NVIDIA Omniverse™をより身近に!動画制作の目的

NVIDIA Omniverse™は、NVIDIA社が提供する産業用デジタルツインなどのメタバースアプリケーションの開発を支援するソフトウェアプラットフォームです。実際にOmniverseにご興味をお持ちの方へ、Omniverseが強みとするフォトリアルなバーチャル空間の表現と、NVIDIA Isaac Sim™を使用することによるデジタルツイン上でのシミュレーションを、イメージしていただくことを目的に、マクニカの物流倉庫をデジタルツイン化して動画にまとめました。本記事では、動画内で注目していただきたいポイントを中心に解説していきます。

撮影と編集の流れ

バーチャル空間の制作に入る前に、実際の物流倉庫内で現場撮影

 現場を撮影する際、各棚やアセットのサイズや間隔の測定を行い、より現実に近いバーチャル空間の作成を目指しました。

本物そっくりに、棚、キャスター、段ボール、フロアの材質 (マテリアル)等、各アセットの3Dモデルの作成

 天井に設置されている照明の位置や数も現実空間と同じにすることを意識しました。

 また各アセットの材質を再現するため、それぞれのアセットに対するテクスチャーの作り込みを行い、床の細かな傷などもリアルに表現されています。

実際の物流倉庫と同じ配置で、Omniverse内に各アセットを設置

※動画作成では、パストレーシングによるレンダリングを実施

Omniverseの強み、フォトリアルであるからこそのメリット

精度の高いシミュレーションを実現可能

実際の倉庫や工場内で設備を運用する前のシミュレーションに活用することができます。

 

空間への没入ができ、視覚的、直感的なイメージができる

建設前の倉庫や工場を事前に体験することができます。

 

バーチャル空間内でAI学習に使用するデータを生成可能

現実空間では取得することが困難なデータも、バーチャル空間であれば生成することができます。

注目ポイント その1:複雑な光の反射もリアルに再現

実際の物流倉庫と同様、作成したバーチャル空間の天井にも複数の照明を設置しています。Omniverseの高度なレンダリング機能により、複数の照明による複雑な反射光やラック間の陰影もリアルに再現されています。

注目ポイント その2:ロボットの走行シミュレーション

Omniverseを基盤とするIsaac SimのROS 2のブリッジを可能にする拡張機能を使用することで、ホストPC上で動作するROS 2アプリケーションから、バーチャル空間に配置したロボットを制御することが可能です。今回は、NVIDIA® Jetson AGX Orin™ 開発者キットを搭載したロボットを実機で使用し、バーチャル空間上のロボットにもJetsonがイメージできるモデルを搭載しています。

注目ポイント その3:指定した地点へロボットが自動走行

NvbloxはNVIDIA® Isaac ROS GEMsとして提供されているパッケージの1つです。ステレオカメラ等のリアルタイムのセンサー情報から、ロボット周囲の環境を3D画像として構築することができます。また、パスプランナーにより衝突のないパスを生成し、指定したゴール地点までロボットを自走させることが可能です。今回の動画ではNvbloxの他に、Visual SLAMとStereo Disparityのシミュレーションを行っています。Isaac ROS GEMsとしましては、他にも物体認識や姿勢推定など、GPUを活用したROS 2ベースのパッケージが多数用意されています。

まだまだ解説しきれないポイント多数!ぜひお問合せください

本記事ではOmniverseの概要と実際にシミュレーションをした様子を動画とともにご紹介しました。OmniverseやNVIDIA Isaac™の導入に際し、セミナーやトレーニングのご要望もお受けしておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問合せ下さい。