こんにちは! Lattice チーム新人 FAE の ひろみん です!

 このブログは、私ひろみんが MIPI の規格を学んでいく勉強ブログです。

 

MIPI ってなに? DSI/CSI-2 の規格の違いは?Lattice FPGAで設計するには?など

基礎から応用まで お勉強したことを余すことなくお伝えしたいと思っています!

 

さて、今回は以下、目次に沿ってMIPI インターフェースの基礎を学んでいきたいと思います。

以下よりリンクで飛ぶこともできますのでご確認ください!

 

【この記事で分かること】
MIPI 規格の基礎について、DSI/CSI-2 の違いや事例を学びます!

 ・MIPI規格とは?物理層(D-PHY)とプロトコル層(DSI/CSI-2)

 ・D-PHY とは ~DSI/CSI-2で構成が変わる?~

 ・D-PHYとは ~電気的特徴と転送モード~

 ・D-PHYとは ~LVDSとの比較~

 

MIPI に関わる勉強ブログは、以下まとめリンクよりご覧いただけますので

ご興味ありましたらお読みいただけると嬉しいです!

MIPI規格とは?物理層(D-PHY)とプロトコル層(DSI/CSI-2)

まず、MIPI とはどんな規格か学んでいきましょう!

 

MIPI とは Mobile Industry Processor Interface の略で、標準化団体 MIPI Allianceが2005年に策定した標準規格です。

スマートフォンや、産業機器、車載用途など主にカメラ周りの製品で使われるインターフェースです。

 

MIPIは、物理層とプロトコル層に分けることができます。物理層には、D-PHY、M-PHY、C-PHY、A-PHYと種類があります。

それぞれ、以下図のようになります。

今回は、最終的にLattice FPGAで実機で検証をおこないたいと考えているため

Latticeが対応しているMIPI D-PHYについて詳しく学んでいきたいと思います。

 

MIPI D-PHYには、2種類のプロトコルが存在し、それぞれ用途が異なります。

CSI-2はカメラ周辺、DSIはディスプレイ周りで良く用いられるプロトコルになります。

D-PHY とは ~DSI/CSI-2で構成が変わる?~

まず、D-PHYについて勉強していきましょう!

DSI/CSI-2 で違いはあるのか? LVDS との比較をおこない D-PHYについて理解を深めたいと思います。

 

D-PHY は物理層となり、DSI/CSI-2 それぞれの構成は、以下のようになります。

まず、DSI の構成です。基本的にクロック 1 Lane とデータ 1, 2, 4 Data Lane となります。

共に差動信号となり、クロックはDDR動作となります。

 

次に CSI-2 の構成です。D-PHY の構成は、DSI と同じ構成となります。

では、差分は何になるのでしょうか?

DSI/CSI-2 の差分は、Data Lene0 に違いがあります。 DSI はDataLane0 が双方向通信可能となるようです!

DSI では、このData Lane0 を用いて Slave デバイスと相互通信することができます。 

  

D-PHYの構成は DSI/CSI-2 基本的に構成は同じ、唯一の差分は DSI にて Data Lane0が双方向通信になるということがわかりました!

D-PHYとは ~電気的特徴と転送モード~

次に D-PHY の電気的特性について学んでいきたいと思います。

 

D-PHY には 2つの伝送モード、Low Power(LP) Mode / High Speed (HS) Mode があるようです。

LP Mode では 1.2V 振幅のシングルエンド出力、HS Mode では ±200mV 振幅の差動出力でデータが出力されます。

ではなぜ、2つのモードがあるのでしょうか?以下の転送時の波形を見てみましょう。

上記波形について、詳しくは以降の回で詳しく勉強していきたいと思いますが、

この波形を見る限り、LP Mode と HS Mode を切り替えてデータ転送をおこなうようです。

また、伝送距離は30cm、Dataの伝送速度は HS: Max 2.5Gbps、LP:  Max 10Mbpsとなります。

 

LP Mode では 1.2V 振幅のシングルエンド出力、HS Mode では ±200mV 振幅の差動出力でデータが出力される、

LP/HSを切り替えて通信をおこなうことがわかりました!

 

D-PYHは、このLP-HSをチップ内で切り替えられるのがポイントになりそうです。

 

他の規格と比較すると、よりイメージがつくかもしれませんので

LVDSとMIPI 通信との差分を比較しましょう!

D-PHYとは ~LVDSとの比較~

LVDS は入社してから何度か聞いたことがあり、私としてはMIPI より馴染みのある通信です。

ただ、詳しくは知らないため今回勉強になると思い、比較表を作ってみました!

 

 

 MIPI  D-PHY

 LVDS

 伝送距離

 短距離 (Max 30cm位)

 Max 10m

 1レーンあたり
 転送速度

 HS: Max 2.5Gbps

 Max 655Mbps

 LP:  Max 10Mbps

 電気信号 (振幅)

 HS: 差動 p-p200 mV

 差動  p-p 350 mV

 LP:  シングルエンド 1.2V

 Common電圧

 HS: 330mV,  LP: 0.6V

 0.2~2.2V

 定電流源

 2.0mA

 3.5mA

 クロック方式

 DDRソース同期

 DDRソース同期

 その他

 クロック信号をデータ線とは別に転送
 HS(High Speed) Mode,
 LP(Low Power) Modeの遷移有

 クロック信号をデータ線と
 別に転送

上記表から、MIPI は伝送距離は短いが LVDSより高速で通信可能ということがわかりました!

LVDS は Max10m も通信できるのは知らなかったので、比較したことによって良い勉強になりました。

 

今回のお勉強はここまでにしたいと思います。次回からMIPI DCI/CSI-2 の プロトコル層についてそれぞれ詳しく見ていきたいと思います!

 

さいごに:

感想は、物理層(D-PHY)はDSI/CSI-2 とあまり差分はなく、LVDSと比較することでよりイメージがつきました!

物理層がそんなに変わらないということは、プロトコル層で大きく違いが出るのかな?とひろみんは予想しています。

 

では、また次回 Lattice寺子屋でお会いしましょう!さようなら!

 

MIPI DSI/CSI-2よくある質問集(予告&お願い)

記事をお読みいただき、ありがとうございました!

 今後、読者の皆さまからいただいた質問をまとめた『MIPI DSI/CSI-2よくある質問集』記事の作成を予定しています。
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そんな疑問も、そのままにせず、是非教えてください!
そういった疑問こそ、皆さま共通の疑問であることが多いので、今学んでる皆さまはもちろん、
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新人エンジニアの奮闘記~MIPI規格編~

MIPI規格は、近年ディスプレイのインターフェースやイメージセンサーの出力インターフェースなどに多く用いられる通信規格です。

規格の名前は知っているけど、通信帯域は?どんなプロトコルで伝送するの?など

MIPIの中でも、DSI/CSI に焦点を当てて、新人がゼロから勉強していく記事です。



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