
本製品は、日清紡マイクロデバイス社※1(以下NISD)が、(旧) 新日本無線時代からの 約40年で培った
技術ノウハウ(高精度オペアンプの回路設計技術に加え、独自のプロセス技術・トリミング技術・パッケージ
技術を組み合わせたもの)を集結し開発した製品であり、最高レベルの性能を引き出すことに成功しました。
本記事では、そのNISD社が販売開始した 国内初※2 ≪高EMC性能計装アンプ:NL9620≫ を、
よくあるお悩みを解決できる、主な3つのメリットを中心にご紹介します。
※1. 日清紡マイクロデバイス社:2022年「新日本無線」、「リコー電子デバイス」 2社の経営統合により誕生した日系アナログメーカー。 ※2. NISD社調べ:2025年5月現在
こんなお悩みの経験ありませんか?




高いCMRRを実現!高精度計測が可能に!
信号源のノイズ、同相信号ノイズの影響を最小限に抑え センサーの微小信号を正確に増幅し計測データの精度を高めます。


“EMIフィルター内蔵”のため、外付けのフィルター回路(抵抗、コンデンサ等)が不要に。
「周辺部品コストの削減」、「設計・評価工数の削減」、「基板面積の削減」を実現します!


EOLリスクを解消し、長期にわたる安定供給を実現! 10年間の長期供給プログラム実施のメーカーです。お客様の事業継続性を高め、将来にわたる安心をお届けします。
1.ノイズに強い!
< ノイズに関する、よく聞くお悩み >
高精度な計測が求められるが、同相信号ノイズの影響を回避するのに苦労している!
本製品は、ノイズの多い厳しい測定環境でも安定して動作できるように設計されており、高い同相信号除去比(110dB以上、代表値130dB @G=100)と優れたEMC性能を実現しています。また、低入力オフセット電圧(125µV max.)と低オフセット電圧ドリフト(1µV/°C max. ※3)により、高精度な計測を可能にしています。さらに、±2.3V to ±18Vという広い電源電圧範囲に対応しており、さまざまな機器に柔軟に組み込むことができます。外付けの抵抗1本でゲインを1倍から最大10,000倍まで設定できるため、設計がシンプルになり、お客様の製品の高精度化や開発工数の削減にも貢献します。
また、国内での開発およびサポート体制を整えていますので、導入後の技術支援なども迅速かつ丁寧に行うことができ、安心してご利用いただけます。
※3. EMP-8-ANパッケージ
1. 高マッチング精度による高い同相信号除去比(CMRR)を実現
本製品は高精度トリミング技術を採用することで高い同相信号除去比130dB typ(110dB min.)@G=100を実現しました。
代表的な他社製品との比較を以下のグラフ(図1)に示します。同相入力電圧の大きな変動に対して、計装アンプの出力電圧の変動を最小限に抑えることができ、高いCMRR性能を発揮します。そのため、同相信号ノイズの多い環境でも安定した動作が可能になり、お客様の製品の高精度化に貢献します。
2. 高EMC性能を実現(図2、図3参照)
本製品の高EMC性能は手戻りリスクの低減、アプリケーションの安定動作に貢献し、産業機器センサーや、工場等での過酷な環境でも安心してお使いいただけます。
「これまでノイズに関して特に問題になっていないお客様」も、各種センサーの高分解能化により耐ノイズ対策の要求が上がります。
それに対応する形で、高CMRR特性を持つ国産計装アンプに変更しませんか?


(図1)「NL9620」の同相信号除去比


(図2)「NL9620」のEMC性能(差動モード)


