センシリオン社のCO2ガジェットで簡単にCO2計測をしてみた!

はじめに

私たちの身の回りの公共の場や職場、自宅など、様々な環境において、せきやくしゃみ、呼吸を通して新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の様なウィルスやバクテリアが広まっています。ウィルスに感染した人は二酸化炭素(CO2)を吐き出すと同時にウィルスも吐き出してしまうため、CO2濃度は空気中に存在するウィルスの指標ともなり得ます。よって、密閉された室内CO2濃度が高い場合、ウィルス感染リスクが高いとも言い表すことができます。

この様な感染リスクを回避するために、最近では三密回避や十分な室内換気が求められていましたが、充分な換気がおこなわれているかの確認方法として、経済産業省よりCO2濃度指標が設けられており、指標の判断用にCO2測定器が用いられています。

本記事では、CO2測定器等に使われているCO2センサーを手軽に評価可能なSENSIRIONSCD4x CO2ガジェットを実際に使ってみましたので、ご紹介します。

 

CO2ガジェットを実際にさわってみた!

実際にSCD4x CO2ガジェットを入手し、どの様に使うことができるのか触ってみました。

まずはCO2ガジェットを箱から取り出してみます。

ち、小さい!!

サイズとしては、53×19×13mmと非常にコンパクトです。

近くにコンセントに刺すタイプのUSB変換コネクターがあったので並べてみました。

並べて比較してもその小ささがお分かり頂けると思います。

図1. SCD4x CO2ガジェットとコンセントタイプのUSB変換コネクターの比較

図1. SCD4x CO2ガジェットとコンセントタイプのUSB変換コネクターの比較

このSCD4x CO2ガジェットはSENSIRIONCO2センサーであるSCD4x製品の優れた性能と使いやすさを簡単にご評価頂けるリファレンスデザインの回路基板となっています。

USB給電が使用でき、コネクター部分をUSBポートに差し込むだけで動き始めます!

図2. PCのUSCポートへ接続した様子

図2. PCのUSCポートへ接続した様子

また、CO2ガジェットには、CO2濃度測定結果に基づき室内空気質を色で示すLEDが搭載されています。

CO2濃度に合わせてLED色が変わるようになっており、1000ppm未満であれば緑色、10001600ppmで黄色、1600ppmより高い場合は赤色に変化します。

筐体上部には、CO2を取り込むためにSENSIRION社のロゴである「S」を模ったスリットが空いているのもポイントです!

図3. CO2濃度とLED色変化

CO2濃度の確認

次に、実際にCO2濃度を確認していきたいと思います。

CO2濃度の確認は、スマートフォンのアプリから確認することができるようになっています。

まずは、iOSまたはアンドロイドのアプリケーションダウンロードページより、「MyAmbience」をダウンロードします。下図のQRコードからダウンロードページへ飛ぶことができます。

アンドロイドのアプリケーション入手リンク:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sensirion.myam

iOSのアプリケーション入手リンク:https://apps.apple.com/app/sensirion-myambience/id1529131572

図4. MyAmbienceアプリダウンロードQRコード

CO2ガジェットをスマートフォンに接続しアプリでCO2濃度を見るには、スマートフォンにMyAmbienceアプリがインストールされた上で、Bluetoothが有効になっている必要があります。

アプリはBluetoothモードがデフォルトで有効になっているので、USBポートにCO2ガジェットを接続し、アプリを開くとスマートフォン近くのCO2ガジェットが自動的に表示されます。

接続が確立されると、正確なCO2濃度と履歴をアプリから読み取ることができます。

CO2ガジェットと連携するには、Bluetooth4.0以上である必要があります。

記事を書いていた時は、791ppmとなっており、CO2濃度は許容範囲内でした!

 

図5. MyAmbienceアプリ画面

SCD4xのご紹介

今回ご紹介したCO2ガジェットには、SENSIRIONCO2センサー SCD4xが搭載されています。

SCD4xは世界初の組み込み式PAS方式(光音響方式)CO2センサーとなっており、省スペース、製造コスト低減可能な表面実装可能、バッテリー駆動も想定できる低消費電力と言った特長を持った製品です。

省スペース化

従来の基板実装のCO2センサーはNDIR方式といった光学的な機構を利用した方式を使っており、発光部・受光部の距離が長いほど精度が高まるという性質から精度確保のためにモジュールサイズに制約が出てしまっていました。しかし、SCD4xでは、光音響方式を採用することにより、10.1×10.1×6.5mmと言った非常に小さいモジュールサイズを実現できています。

表面実装

一般的にNDIR方式のCO2センサーモジュールでは、ピンヘッダーを用いた実装となり、マウンターによる機械実装ができず、製造コストが高くなっていましたが、SCD4xは半田付けに対応した表面実装部品であり、機械実装が可能なため、製造コストも低減できます。

低消費電力

NDIR方式ではCO2濃度測定時に赤外線発光を行い電力消費が大きくなってしまうため、バッテリー駆動製品には搭載しづらい難点がありましたが、SCD4xではバッテリー駆動も想定できる消費電力設計となっており、10分周期の測定では単3電池4本で約6年半の駆動も見込まれています。

まとめ

身近な指標となりつつある、CO2濃度を簡単に測定できるCO2ガジェットを動かしてみました。

このガジェットはSCD4x評価用のガジェットで、SCD4xの動作を簡単に確認する為には非常にシンプルで使い勝手の良いものとなっています。SENSIRION社ではCO2濃度測定用センサーとして、NDIR方式のSCD30、半導体CO2センサーとして小型化に成功した光音響方式のSCD4xと言ったCO2センサーを提供しています。

現在、CO2センサーを使った端末開発等を検討されている方は、ぜひこの機会にCO2ガジェットを手に取って頂き、CO2濃度を測定してみてはいかがでしょうか。

SENSIRION社CO2センサーについて、もっと詳しく知りたいと思われた方は下記リンクもご参照ください。また、CO2ガジェットは回路図情報も公開していますので、ご量産の際に参考にして頂くことも可能です。ご興味のある方は下記リンクよりお問合せください。

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