繰り返し使えるeFuse(MOSFET内蔵電子ヒューズ)とは?

はじめに (eFuseとは)

一般的に過電流保護のために、ガラス管ヒューズ、ポリスイッチが使われています。ガラス管ヒューズは、大電流で溶断が起きて遮断され、一度切れたら元に戻らなく、高い信頼性が求められる電源ラインなどに使用されることが多いです。ただヒューズが断線すると、ヒューズ自体の交換作業が必要になる点が課題となっています。

一方でeFuse(電子ヒューズ)とは、従来のガラス管ヒューズや復帰型のポリスイッチでおこなってきた過電流保護をMOSFETをスイッチとして使うことで、部品の交換の必要がありません。さらに、半導体ICで作られているため、様々な保護機能を取り入れることができます。例えば、過電圧保護機能、電流制限機能、サーマルシャットダウン、逆流防止機能などです。

ヒューズとeFuseの原理の違い

ヒューズの原理

ヒューズとは、電気回路に過大電流が流れたとき、自ら溶断して回路を遮断して、機器を保護する部品です。
すなわち溶断した場合、ヒューズそのものを交換しなければ、その電気機器を再度使用することができません。

ヒューズの動作について

eFuseの原理

以下が eFuse の概略図です。eFuse の外付けの抵抗値で電流制限値(ILIMIT)を設けることができます。

そして、過電流が流れたとき、電流制限値(ILIMIT)で電流が流れ、温度が規定値(サーマルシャットダウンの温度)に達する事で内部の MOSFET をオフします。このように eFuse は内部のMOSFET をオン・オフして回路を遮断するため、過電流が流れたとしても、部品の交換の必要はありません。

eFuseの動作について

オンセミ社 eFuse製品の特長

オンセミ社のeFuseは、各種機能やラインナップが充実しています。

保護機能

・電流制限機能
    ILIMIT(またはCurrent Limit)ピンに接続する抵抗値の値によって、電流制限値を設定でき、内部のMOSFETに流れる電流を設定した電流値で制限します。


・加熱保護機能
    温度検出回路を内蔵し、内部のMOSFETのダイの温度を検出します。温度が規定値(175℃などデータシートに記載)に達すると、デバイスはシャットダウンします。


・過電圧保護機能
    出力電圧を監視し、入力電圧がクランプ電圧を超えると、内部のMOSFETのゲート駆動を低下させ,出力を制限します。

過電圧保護機能(NIS6150データシートfigure5参照)



・逆流防止機能(Option)
    電源の誤動作や入力電圧レールへのノイズ混入による逆電流現象から保護します。

逆流防止機能(NIS6150データシート figure6参照)

ステータス検知機能

・Fault/FLAG出力

・イネーブル入力

・電流モニタリング

その他機能


・調節可能出力スルーレート
     出力の立ち上がりのスルーレートを調整できます。

調節可能出力スルーレート(NIS6420データシート figure9参照)


・Latch(コントロール信号を再入力し復帰)
・Auto retry(自動復帰)
     シャットダウン後の復帰のバージョンをラッチか自動復帰か選択できます。

ラッチと自動復帰(NIS6150データシート figure4参照)

アプリケーション適用例

SSD/HDD
サーバー
・産業機器
・車載用インフォテイメント
USB Type-C PD充電
・携帯機器

最後に

製品ラインナップについては、下記オンセミ社の製品選択ページを参照ください。

お問い合わせ

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