サイト内検索

USB Type-C はどうやって相手を見分けている? CC端子と Rp / Rd で決まる接続検出の仕組み

USB Type-C では、コネクターを挿し込むだけで接続が認識され、給電や通信が始まります。しかし、USB Type-C はどのようにして接続相手を見分けているのでしょうか。その役割を担っているのが CC (Configuration Channel) 端子です。USB Type-C では、CC端子に接続された Rp と Rd を利用して接続相手の存在や役割を判定し、その後の 5V 給電や USB PD ネゴシエーションへ移行します。

本記事では、CC端子と Rp / Rd による接続検出の仕組みについて解説します。

USB PD の交渉は、そもそもどうやって始まるのか

USB Power Delivery (USB PD) は、Source(電源供給側)とSink(受電側)が通信をおこない、最適な電圧や電流を決定する仕組みです。しかし、そのネゴシエーションはケーブルを接続した瞬間から始まるわけではありません。

例えば、USB PD に対応した ACアダプターとノート PC を接続した場合、機器は最初から 9V や 20V で動作を開始するのではなく、まず接続状態の確認がおこなわれます。その後、5V で給電が開始され、初めてUSB PD によるネゴシエーションへ進みます。

USB Type-Cの動作を大まかに表すと、以下の流れになります。

USB Type-Cの動作を大まかな流れ

USB PD は「電力を交渉する規格」として語られることが多いものの、実際にはその前段階として、接続相手の存在や役割を確認するプロセスが存在します。つまり、USB PD のネゴシエーションを理解するためには、まず「どのように接続を検出しているのか」を理解することが重要です。

USB Type-CはCC端子で接続相手を検出している

USB Type-C では、USB PD によるネゴシエーションが始まる前に、まず接続相手の存在を確認する必要があります。その役割を担っているのがCC (Configuration Channel) 端子です。従来の USB Type-A では、電源供給側と受電側の役割があらかじめ決まっていたため、接続相手を判定するための専用信号は必要ありませんでした。しかし USB Type-C では、同じコネクター形状でさまざまな機器が接続されるため、接続直後に相手の存在や役割を確認する仕組みが求められます。

そこで用意されたのが CC端子です。CC端子は USB Type-C コネクターに配置された専用端子で、主に以下の役割を担っています。
 ・接続相手の検出
 ・電源供給側 (Source) と受電側 (Sink) の判定
 ・USB PD 通信
 ・コネクターの挿入方向の判定
このうち、USB Type-C が最初におこなうのが接続相手の検出です。つまり、USB PD 通信がおこなわれる前に、まず CC端子を利用して「相手が存在するか」「どちらが給電側なのか」を確認し、その後に 5V 給電や USB PD ネゴシエーションへ進みます。

USB Type-C が接続された直後の CC端子は、単なる通信線ではありません。まずは接続状態を確認するための検出線として機能します。では、USB Type-C はどのようにして接続相手の存在や役割を判定しているのでしょうか。その判定に利用されているのが Rp と Rd です。

RpとRdによって接続状態を判断している

では、USB Type-C はどのようにして接続相手の存在や役割を判定しているのでしょうか。

その判定に利用されているのが、CC端子に接続された Rp と Rd です。USB Type-C では、電源供給側 (Source) が CC端子に Rp(プルアップ抵抗)を接続し、受電側 (Sink) が Rd(プルダウン抵抗)を接続します。Source は CC端子の電圧を監視しており、Rd が接続されることで生じる電圧変化から相手の接続を認識します。例えば、何も接続されていない状態では、Source側から見るとCC端子はRpのみが接続された状態です。しかし、Sinkが接続されるとRdが追加されるため、CC端子の電圧が変化します。

RpとRdによる接続検出のイメージ

Source は、この電圧変化を検出することで、「接続相手が存在すること」「接続が正常に成立したこと」を判断します。ここで重要なのは、USB Type-C が最初から通信によって接続を確認しているわけではないという点です。接続された直後の段階では、相手の回路やソフトウェアがまだ動作していない場合もあります。

そのため、まずは Rp と Rd を利用したシンプルなアナログ回路によって接続状態を確認し、その後に 5V 給電や USB PD 通信へ進む仕組みになっています。つまり、USB Type-C が最初におこなっているのは複雑な通信ではなく、CC端子の電圧変化を利用した接続検出なのです。

CC端子が正常でないとUSB PDは始まらない

ここまで見てきたように、USB Type-C では CC端子を利用して接続相手の存在や役割を判定しています。つまり、CC端子による接続検出が正常におこなわれなければ、その後の USB PD ネゴシエーションへ進むことはできません。USB PD というと、つい CC端子上でおこなわれる通信やネゴシエーションに注目しがちです。しかし実際には、その前段階として接続検出が成立していることが前提となります。そのため、CC端子で接続を認識できていない状態では、USB PD 通信そのものが開始されません。

例えば、
 ・USB PD 対応機器なのに高電圧へ切り替わらない
 ・USB PD ネゴシエーションが始まらない
 ・常に 5V のままになる
といった現象が発生した場合、USB PD通信だけを確認していても原因にたどり着けないことがあります。もちろん、5V のままになる原因は CC端子だけとは限りません。しかし、USB PD は CC端子による接続検出の上に成り立つ仕組みである以上、まずは接続相手を正常に認識できているかを確認することが重要です。

USB Type-C や USB PD のトラブルを切り分ける際は、「USB PD が正常に動作しているか」だけではなく、「CC端子で接続を正しく検出できているか」という視点を持つことで、問題の切り分けがしやすくなります。

まとめ

USB Type-C では、USB PD によるネゴシエーションが始まる前に、CC端子を利用した接続検出がおこなわれています。接続相手の存在や役割は、Source 側の Rp と Sink 側の Rd によって生じる CC端子の電圧変化から判断されます。USB Type-C は、この接続検出が正常に完了して初めて 5V 給電や USB PD 通信へ進みます。

USB PD は「電力を交渉する仕組み」として語られることが多いですが、その土台となっているのは CC端子による接続検出です。USB Type-C や USB PD の動作を理解する上では、まずCC端子がどのように接続相手を認識しているのかを知ることが重要です。

おすすめ関連情報

Parade Technologies の USB 製品情報詳細にご興味のある方は以下のページをご覧ください。

お問い合わせ

本記事に関してご質問などありましたら、以下よりお問い合わせください。

パレードテクノロジーズ メーカー情報 Top へ

パレードテクノロジーズ メーカー情報 Top へ戻りたい方は以下をクリックください。