こんにちは。梅おにぎりです。
今回は消費電力見積りツールである PowerPlay Power Analyzer を紹介いたします。
PowerPlay Power Analyzer
PowerPlay Power Analyzer は、Quartus® II 上で消費電力が見積れる機能です。
デザインが完成した状態でお使いいただくツールとなっております。
Processing メニューの PowerPlay Power Analyzer Tool から実行することができます。
使い方は非常に簡単。
デザインはもうできているので Start ボタンを押すだけ。
消費電力の見積りに、は信号のトグル・レートが大きく影響することが知られています。
PowerPlay Power Analyzer では、"ユーザー側で設定したトグル・レートを元に消費電力を出す方法" と ”シミュレーションを行い、その出力波形からトグル・レートを算出して消費電力を出す方法" があります。
シミュレーションを行うことでより正確なトグル・レートが算出されるので消費電力の見積り精度も高くなります。
シミュレーションでトグル・レートを算出して消費電力の見積りを行うのは理解できるのですが
ユーザーで設定するトグル・レートってどんな値を入れればいいのでしょうか?
そもそもトグル・レートとは?
トグル・レートとは、クロックの立ち上がりに対して内部ノードが変化した割合のことです。
例えば、下図のようにクロックの立ち上がりに対して、4つのノード中1つしか変化しないのであれば、トグル・レートは 25% になります。
この計算をすべてのクロックの立ち上がりで行い、平均した値が入力すべきトグル・レートとなります。
これを人間が計算するのは至難の業ですね。
デフォルトでは、トグル・レートは 12.5% に設定されています。
これは16bit カウンタのトグル・レートで一般的な値だと言われています。
トグル・レートを低く見積もってしまうと消費電力も低く見積られてしまいます。
そのためトグル・レートは最低でも 12.5% よりも大きな値に設定することがお勧めです。
トグル・レートは PowerPlay Power Analyzer Tool を起動して下図の所で設定します。
まとめ
アルテラの FPGA における消費電力の見積りには、以下の異なる2種類のツールがあることがわかりました。
・ PowerPlay Early Power Estimator
・ PowerPlay Power Analyzer
ユーザーの開発段階に合わせて消費電力の見積りを行っていただければと思います。
※算出される消費電力はあくまで見積値ですので実際のボード上での消費電力とは多少異なることがございます。