はじめに
こんにちは、どふぃです。
いよいよ下期が始まりました。
研修も一通り終了し、実際の FAE としての業務が少しずつ始まりつつあります。
さて、今回は前回の記事でも少し触れたリニアレギュレーターと、スイッチングレギュレーターについてお話します。
DC-DC コンバーターは大きく分けてこの 2 種類に分かれます。
リニアレギュレーターとスイッチングレギュレーターの比較
前回の記事で、それぞれの概要についてはお分かり頂けたでしょうか?
今回はそれぞれのメリット、デメリットについて、 2 つのレギュレーターを比較しながら考えていきます。
表 1 に示すのが、リニアレギュレーター、スイッチングレギュレーターを比較したものです。
比較項目は、 DC-DC コンバーターを使用するに当たり、考えるべき基本的なスペックとさせて頂きました。
|
リニアレギュレーター |
スイッチングレギュレーター |
電圧変換 |
降圧のみ |
降圧、昇圧、反転、昇降圧 |
効率 |
出力電力/入力電力 (低いことが多い) |
~95%前後 (一般に高い) |
出力電力 |
低電力 (一般に数W) |
大電力可能 |
発熱 |
大 |
小 |
ノイズ |
小 |
スイッチングノイズ大 |
設計 |
簡単 |
複雑 |
外付け部品数 |
少ない |
多い |
コスト |
安価 |
高価 |
表 1:リニアレギュレーターとスイッチングレギュレーターの比較
電圧変換、効率に関しては前回の記事でも解説しましたね。
それに関連しているのが、発熱です。
DC-DC コンバーターの損失は基本的には熱として放出されます。そのため、効率が低いリニアレギュレーターの方が発熱は大幅に大きくなります。
Power Loss = 発熱量とし、図 1 にリニアレギュレーター、図 2 にスイッチングレギュレーターの変圧方法を示します。
※なお、図 1 , 図 2 の Vin , Vout は同じ値とします。
設計、外付け部品数に関して
図 3 にリニアレギュレーター、図 4 にスイッチングレギュレーターの回路例を示します。
黄色部分が IC で、他は外付け部品となっております。
《 解説 》
ご覧のとおり、リニアレギュレーターは外付けの部品点数が非常に少なく、回路構成もシンプルとなっております。
それに対してスイッチングレギュレーターは部品点数が多く、回路構成も複雑なのがわかります。
リニアレギュレーター、スイッチングレギュレーターの用途
前項で示した通り、双方にメリット、デメリットがあります。
また、どちらを採用するかは使用用途によって異なります。
表 2 にそれぞれの具体的な使用用途を示します。
種類 |
リニアレギュレーター |
スイッチングレギュレーター |
用途 |
・アナログ回路用 ・低電力、低価格アプリケーション |
・大電力のロジック回路用 ・低消費電力が要求されるアプリケーション ・効率を重視するアプリ―ケーション |
表 2 各レギュレーターの使用用途
このように、双方に使用用途がありますので、どちらの方が優れているとは一概には言えませんが、近年では DC-DC コンバーターのほとんどがスイッチングレギュレーターになってきています。
終わりに
今回はリニアレギュレーター、スイッチングレギュレーターについてお話しさせて頂きました。
「電源」についてだんだん理解が深まってきたでしょうか?
アナログは奥が深いので、私も勉強することがまだまだあります。。。
一緒にがんばっていきましょう!
次回の記事もよろしくお願い致します!
最後に弊社で取り扱っているアナログ IC メーカーの紹介をさせて頂きます。
Analog Devices ~アナログ・デバイセズ~
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