JitterとWander

Clockシステムを考えるときにJitterとWanderという言葉を耳にすると思います。JitterとWanderの違いは何でしょうか。共にClockに重畳された他の周波数が引き起こす揺れのことをJitter、Wanderと呼びます。JitterとWanderの違いは、重畳される周波数の違いです。
一般的には以下の定義で良いと思います。

Jitter:10Hz以上の重畳された周波数
Wander:10Hz未満の重畳された周波数

Analog PLLは、Jitterの抑圧は可能ですが、Wonderの抑圧には不向きです。なぜなら、時定数が大きくなりFilterでの減衰が大きくなってしまいます。また、増幅器を使用するとしても低周波帯域でのS/Nが気になります。Digital PLLであれば、0.1HzのCut OffでもFilterでの減衰を抑えることができるため、Wanderの除去には通常Digital PLLが使用されます。なぜこれ程JitterとWanderの抑圧を気にしなければならないのでしょうか。Jitter、Wanderの揺らぎの大きさはUnit Intervalで示されます。

例えば0.5UIのJitter、Wanderが重畳されている場合Dataを正しく受信ができない、すなわちbit errorが発生します。そのため、JitterとWanderは抑圧しなければ、通信の品質が保てないことになります。各通信規格では、Jitter Tolerance、出力Jitter規定、出力信号Eye開口度、Wander tolerance等のJitter、Wanderに対する耐力、出力許容量が規定されています。次回は、PLLの閉ループゲインについて記載します。

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