はじめに ~本番当日のご飯は味がしない?!~

長いようで短かった製作期間を経てようやく私たちの集大成、運命のKICK OFFの日となりました!

ちゃんと動いてくれるのかという不安やみんなから期待されているプレッシャーで正直朝ご飯が喉を通りませんでした、、。(会社のお偉いさんも見に来ました~(泣)) 

でも泣いても笑っても本番はやってくるわけで。あとはこの2ヶ月の成果をみなさんに見せつけてやりましょう!!

ルール概要 ~とにかくゴールしまくれ!~

勝負は至ってシンプル!2対2のチーム戦で私たちの自作サッカーロボットVS市販のサッカーロボットでどちらが多く点数を決めるかというルールです。

もちろん、DFもキーパーもいないのでとにかく相手からボールを奪って、多くゴールを決めれば良い!そんなルールです。

製作実習に携わった新卒は私を含めて3人いるので、計3試合おこないます。

また、試合の結果に応じて3つの賞が用意されております。1つ目は一番得点を決めたロボットに与えられるMVP賞。

2つ目はロボットの成果物として一番良い出来だったロボットに与えられるグッドデザイン賞。

3つ目は試合を一番盛り上げたロボットに与えられるグットパフォーマンス賞。私はこの3つの賞を総なめして有終の美を飾りたいと思います!

初戦 ~あれ、市販ロボット強すぎません?~

私はくじの結果、2試合目と3試合目の出場だったため、まずは同期のロボットと市販のロボットのお手並み拝見といこうじゃないですか。

まあ、正直市販のロボットとはいえ勝負にならないのではないかと思っていますよ。なぜなら使っている部品の質が全然違いますからね。

あっちの電源は単3電池なのに対して私は7Vあるリポバッテリーを使っていますし、モーターもあっちより良いものを使っています。

もう馬力が圧倒的に違いますからタックルでもしようものなら木っ端微塵ですよ!

と、思っていた時期も私にはありました。いざ蓋をあけると市販のロボットチームの圧倒的な機動性と操作性に私たちのロボットは手も足も出ませんでした。。

初戦はたったの4分で0-4と圧倒的な差を見せつけられました。まるで小学生とプロが試合をしているかのような光景でした。もしフルタイムの時間でやっていれば0-50くらいの差をつけられてしまいます!!

私は試合もしないまま戦意を喪失してしまい、そのまま2試合目も1-4と特に見せ場もなく試合は終わってしまいました。

最終戦 ~ここで魅せなきゃ終われない!!~

3試合目の最終戦。このまま私たちの2ヶ月が終わっていいわけがない!逆境に燃える私は気合を入れ直し1点でも多く決めてやろうと決意を新たに試合に臨みます。

試合序盤は白熱した試合展開が続いておりましたが、中盤を迎えようとした時ついに恐れていた自体が起こってしまいます!

なんと、私のロボットと同期のロボットで不慮の衝突が起こってしまいました!同期のロボットは一部部品が外れてしまい、私は配線の接触不良なのか動作が不安定になってしまいました!

同期はタイムの時間に直すことが出来ましたが私のロボットは依然不安定な挙動を見せ、後ろに下がる動作などがうまく出来ず、猪突猛進しかできないロボットと化してしまいました。

なんとか1点をもぎ取りたい状況でのアクシデントに困惑しながらも試合も終盤。スコアとしては0-2と既に逆転の目は残されておらずこのワンプレーですべてが決まる中、ついに私にもチャンスが訪れます!

なんと相手チームのこぼれ球が私のロボットの前にきたのです!

最後決めるにはここしかない!私はそのボールを保持したままロボットごとゴールへと突っ込んでいき、ゴールネットを揺らしました!!劇的なゴールに会場は沸き上がりました、その声援たるや最後のホイッスルが掻き消えてしまうほどで大盛りあがりで会場が包まれるなか私たちの試合は幕を閉じました。(まあ、スコア的には負けていますが)

最終結果 ~グッドパフォーマンス賞とったどー!~

市販ロボットとの試合には惨敗を喫しましたがそれとは別に最後私たちには各評価項目に応じて3つの賞が授与されます。

結果、私は最後の劇的なタックルシュートにて会場を沸かせたことからグッドパフォーマンス賞が送られました。

その他の2つは受賞できなかったものの新卒3人に対してそれぞれ1つずつ賞が授与され円満な結果となりました。

賞を総なめ出来なかったことは残念でしたが、実際に自分が1から作った成果物が動作し、見に来てくれた皆さんを楽しませることが出来たので私はとても満足いく結果だったかな、と思っています!

ただ、少し心残りもあり、設計者目線ではこの2ヶ月という時間は短くまだまだ改良の余地はあると考えています。

なのでぜひまたどこかの機会で改良し次こそは市販のロボットに勝てるようなロボットを作れたらなー、なんて考えています。

あとがき ~ご愛読ありがとうございました~

まずはこの作品を最後まで読んでいただきありがとうございました!(1話から見ていない方はぜひ!)

今回新人FAEが右往左往しながらもロボット作成をするという実習について記事を書かせていただきましたが、記事を読んでいただいた方の感情が少しでも揺さぶられてくれれば、それだけでありがたい限りでございます。

弊社は技術商社ということで実際のビジネスでは設計者様に対しての製品提案や技術的なサポートをメインの業務としております。

その中でお客様の製品を開発するプロセスや開発するうえでの悩みや必要なサポートなどをこの実習を通じて少しでも理解したいと考え毎年このような実習があると考えています。

私もこの実習を通じてこれから実業務に出た際には親身になってお客様の立場に寄り添いサポートできる、そのようなFAEになりたいと思います!

今回はストーリーがメインであまり具体的な技術の話などは書けませんでしたが、今後少しずつこの実習を経て学んだ技術内容や実業務を通じて得た知識なんかも記事にしていきたいと思いますので、ぜひここまで読んでくれた皆様とまた別の記事で会えることを楽しみにしています。

(書いて欲しい技術記事のリクエスト募集中です!)

【新人エンジニアのサッカーロボット製作日記】

第一話『マクニカ杯開催?!』

第二話 『これが最強のサッカーロボット?!君の名はマラドーナくんだ!!』

第三話 『燃えてもまた生き返る不死鳥マラドーナ』

第四話 『目覚めの時は来た、発進!マラドーナくん!!』

第五話 『運命のKICK OFF!! その栄冠を掴むのは...』