(図3)「NL9620」のEMC性能(同相モード)
2. 設計工数 / コスト削減
部品選定における「コスト削減」。その比較、「部品単価」だけで行っていませんか?
これからは、「システムコスト」で考えてみませんか?
┗ 「EMI対策のために追加する、抵抗やコンデンサなどの周辺部品コスト」
┗ 「そのフィルタ回路の設計・評価にかかる、エンジニアの設計工数」
┗ 「部品が増えることで大きくなる、基板面積そのもののコスト」
製品の真のコストは、こうした「見積書には見えないコスト」の積み重ねで決まります。
NISD社の ≪国産・高精度計装アンプ「NL9620」≫ は、 まさに、この「TCO(総所有コスト)」という視点も重要視され、開発されました。
■最大の特長
(旧) 新日本無線のオペアンプ製品で培ってきた『EMIフィルタを計装アンプに実装』内蔵していることにより、
これまでEMI対策で追加していた外付けのフィルター回路(抵抗、コンデンサ等)が不要になります。
<「NL9620」が実現する、TCO削減効果>
① 周辺部品コストの削減(BOMコスト圧縮)
② 設計・評価工数の削減(開発スピードアップ)
③ 基板面積の削減(製品の小型化・低コスト化)
「国産部品は単価が高いのでは?」 そう思われていらっしゃるかもしれません。
「お見積もりの際には、『部品単価 対 部品単価』の比較ではなく、
「NL9620」で不要になる周辺部品(抵抗・コンデンサ等)のコスト、実装コスト、そして削減できる基板コストまでを差し引いた『システム全体』でのコスト比較をさせてください!
気になる方は、ぜひお問い合わせください。
計装アンプ「NL9620」を使った回路の「部品点数の削減」と「基板面積の縮小化」

主な仕様
Typ. |
Max. |
|
入力オフセット電圧 | 30µV | 125µV@25°C |
185µV@全温度 | ||
入力オフセット電圧ドリフト | 0.3µV/°C | 1.3µV/°C(VSP-8-AF) 1.0µV/°C(EMP-8-AN) |
入力バイアス電流 | 0.5nA | 2nA@25°C |
2.5nA@全温度 | ||
消費電流 | 0.9mA@25°C | 1.3mA@25°C |
1.1mA@全温度 | 1.6mA@全温度 | |
同相信号除去比 | 130dB@G=100 | 110dB(min.)@G=100 |
動作電源範囲 | ±2.3V to ±18V | |
スルーレート | 1.2V/µs | 0.75V/µs(min.) |
動作温度 | -40°C to 85°C | |
-3dB帯域幅 | 1,000kHz@G=1 120kHz@G=100 |
詳細は、NISD社サイトよりデータシート(1.5MB)をご参照下さい。
Quick Reference Guide ( 0.5MB )も、NISD社サイトより、ダウンロードいただけます。
3.安心の安定供給
【本製品(NL9620)が、貴社の事業に「安心」をもたらす最大の理由】
▶10年間の長期供給プログラム(PLP)の対象候補製品であることから、EOL(生産中止)の不安や、それに伴う再設計・再評価といった 多大なコストと工数の
発生リスクから、お客様の設計資産を長期にわたり保護します。※正式にはNISD社サイトにてPLP対象製品(2026年1月に更新予定分)をご確認ください。
半導体市況が落ち着いている今だからこそ、国産計装アンプをバックアッププランとして評価しませんか?
「NL9620」なら、EOLによる置き換えの手間の煩わしさからも解放されます!
アプリケーション例
・各種センサーアンプ:歪ゲージ、サーモパイル、流量センサー 等
・トランスデューサ・インターフェース、重量計
Macnica-Mouser でのご購入
1個から購入可!以下製品リンクにて、Macnia-Mouserサイトに遷移します。
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございました。 日清紡マイクロデバイス社から、ついに発売された「計装アンプ/NL9620」について、
3つのおススメポイント 「ノイズに強い」 「設計工数/コスト削減」 「安定供給」をベースにご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
記事の中でもお伝えしていますが、今回ご紹介した「NL9620」は、(旧)新日本無線の時代からの技術ノウハウが集結し開発された製品です。
国内初となる、高精度の計装アンプですが、国内メーカーならではのメリットが凝縮された製品となっています。
今までの計装アンプや、オペアンプでは課題となっていた事項が、本製品「NL9620」で解決でき、アナログ回路設計をされている方や、
産業機器を中心とした企業様のお役に立てる製品と信じており、今回ご紹介させていただきました。
是非、この機会にご検討いただければ幸いです。ご質問やお見積もり依頼などございましたら、以下の [お問い合わせボタン] より、ご連絡ください。
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