認証を取得しておりませんので、お客様の判断でお使いください。