Jetson製品を購入してJetsonにJetPackのインストールをSDK Managerで実施した際にインストールできない方を対象に、JetPackのインストールにおけるトラブルシューティングを紹介します。
JetPackのインストールが実施できないときには、大きく分けて「JetsonにL4Tが書き込みできない場合」と「Jetson SDK Componentがインストールできない場合」の2つのケースあります。
本記事では「JetsonにL4Tが書き込みできない場合」について詳しく掘り下げて説明していきます。
「Jetson SDK Componentがインストールできない場合」についてはこちらの記事をご参照ください。
NVIDIA JetPackインストール トラブル集~Jetson SDK Componentsがインストールできない~
JetsonにL4Tの書き込みができない場合
L4Tの書き込みができない場合、以下のいずれか、もしくは複数が原因である可能性があります。
・サポートされていないホストPCを書き込みに使用している
・USBケーブルの不良
・ホストPCの環境
・PCNによる影響
1つずつ原因を探っていきましょう。
原因1:サポートされていないホストPCを書き込みに使用している
L4Tの書き込みには、ネイティブのLinux搭載ホストPCを用意する必要があります。
VMWareなどの仮想PCからの書き込みには対応していませんのでご注意ください。弊社としてもサポートすることができません。
サポートされている環境については以下のとおりです。
https://docs.nvidia.com/sdk-manager/system-requirements/index.html
サポートされていない環境であった場合は、サポートされている環境を用意しなおしてから再度L4Tが書き込めるか確認してください。(※この時、3rd PartyのBSPは使用しないでください。)
サポートされている環境でも書き込みができない場合は次の原因を調べてみましょう。
原因2:USBケーブルの不良
ターミナル上で以下のコマンドをJetsonがリカバリーモードになっている状態で入力してください。
”Nvidia Corp.”が表示されれば、USBケーブル自体に問題はありません。
表示されない場合は、新品のUSBケーブルに交換して試してみてください。
$ lsusb | grep -i nvidia
原因3:ホストPCの環境の問題
書き込みを行うホストPCの環境設定に問題がある可能性があります。
まずは、SDK Managerを使用してインストールをしているか確認してください。
■注意点
・この時、ネットワークに接続する必要があります。
・ネイティブのLinux搭載のホストPCを用意してSDK Managerを使用してください。
・Jetson製品とホストPCを接続する際、Jetson製品はリカバリーモードにしてください。
次に、イントラネットに接続しているかを確認しましょう。
下記のリンク先を参考にして、SDK ManagerのProxy設定を確認してください。
https://docs.nvidia.com/sdk-manager/0.9beta14/sdkm-settings/index.html
ホストPCを外部ネットワークに接続して書き込みができるかをご確認お願いいたします。
書き込みができない場合は別のモジュールに対しても同様に書き込めないかの確認をしてください。
特定のモジュールのみ書き込めない場合はPCNによる影響の可能性があります。
原因4:PCNによる影響
TX2の例になりますが、「Jetson_TX2_PCN」資料内の「Method of identifying Changed Product」と「Recommended Action for Customers」に記載されているように、PCN適用後のTX2モジュール製品である「699-83310-****-D02」のパーツナンバーを持つ個体は、
JetPack 4.4 / BSP 32.4.2以降
または
JetPack 3.3.3 / BSP 28.4
を書き込む必要があり、その条件に合致しないと失敗する可能性があります。
以下のページにPCNが掲載されていますので、ぜひ内容を確認してみてください。
※Jetson Download Center
例:Jetson TX2 NX PCN 207500 Addition of Manufacturing BOM Components: SK Hynix Memory
書き込みトラブル関連事項
「Jetson SDK Componentがインストールできない場合」については以下の記事をご参照ください。