第7世代(FS7) IGBT製品の特長
IGBTは、コレクターエミッター間飽和電圧Vce (sat) とスイッチング損失(ターンオフ)Eoffがトレードオフの関係にあります。
下図に示す通り、新プロセスFS7は、Vce (sat) とEoffがどちらも従来品よりも小さくなるように開発されました。
さらにFS7において、用途によっても使い分けられるように、Fast speedタイプとMed speedタイプを揃えています。
Fastタイプは高速スイッチング動作で高効率を実現できるようにEoffを低く抑えています。(下図グラフで赤丸箇所)
Med speedタイプはFastタイプとは逆に低速から中速スイッチング動作で高効率を実現できるようにVce (sat) が低くなるように設計されています。(下図オレンジ丸箇所)
ディスクリート製品の紹介
オンセミ社では、耐圧1200VのFS7シリーズにおいて、100A以上の製品も多数あります。
今回、新製品では一番電流値が大きい160A品のFGY4L160T120SWDについて紹介します。
・1200V/160A
・パッケージ:TO-247-4
・Vce (sat) =2.0V (max) [Tj=25℃]
・Eon=2.3mJ (typ) & Eoff=2.8mJ (typ) [VCE=600V, VGE=15V, Ic=80A, RG=4.0Ω, Tj=25℃]
FGY4L160T120SWDデータシートリンク
アプリケーションとして下図のようなACサーボアンプのブレーキ回路で使用できるので、ぜひ検討ください。
TO-247-4パッケージのメリット
次に、上記で紹介している製品のパッケージ、TO-247-4パッケージのメリットについて説明します。
下図は同じFS7の製品において、TO-247の3ピンの製品と4ピンの製品のスイッチング損失(ターンオン時およびターンオフ時)であるEonとEoffの値の比較図です。
定格100A品のTO-247-3の製品よりも定格140A品のTO-247-4の製品のほうが、Eonの値が小さくなっています。EonとEoffをさらに削減することで、より高いスイッチング周波数と電力を実現できます。
モジュール製品の紹介
また下記リンク先のオンセミ社の動画で紹介している、FS7シリーズを使用した、QDual3 IGBTモジュールは、1200V、800Aのハーフブリッジのモジュールです。
従来のオンセミ社の同等製品と比較したときに、Vce (sat) は30%、Eoffは12%改善されています。
さらに同じく従来のオンセミ社の同等製品と比較した場合、チップサイズは30%小さくなり、最大電流値は30%増えています。
オンセミ社YouTube動画リンク
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