GaNをFast Leg部分に使用したCCMトーテムポールPFC回路を下左図1に示します。このときの効率が下右図2です。115Vacで97%に近い効率、230Vacで98%以上の効率を実現しています。

トーテムポールPFC回路は、PFC回路において電力損失の主な原因であったブリッジダイオードをアクティブスイッチに置き換え、さらに高い周波数に対応したGaNを使用することによって高効率を実現できています。

また上記CCMトーテムポールPFC回路に、LLC回路や二次側のSRコントローラーを含めた1kW電源の概略図を下図に示します。

このときの出力50V/20Aにおいて、下図の通り、115Vacで93.6%の効率、230Vacで96.1%の高い効率を実現しています。

回路図内で、NCP1681はトーテムポールPFCコントローラー、NCP58921はドライバー内蔵のGaNパワースイッチ、NCP51561は絶縁ゲートドライバー、NCP51530はゲートドライバーです。

オンセミ社は、トーテムポールPFC回路の評価ボード、240Wや500W電源の評価ボード、上記に効率データを示した1kW電源の評価ボードとさまざまな評価ボードと各ユーザーガイドなど用意してありますので、ぜひお問い合わせください

最後にNCP58921含めたGaNパワースイッチ製品[NCP58920/ NCP58921/ NCP58922]の特長について、説明します。

・Gate driver + E-mode GaN　内蔵によりドライバーとGaN間の配線インダクタンスを最小限に抑えることが可能なため、きれいな駆動波形、より高い dv/dt 耐性、PCB 設計レイアウトの簡素化を実現します。(右図参照)
・6 V 内部クランプ GaN ゲート駆動内蔵。
・オン抵抗：50mΩ/78mΩ/150mΩ
・650V ブレイクダウン電圧
・30ns(typ)伝播遅延時間
・2.75mm沿面距離
・TQFN26 8x8　Bottom Side Coolパッケージ
・SiCなどでは対応が難しい1MHz(max)の高速スイッチングに対応可能