フレッシャーズにはフレッシャーズの時にしかない特権があります。
まだ知らないことは恥ではありません。何でも聞けばよいし、先輩も教えてくれます。ただ、いつまでも聞くばかりでは進歩しません。まだこの特権があるうちに、いろんなことを覚えましょう。
今回は、『シグナルインテグリティ』です。
シグナル・インテグリティとは
シグナルインテグリティ(Signal Integrity:SI)という言葉は初めて聞いた方もいるかもしれません。シグナルとは、 電子機器の中を伝わる信号のことを言います。電子機器の中は、"1" と "0" とで成り立っています。多くの場合、High と Low とで "1" と "0" とを表します。3.3 ボルト(V)電源なら、High は 3.3 V、Low は 0 V です。
この "1" と "0" とをいかに速く伝えていくか、それは製品の性能を上げることになります。皆さんがよく使っているタブレット端末でも、動きがもっさりしたものと、てきぱきしたものとがあるのはご存じのとおりです。速く動作するものは複数の LSI 間に高速に信号を送ったり受けたりしているもので、遅いものはこのやりとりが遅いのです。
このやりとりの速度が速くなると、電気信号は、光のような性質を持つようになってきます。うまく伝えるように設計しないと跳ね返って、相手にうまく伝わりません。このことを信号の反射といいます。隣の信号線に信号が乗り移って、誤動作することもあります。このことをクロストークといいます。
この反射やクロストークを極力抑える設計をすることを、シグナルインテグリティといいます。Integrity を辞書で引くと、完全な状態とか無欠性という訳が出てきます。いかに信号を忠実に相手に伝えるか、簡単なようで実は難しい、だけど原理をきちんと理解していれば、そんなに難しくはありません。
フレッシャーズ向けに、シグナルインテグリティに関連する内容を、これから数回に分けて解説します。
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