「アナログ・デバイセズはアナログの会社でしょ?」──そう思っている方ほど、いまのアナログ・デバイセズのMCUポートフォリオは、選択肢の一つとして押さえておきたいところです。
アナログ・デバイセズはマキシム (Maxim Integrated) の統合によってMCUラインナップを大きく広げました。さらにVS Codeベースの統合開発環境「CodeFusion Studio™」を提供し、開発をスムーズに進められる環境を用意しています。
本記事では、超低消費電力・小型パッケージといった特長の紹介、MCUの全体像と選び方、さらに評価をスムーズに始めるためのボード / モジュールまで要点を整理します。
アナログ・デバイセズのMCUラインナップ:低消費電力・ワイヤレス対応まで広がる選択肢
マキシムの統合によって、アナログ・デバイセズのMCUポートフォリオにBluetooth搭載MCUが加わりました。また、1つのインダクターで複数の電圧出力を生成するSIMO (Single Inductor Multiple Output) 技術が加わり、基板の省スペース化と低消費電力化を同時に実現。IoTやウェアラブル機器向けのラインナップが強化されています。
MCUラインナップ一覧:低消費電力・セキュリティ・ワイヤレス・AIをカバー
アナログ・デバイセズのMCUには幅広いポートフォリオがあります。
・AI MCU:AI処理用のアクセラレーターを搭載
・超セキュアMCU:決済端末などに向けた堅牢なセキュリティ機能を実装
・超低消費電力MCU:業界トップクラスの低消費電力を実現
・ワイヤレスMCU:Bluetooth通信機能を搭載
本記事では、幅広い用途で使いやすいMCU「MAX326xx」シリーズ(赤枠)を紹介します。
MCU「MAX326xx」シリーズの特長
MCU「MAX326xx」シリーズは、共通して以下の特長を備えています。
■ 業界トップクラスの超低消費電力
多段階の低消費電力モードを備え、業界トップクラスの超低消費電力を実現。バッテリー駆動時間の最大化に貢献します。
■ 高性能CPUコア・大容量メモリーを搭載
CPUコアにArm Cortex-M4F(最大120MHz動作)を採用。最大3MBのフラッシュメモリー、最大1MBのSRAMを内蔵しています。
■ 省スペースを実現する超小型パッケージ
1.6mm x 1.6mmをはじめとした業界最小クラスの小型パッケージをラインナップ。実装面積を抑えたいアプリケーションに適しています。
■ 強力なセキュリティ&信頼性
超セキュアMCUで培った知見を活用し、暗号化機能やセキュアブート、ECCメモリーなどを実装したラインナップを展開。
汎用MCUでありながら、強力なセキュリティと信頼性を備えています。
■ Bluetooth搭載によるワイヤレス対応
Bluetooth 5.2 (BLE) 搭載モデルをラインナップ。IoTの発展で高まっているワイヤレス通信のニーズにこたえられます。
「MAX326xx」シリーズのポートフォリオ
MAX326xxシリーズは、超小型・低価格モデルから高集積化モデルまで、多彩なポートフォリオを展開しています。
例)
・MAX32660:シンプルな構成の超小型モデル
・MAX32665:Bluetooth搭載。通信とメイン演算のオフロード処理が可能なデュアルコアモデル
・MAX32655:Bluetooth搭載。Bluetooth処理をオフロードできるデュアルコアモデル
・MAX32690:3MBのフラッシュメモリー、1MBのSRAM、高精度ADCを搭載した高集積モデル
セレクションガイド
MAX326xxシリーズの対応機能は、以下の比較表で確認いただけます。
メモリー・パッケージサイズ比較
Cortex-M4Fでこのサイズを実現しているMCUは、市場でも希少な選択肢です。基板の省スペース化が製品価値に直結するウェアラブル機器や小型センサーでは、このサイズが大きなアドバンテージとなります。
アプリケーション
