はじめに

今回から4回に分け、Qualcomm® QCA4020のリファレンスボードを使用し、スイッチ操作でWi-Fi接続するアプリケーションを作成してみようと思います。アプリケーションの作り方・参照すべきドキュメントを紹介し、QCA4020を導入検討する際の参考にしていただければ幸いです。

初回は、QCA4020の開発環境の立ち上げからHelloworldの実行までになります。

アプリケーションの作成に先立って、まずはQCA4020の簡単な説明をさせて頂きます。QCA4020は、IoTデバイス向けのアプリケーションCPUを内蔵したQualcomm® の無線LAN SoCです。無線LAN以外にもBLE(*Bluetoothは非対応)、Zigbeeに対応しています。アプリケーションCPU(Arm Cortex-M4F)を内蔵していますので、ユーザーが独自でアプリケーションを作成し動作させることが可能です。

サポートしているOSとしてはFreeRTOS/ThreadXになっています。今回はFreeRTOSを使用します。FreeRTOSを使用しますが、実際に使用するAPIは、Qualcomm®で提供しているOS層をWrapするAPIになります。QCA4020の詳細仕様は、こちら(外部サイトへリンクしています)をご参照ください。

環境構築

今回は、Windows上でQualcomm®提供のSDKを使用してHelloworldアプリケーションをビルド・実行していきます。

※開発環境としてはWindows/Linuxに対応しています。

 

以下が必要なツール群です。バージョンが異なると正しく動作しない可能性があります。

- SDK(QCA4020 Development Kit)
- Python2.7
- Eclipse IDE for C/C++(Oxygen version - Release 4.7.2)
- OpenOCD(version 0.10.0 [2017-06-09])
- JDK(8 or higher)
- GNU Arm Embedded toolchain(gcc-arm-none-eabi-6-2017-q2-update)
- Zadig
- tera term

SDKについてはこちら(外部サイト)から入手可能です。

上記ツールをインストール後、必要なツールのパスを追加します。

ZadigでJTAG用にFTDI driverをインストールします。

今回はEclipseは使用しませんが、使用する場合はOpenOCDのpluginが必要です。こちら(外部サイト)のドキュメントを参考にEclipseでOpenOCDの設定・サンプルプロジェクトの取り込みをしてください。

 

ビルド・実行

SDKを解凍します。

以下のフォルダ下にHelloworldサンプルコードがあります。

{SDK_TOP}\target\quartz\demo\Helloworld

 

Build:

{SDK_TOP}\target\quartz\demo\Helloworld\build\gccに移動し以下のコマンドを実行します。

build.bat prepare 4020 cdb
build.bat f 4020 cdb

※Windowsの設定によってはPython2.7の実行ができない場合があります。

その場合、「設定」->「アプリ」->「アプリ実行エイリアス」からpythonの設定をOFFにしてください。

 

Flash:

リファレンスボードの以下のJumperを設定します。

- J30(1 - 2)

- J31(1 - 2)

- J32(1 - 2)

- J36(1 - 2)

- J37(2 - 3)

- J38:2 - J39:3, J38:3 - J39:2

- J40(2 - 3)

- J57(1 - 2)


J85とWindowsPCをUSBで接続します。リファレンスボードの電源を入れます。

{SDK_TOP}\target\quartz\demo\Helloworld\build\gccに移動し以下のコマンドを実行します。

flash_openocd.bat

実行:

J31のJumperを外し電源を入れます。以下の画面のように"Helloworld"が出力されれば成功です。

まとめ

今回は、アプリを作成するための環境構築について簡単にご紹介しました。詳しくは以下のページをご参照ください。

外部ページ:Hello World w/ QCA4020 Dev Kit


今回のコマンドラインベースではなく、Eclipseを使用した環境構築について記載されています。次回は、今回作成し動作させたHelloworldをベースにLチカアプリを作成したいと思います。

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