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【水面センサー】高精度・防水性能&無線通信で遠隔データ確認

水面の変化をリアルタイムにキャッチして、トラブルを未然に防ぎませんか?

今回は簡単操作ですぐに測距ができる「水面センサー」のご紹介です。

近年、センサー技術の進化は目覚ましく、多くの産業で注目されています。特に、暗い場所や汚れやすい環境など、従来のセンサーでは測定が難しかった状況でも高い性能を発揮できる新しいセンサーが登場してきました。夜間でも測定でき、雨や霧といった悪天候下や筐体が汚れてしまうような環境にもある程度の耐性があるため、より安全で効率的な運用が可能です。

当社の実験では、素材による反射の違いや遮蔽物がある場合の透過性など、様々な条件下での性能が確認できています。これらの成果から、多方面での応用が考えられます。たとえば、化学プラント内の薬品管理やマンホール下の下水道の監視、さらには河川や湖沼のモニタリングなど、人が測定するには危険であったり、そもそも測定に行くのが大変だったりする環境でも、このセンサーは活躍します。筐体にセンサー用の窓が必要ないため、雨水や結露の影響を受けにくく、暗所でも安心して使用できます。

マクニカものづくりコンサルティング(ものコン™)では、簡単操作ですぐに実験可能な「水面センサー」をご用意しております。このセンサーの特長や実績、実験データに加え、具体的な事例を紹介します。本技術がどのように私たちの生活やビジネスに貢献できるのか、一緒に見ていきましょう。

マクニカものコン™水面検知センサー

水面センサーの概要

今回ご紹介する水面センサーは、低消費電力で長距離測距ができ、耐環境性(防水性、汚れ耐性)に優れているため、広範囲での運用が可能です。さらに、水面に対する高い検出精度を誇り、無線通信で遠隔地からリアルタイムでのデータ提供を実現できるため、IoT関連の用途においても今後の利用増加が期待されます。

最近のニュースでは、渋谷のゲリラ豪雨によるマンホールの吹き飛び事故が取り上げられました。このエアハンマー現象による事故は、マンホールから下水水位をリアルタイムで監視できていれば事前に気づけていた可能性があります。(例:水面センサーをマンホール裏に設置し、水量データを10分おきにクラウドに保存する。)

また、この水面センサーは河川の氾濫監視にも利用可能です。たとえば、橋の下に設置しておき、水位が一定値を超えた際に役所に通知をおこなうことで、遠隔地から山奥の状況を把握できるシステムを構築できます。これにより、自然災害のリスクを軽減する手助けとなります。

プライバシーの観点からも、このセンサーは優れています。カメラを設置できない場所での使用が可能であり、お風呂やトイレなど、個人のプライバシーを尊重しつつ監視が必要な場所での活用が期待されます。また、純水に限らずスープなどにも反応し、湯気や油煙への耐性もあるため、飲食DXの推進にも貢献できそうです。

さらに、既存設備に後付けできる点も大きな魅力です。たとえば、レベルスイッチのような役割として、船舶のバラスト水の監視に使用することができそうです。取り付けが簡単なため、導入のハードルが低くなります。

家庭用の灯油タンクやプラント工場の薬品タンクの監視にも使えます。樹脂を透過してその先の液面を検知することが可能です。センサー取り付け孔の封止に配慮する必要がなく、キャップ・天井越しの検知が可能なため防爆対応も簡略化されるという利点があります。

水面センサーの特長

高い防水信頼性 筐体に穴をあけずに済むため、雨水や結露の影響を受けにくく、屋外でも安心して使用できます。
デザインの自由度 樹脂筐体を透過したセンシングができるため、筐体デザインに影響を与えません。(見栄えが良い。)
優れた汚れ耐性 受信部に汚れやゴミが付着してもある程度の耐性があるため、メンテナンスの手間を大幅に削減できます。
透明な液体の検知 光学方式では検知が難しい水や油、薬品などの透明な液体も検知可能で、より幅広い用途での利用が可能です。
天候や外乱光に強い 天候や外乱光の影響を受けないため、安定したパフォーマンスを保つことができます。
プライバシーの確保 非光学的な検知方式を採用しているため、プライバシーの確保においても高い安全性を提供します。
遠隔データ確認 無線通信モジュールを内蔵しており、取得したデータをリアルタイムで遠隔確認することが可能です。
長寿命の内蔵バッテリー 内蔵バッテリーにより、数年間の連続稼働が可能で、長期的な運用においても安心です。

