はじめに
この記事では、SiC MOSFETを含むパワー半導体デバイスへの適切な熱管理のためのヒートシンクの実装に関するガイドラインの概要を紹介します。
ヒートシンク取り付け時の注意事項
パワー半導体の放熱性を上げるために、パッケージにヒートシンクを取り付けて、熱伝達面積を広く取り伝熱面を大きくします。しかし、ヒートシンクの実装方法が不適切な場合、ヒートシンクとパッケージ間の接触熱抵抗が増加し、十分な放熱性能を得ることが難しくなります。
パッケージにヒートシンクを実装する際は以下の点を考慮ください。
ヒートシンクの表面状態
- 平坦度 ≤ 16 µm (基準長さ 0.8 mm)
- 表面仕上げ ≤ 0.02 mm
※ヒートシンクの貫通穴の加工は、穴あけ加工では不適切な場合に取り付け穴付近に凹みが発生し、不規則な表面になることがあるため、ドリル加工が望ましいです。
ヒートシンクの取り付け
- ネジ止め実装では安定した熱性能を発揮させるためにサーマルグリースが不可欠
- ワッシャーの装着により荷重領域が広くなり接触が安定することが考えられるが熱抵抗を若干増加させます
- パッケージとヒートシンクの間は空気ギャップを埋めるために熱伝導率が空気よりも低い絶縁材料を挿入します
- パッケージの配置は困難だが、クリップマウントはネジ止めよりも安定して安全な方法です
- 表1はサーマルグリースの塗布に関係なく、スルーホールパッケージをネジ止めする場合の推奨トルクです
パッケージ |
代表値 [kgf-cm] |
最大値 [kgf-cm] |
TO-220 |
4 ~ 5 |
7 |
TO-220 FullPak |
4 ~ 5 |
7 |
TO-3P |
8 ~ 10 |
|
TO-3PF |
6 ~ 8 |
|
TO-247 |
8 ~ 10 |
|
TO-264 |
8 ~ 10 |
|
最後に
本記事はオンセミ社アプリケーションノートAND9859/D 「Power Packages Heat Sink Mounting Guide」を参考にしています。
より詳細な情報は以下URL先よりアプリケーションノートをご確認ください。
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