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【詳細解説】ロードスイッチ製品の保護機能

ロードスイッチとは

ロードスイッチとは、負荷への電源を供給するラインに対して、オン・オフをおこなう半導体スイッチのことです。スイッチがオンのときは負荷に電力を供給し、スイッチがオフのときは負荷への電力供給を遮断できます。そのため、ロードスイッチは電源領域の管理、負荷の保護において重要な役割を担っています。

ロードスイッチにはMOSFETが内蔵されていて、そのほかに各種保護機能を搭載しています。そのため、従来のディスクリート部品の構成では複雑な回路も、ロードスイッチを使用することで省面積化、低コスト化を図ることができます。

本記事では、ロードスイッチに搭載されている保護機能について解説します。

ロードスイッチ概略図
ロードスイッチ概略図

ロードスイッチ製品の保護機能について

オンセミ社のロードスイッチ製品の保護機能やステータス検知機能などについて詳しく説明します。

保護機能

低電圧誤動作防止機能(UVLO)

動作状態から、入力の電源電圧の低下やノイズなどが発生したときに、誤動作を起こす前に停止させる機能です。具体的には、入力電圧(Vin)がUVLOのスレッショルド電圧を下回ったときに、内部のMOSFETをオフします。その後、入力電圧がUVLOのスレッショルド電圧を上回り、イネーブル(EN)がアクティブのままであれば、MOSFETをオンします。

左図:Vinの電圧がUVLOのスレッショルド電圧を下回ったとき、出力(Vout)とPGはLowを出力
右図:Vinの電圧がUVLOのスレッショルド電圧を上回ったとき、出力(Vout)とPGはHighを出力

過電流保護機能(OCP)・短絡保護機能(SCP)

過電流保護(OCP)および短絡保護機能(SCP)により出力(Vout)がグランドにショートしたときや、負荷の誤動作、システムの短絡などの突発的な大電流から、部品やシステムを保護します。

オンセミ社のロードスイッチ製品では、OCP端子の外付けの抵抗の値によって、OCPをかける電流値を変更することができます。

オンセミ社アプリケーションノートAND9848-d.pdf参照

加熱保護機能(TSD)

ロードスイッチ内部の温度が規定されているサーマルシャットダウンのスレッショルドの温度を超えると、電源と負荷の接続を遮断し、負荷を保護します。温度が閾値より下がると、スイッチがオンします。

逆流防止機能(RCB)

逆流防止機能とは、電流が出力(Vout)から入力(Vin)へ流れるのを防ぐ機能です。そのため、負荷から電源に電流が逆流するのを防ぎます。逆流防止機能は特にUSB Type CType Cのパワーデリバリー用途に適しています。

ディスチャージ機能

ロードスイッチがオフのとき、負荷容量に保持された電荷は、本製品の内部ブリード抵抗を通して放電されるため、すぐに放電(ディスチャージ)できる機能です。また、放電時の傾きをREXTの抵抗値で変更できます。

黄色=EN、緑色=Vout、Time Scale=20ms/div、Y-axis=1.0V/div
左図:REXT=0Ω 、右図:REXT=1KΩ

ステータス検知機能

Power Good Pin搭載

ロードスイッチが完全にオンになったときのステータスを出力します。このPower Goodの出力は次のデバイスのイネーブルを駆動可能なため、組み合わせることで複数電源による立ち上げシーケンスを組むことが可能です。また、イネーブル信号の数を削減可能です。

黄色線=Enable、緑線=Vout、青色=PG、Time Scale=200us/div
左図:Voutが上昇後にPGがHighを出力
右図:Fault状態時はPGにLowを出力

その他

調節可能出力スルーレート機能

出力電圧の立ち上がりの調整機能です。ロードスイッチに電源が投入されると、コンデンサが充電されるため、大きな突入電流が発生し、システムを損傷する可能性があります。そこでSR端子の外付けのコンデンサ(Csr)の値を変えることで、スルーレートの傾きを変えることができます。(下回路参照)

スルーレートの傾きを調整することで出力電圧の急な立ち上がりを抑え、突入電流を防ぐことが可能です。下図が実際の波形です。

黄色線=Enable、緑線=Vout、Time Scale=1ns/div
左図:Csr=OPEN時⇒SR=13V/ns
中図:Csr=0.018uF時⇒SR=1.7V/ns
右図:Csr=0.047uF時⇒SR=0.66V/ns


アプリケーション適用例

・ノートパソコン、タブレット端末
・ポータブル電子機器
・ハードドライブ
・周辺機器ポート
・ホットスワップデバイスと周辺機器ポート
USB Type C パワーデリバリー

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