水面センサーの想定活用事例

水面センサーは、従来のセンサー技術の弱点を克服しており、厳しい条件下でも信頼性の高いデータを提供できるため、様々な産業での応用が期待されています。このセンサーは、特に環境条件が厳しい場面でも、その性能を発揮することで、安心して使用できるソリューションを提供します。

防水が必要な設置場所

IP67相当の防水性能をもつ水面センサー

このセンサーの特長の一つは、光学センサー特有の窓が不要ということです。つまりは筐体に穴をあける必要がなく、防水信頼性の高い筐体を作れるというメリットがあります。今回ご紹介するセンサーは、IP67相当の防水性能を備えており、河川や湖沼、水田など屋外環境に設置して、水しぶきや雨、雪の影響を受けても故障せずに稼働し続けます。

また、筐体デザインの自由度が高いことも大きなメリットです。これにより、様々な設置条件に応じた柔軟なデザインが可能となり、製品の見栄えも重視したいというユーザーニーズにも応えることができます。

【想定設置場所】
・河川
・沼湖
・水田
・冠水懸念地点

夜間や真っ暗な空間

夜間の監視や低照度環境での測距

照明条件に左右されることなく、24時間365日安定した測定をおこなうことが可能です。この特性は、夜間の監視や低照度環境での利用に適しています。街灯のない夜間環境でも正確に計測可能で、下水道や防火水槽など、普段は光が入らず真っ暗な空間でも問題なく測定できます。

【想定設置場所】
・下水道
・防火水槽
・夜間監視設備

従来設備へポン付け

従来設備へ取り付けできる水面センサー

汚れに強く、耐久性を備えたこのセンサーは、厳しい環境下でも安定したデータを取得できます。筐体に泥が付着したり、雨風や湯気、結露などの影響を受けたりしても、ある程度の耐性があります。

この特性は、屋外の貯水タンクの蓋に取り付けるなど、従来の設備にポン付けするだけですぐに稼働するという強みにもなります。設置作業が簡単で、導入コストの削減にもつながります。

【想定設置場所】
・工場/プラントの薬品タンク
・屋外の貯水タンク
・醸造所
・船(バラスト水)

当社での測定例

当社の測定では、水面検知に関する良好な結果が得られています。

以下は最も簡単な測定の様子です。特殊な設定は不要で、誰でも簡単に操作できます。センサーから水面までの距離を測り、得られた測距データをグラフ化しています。結果、センサーの設置地点から水面までの距離を、誤差10mm程度の高精度で捉えることができました。

水面センサーの測定例

さらに、私たちは様々な条件下での実験をおこなっています。
興味のある方は、以下の関連記事もぜひご覧ください。

>> 【水面センサー】壁越しでも水面を検知できるか
センサーと水面との間に壁(遮蔽物)がある場合でも水面を正しく検知できるかを実験しました。

この他にも、灯油や鍋の残量測定や、センサー筐体が汚れている場合も測定できるかなど、様々なユースケースを想定して評価しています。

様々な条件や環境で評価しています
様々な条件や環境で評価しています

ものづくりコンサルティング(ものコン™)の提供サービス

測定可能と思われるアプリケーションであっても周辺の影響を受けるため、実際に測定してみることをおすすめします。Webで仕入れた知識が通用しないことも多々あります。また、対象物を水面に限らずに実験しています。

例)
Q. 積雪は測定できる?
A. 踏み固められた積雪は測定可能。フワフワな新雪は要検討。

雪を測定した事例では「時間の経過で検出精度が変わりすぎてしまう」など、実測してはじめて見えてくる課題もありました。様々なユースケースを想定して導入前検証をおこなうためのサポートをいたします。

ものコン™では本技術にご興味がある方と一緒に実験したいと考えております。詳細なデータや実験条件についての相談も承りますので、ぜひお気軽にお問合わせください。
※尚、企業様向けサービスのため、該当しないお問い合わせにつきましてはご対応できかねますので何卒ご了承ください。

ものづくりコンサルティングサービス

ものづくりコンサルティングサービス詳細は以下ボタンよりご参照ください。

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