Synaptics トリプルコンボ ワイヤレスSoC

Synapticsは、1986年にアメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに設立された、ヒューマンインターフェース(HMI)ハードウェア及びソフトウェアのメーカーです。

2020年7月にBroadcomよりワイヤレスIoTコネクティビティ事業を買収し、Wi-Fi®、Bluetooth®、GPS/GNSS製品およびIoT市場でのビジネスに対する特定の権利、ならびに最新プロセスで開発された今後の製品ロードマップを取得しました。Synapticsが展開するワイヤレスコネクティビティ製品は、IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)対応スマートフォンに採用されるなど、最新規格に対応するIPをいち早く開発して市場に投入した数多くの実績があり、OTT(Over-The-Top)サービス用端末やセキュリティカメラ、スマートホームデバイスなど幅広いIoT機器にも採用されています。

 

本記事では、Synaptics 最新製品の中でも特に注目の、トリプルコンボ ワイヤレスSoCについてご紹介します。

トリプルコンボワイヤレスSoCとは?

Wi-FiとBluetoothを一つのパッケージに搭載する製品は「コンボワイヤレスSoC」として知られてきましたが、2022年に新製品として発表した「トリプルコンボワイヤレスSoC」は、Wi-FiとBluetoothに加えてIEEE802.15.4(Thread/Zigbee/Matter)を搭載する製品です。どれも2.4GHz帯域を使用する無線規格ですが、独自のCoexエンジンによりさまざまなコンディション下でいつどの無線規格をターンオン/オフするかの判断することが可能です。

トリプルコンボ製品を使用することで、高速ビデオ/データ伝送 はWi-Fiで、オーディオ/ファイル伝送はBluetoothで、低電力センサー/制御ネットワークはIEEE802.15.4で、といったように世界中で最も多く使われる3つの無線規格に対応することで、最新IoT機器間のシームレスかつ安全な接続を実現します。

製品仕様 を少し詳しく

トリプルコンボワイヤレスSoCには、最新16nmプロセスで超低消費電力のSYN4381/4382という製品があり、2022年9月に日本でも使用可能になったWi-Fi 6Eに対応しています。これまで未活用だった6GHz帯を利用することから、ワイヤレス通信における混雑緩和や通信の高速化が期待されています。

SYN4381

SYN4382

Wi-Fi 6/6E

※IEEE 802.11ax+拡張された6GHz動作

Wi-Fi 6E 1x1

データレート600Mbps

Wi-Fi 6E 2x2+1x1 (RSDB)

データレート1200Mbps

Bluetooth5.3

※LEオーディオ, 高精度距離測定(HADM)をサポート

IEEE802.15.4

小型パッケージ(mm)

4.99 x 4.14

5.78 x 5.15

ホストインターフェース

WLAN:PCIe(Gen2), SDIO 3.0, USB 2.0

BT:UART

SYN4381の内部ブロック図
SYN4381の内部ブロック図
SYN4382の内部ブロック図
SYN4382の内部ブロック図

RSDB(Real time Simultaneous Dual Band)とは?

RSDB(Real time Simultaneous Dual Band)とは、2つの異なるWi-Fi帯域を同時に動作可能にする技術で、スループットが求められるアプリケーションに有効です。

SYN4381とSYN4382の違いにもなっており、SYN4381はWi-Fi 6E 1x1、SYN4382はWi-Fi 6E 2x2+1x1 RSDBに対応しています。

 

下図はSYN4382の構成で、WIFI 1と書かれたMainコアでは2x2のMIMO(Multi Input Multi Output)により2ストリームで通信可能、WIFI 2と書かれたAuxコアでは1x1の1ストリームで通信可能であることを表しています。例えば2x2で2.4GHz、1x1で5GHz(or 6GHz)を同時に通信することが可能です。

また、BluetoothとIEEE802.15.4はモデムを分けて1つのストリームをシェアする構成となっています。

SYN4382の構成(RSDB)
SYN4382の構成(RSDB)

トリプルコンボワイヤレスSoC がオススメのアプリケーション

IoT機器を製造するOEMや、複数の機器を使用するユーザーにとって、IoT機器同士がシームレスでフラストレーション無く相互接続できることが必須の条件となっています。

特に、ゲーム機、セキュリティカメラやスマートホームデバイス、OTT(Over-The-Top)サービス用端末などで、Wi-Fi、Bluetooth、IEEE802.15.4をサポートするSynapticsトリプルコンボ製品の活用が広がっています。また、超低消費電力の特長をもつSYN4381はスマートウォッチ等のウェアラブルデバイスへの採用が増えています。

 

SYN4381は以下の賞を受賞しました。

 ・2022 Product of the Year Award for IoT Platforms

 ・2022 Best of Sensors Award

アプリケーション例1 アプリケーション例1
ゲーム機
アプリケーション例2 アプリケーション例2
スマートホームデバイス / スマートウォッチ
アプリケーション例3 アプリケーション例3
OTT/STB/TV

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Synaptics ワイヤレスコネクティビティ製品は、トリプルコンボワイヤレスSoC(SYN4381、SYN4382)の他にWi-Fi、BluetoothのCombo製品(1x1、2x2)もあります。詳細な製品スペック等をご要望の際はぜひお問い合わせください。