無線LANをセンサーにする「Wi-Fiセンシング」とは
Wi-Fiセンシングは、Wi-Fiを活用して人や動物、物体、特定の場所に関する情報を取得し、ユーザーの存在検知やスマートビルディングでの環境モニタリング、リモート健康モニタリングなどのアプリケーションを可能にする技術です。
赤外線ベースのセンシングと異なり、非視線条件で動作し、広範囲をカバーできる点で優れています。また、ビデオベースのセンシングとは違い、視界や照明条件が悪くても動作し、ユーザーのプライバシーを保護します。さらに、Wi-Fiは低コストで広く普及しており、標準化された技術のため、複数のベンダー間での相互運用性があり、データ通信、測距、センシングを単一のチップセットでサポートします。
Wi-Fiを利用したセンシングの実現可能性は、ジェスチャー認識、人数カウント、睡眠検出などの多様なアプリケーションで評価・実証されています。市場には、住宅のセキュリティ、高齢者ケア、ホームオートメーション、家庭内の動き検出、存在位置や姿勢認識などの機能を提供する商用のWi-Fiセンシングソリューションも存在します。現在、IEEE802がセンシング専用の機能を定義していないため、Wi-Fiセンシングは相互運用性が限られた独自の実装に依存していますが、2025年3月に「IEEE 802.11bf」としてWi-Fi(無線LAN)の規格に盛り込まれる予定です。
Synapticsは、IoTアプリケーション向けのワイヤレス接続ソリューションを提供しており、世界中で多くの採用実績があります。これらの製品は、低消費電力、広い接続範囲、高い信頼性と相互運用性を実現しています。最新のWi-Fi 6、Bluetooth 5.x、Zigbee/Thread、ULE、およびL1+L5デュアル周波数GPSがラインアップされています。
SynapticsのWi-Fi SoCは、特定のAPIを介してCSIデータを出力します。CSIは信号が伝搬するチャネルの情報を提供します。環境内の障害物は反射、回折、散乱などを引き起こします。CSIのそれらの微妙な変化を利用して、人の存在や環境の他の変化を検出することができます。
Synaptics Wi-Fi センシングの特徴
- トリプル接続: WLAN、BT/BLE、および802.15.4ネットワークとのシームレスな通信が可能
- 低消費電力: 継続的なセンシングが可能
- Wi-Fiセンシングのための内部HWバス: Wi-Fiセンシングによる干渉なしに安定したWi-Fiストリーミングを実現
- 自社開発のHPDおよびCPDアルゴリズム: SynapticsのAIチームが存在検知と呼吸のためのアルゴリズムを自社開発
- 実績のあるパフォーマンス: Synaptics製品は、3rdパーティのWi-Fiセンシングソフトウェア会社のベンチマークで1位を獲得
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