導入検討時に役立つ、400G/800G規格の基礎知識を解説
光伝送ネットワークを構成する各種コンポーネントのうち、光トランシーバーモジュールと光コネクターは進化が著しく多種多様な規格が生み出されてきました。数多くの標準規格から適切な選択をおこなうためには、光トランシーバーモジュールや光コネクターへの理解を深め、正しい選択をするための知識を身につけることが必須となります。
2023年11月8日に実施したセミナーでは、今後普及が見込まれる400/800G光トランシーバーモジュールと光コネクターの規格と最新動向を解説しました。
本記事ではそのイベントレポートとして、セミナーでご紹介した内容の一部をお届けします。記事末尾には、本セミナーのオンデマンド動画と当日の資料をご案内しておりますので、ぜひご覧ください。
当日のアジェンダ
時間 |
内容 |
2023/11/8(水) |
・最新光トランシーバー規格動向と搭載光コネクターについて(センコーアドバンス株式会社) |
光通信業界を取り巻く環境変化
前半パートはセンコーアドバンス株式会社 髙橋様より解説いただきました。
データトラフィックの急増に伴って、ハイパースケールデータセンター事業者は、2010年代半ばから従来のメタル配線から光配線への置き換えを進め、業界の成長を支えてきました。ワイヤレス需要への対応も重要で、例えば2010年代終盤から始まった5Gではセルサイトの接続ために、大量の光ファイバーが必要となっています。更に2020年にはパンデミックの発生により生活様式が大きく変わり、ChatGPT等の生成AIの出現により、データ量が爆発的に増えて光通信業界の様相は大きく変化しました。
新しい光コネクターインターフェースの登場
広帯域化、大容量化に伴い光トランシーバーモジュールの新規格がリリースされるのに合わせて、新しい光コネクターインターフェースが登場します。QSFP-DD/OSFPの光コネクターインターフェースではMPOコネクターやLCコネクターに加えて、近年ではそれらの後継として最新VSFF(Very Small Form Factor)コネクターの採用が進んでいます。
VSFFコネクターのサイズと操作性
一例として、LCコネクターと比較して40%ほどサイズの小さいCSコネクターは、メカ特性、光特性ほぼ同等を実現し、プッシュプルタブにより簡単に挿抜が可能となりました。その他SN、SN-MTなどのコネクターについても実機をカメラに映しながら丁寧に解説しています。
光トランシーバーモジュールの規格
後半パートは株式会社マクニカ 三田村より解説しました。
光トランシーバーモジュールには、フォームファクター規格と光伝送規格の2種類があり、フォームファクター規格によって機械的要素と電気的インターフェースが異なり、光伝送規格によって伝送距離や光インターフェースである光ファイバーやコネクターが異なります。
フォームファクター規格(QSFP-DD/OSFPとQSFP112)
QSFP-DD/OSFP(400G/800G対応)とQSFP112(400G対応)について各フォームファクターの特長と電気的特性を紹介し、さらに選定時の注意点にも触れました。
・QSFP28/56(100/200G対応)と下位互換のないOSFPは、変換アダプターを用意する必要があります。
・OSFPは、OSFP(光トランシーバーにヒートシンクあり)とOSFP-RHS(光トランシーバーにヒートシンクなし)の2種類あります。そのため、ホスト機器のポートに合わせて、OSFPまたはOSFP-RHSを選定する必要があります。
光伝送規格(400G/800G)
400G/800Gの代表的な光伝送規格を、伝送距離や送信受信のレーン数・データレート数、対応するコネクターなど概要を押さえるためのポイントを厳選して解説しました。
・400GBASE-SR8
・400GBASE-DR4/DR4+/4x100-LR
・400G-FR4/LR4
・400G-ZR/ZR+
・800G-DR8
・800G-2x400G SR4/DR4
・800G-2x400G FR4
次の2つの記事にて、それぞれの規格について詳しくご紹介しています。是非、画像をクリックしてご確認ください。
簡単なご登録でオンデマンド動画・資料をご覧いただけます
本記事では、400/800G光トランシーバーモジュールと光コネクターの規格と最新動向について概要をご紹介しました。
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