MAX326xxシリーズは、特に以下のようなアプリケーションに活用されています。
■ ウェアラブルデバイス
スマートウォッチやフィットネストラッカーなど、バッテリーでの長時間駆動や小型化が求められるウェアラブルデバイスに最適です。
■ ポータブル医療機器
セキュリティ機能や信頼性によって、旧マキシム時代から強みを持つ分野です。
アナログ・デバイセズのアナログ技術に、Bluetooth搭載MCUが加わったことで、データ取得から転送までをアナログ・デバイセズのソリューションで統一可能になっています。
■ IoTセンサー
取得したデータをエッジ処理し、Bluetoothで上位システムへ送信できます。
■ 産業機器
大容量メモリーに加え、外付けメモリー拡張に対応したモデルも登場。これにより、産業機器への採用も進んでいます。
目的に合わせた2種類の評価ボード
アナログ・デバイセズでは、検証目的に合わせて、2種類の評価ボードを用意しています。
ラピッドプロトタイピングボード
PoC(概念実証)やセンサーモジュールの迅速な試作に活用できる、小型の評価ボードです。既存システムへの組み込みやブレッドボード展開に適しています。
フル機能評価ボード (EVKIT)
製品構成に近い周辺機能を搭載した評価ボードです。
追加設計なしで本格的な評価が可能です。
VS Codeベースの統合開発環境「CodeFusion Studio™」
アナログ・デバイセズは、統合開発環境「CodeFusion Studio™」を無償提供しています。Microsoftのソースコードエディター「Visual Studio Code(VS Code)」をベースに、IDE(統合開発環境)とSDK(ソフトウェア開発キット)を一元化。多くのエンジニアが使い慣れている操作感で、ストレスのない開発環境を実現します。
CodeFusion Studio™には、主に以下の特長があります。
■ 豊富なライブラリーとサンプルコード
アナログ・デバイセズのソフトウェア開発キット「MSDK」では、ペリフェラルドライバーやユーティリティー関数、すぐに応用できるサンプルコードを豊富に提供。複雑な機能もテンプレートを活用して容易に実装できます。また、リアルタイムOS「Zephyr OS」にも対応。ツールやテンプレートが提供されており、Zephyr環境でスムーズに開発を進められます。
■ 直感的に操作できるGUI画面
ピンの割り当てやクロック周波数、周辺機能やペリフェラルなどの設定を、GUI画面のマウス操作で簡単に完了できます。従来のようなコーディングや煩雑な設定が不要になり、すぐに動作させることが可能です。
■ 各評価ボードに対応したワークスペースのテンプレート機能
各評価ボードに対応したワークスペースのテンプレートが用意されています。対象のMCUと評価ボードを選択するだけで、ピン設定や周辺機能などがワークスペースに自動設定されます。初期設定や環境準備の工数を抑え、迅速に評価をスタートできます。
マクニカオリジナル モジュール&ボードで、まずは動かしてみる
マクニカでは、アナログ・デバイセズのMCUを単体で提供するだけではなく、早期市場投入を実現するオリジナルモジュールやボードを2種類用意しています。
マクニカ製 技適認証済みBLEモジュール
Bluetooth5.2搭載の「MAX32655」を用いた、アンテナ実装済みのモジュールボードです。複雑な無線回路の設計をスキップして、迅速に評価に着手できます。
1円玉サイズのBLEモジュールを組み合わせることで、お客様の設備や装置を簡単に無線化できます。
電波法に基づく技術基準適合証明を取得しているため、すぐに使用が可能です。
開発工数を大幅に削減し、市場投入までの期間を短縮します。
マクニカ製 IoT リファレンスボード for Sigfox
IoT機器の試作や評価をスピーディーにおこなえるリファレンスボードです。1.6mm角の超小型MCU「MAX32660」と、Sigfox通信モジュール、3種類のセンサーを搭載しています。
■ 置くだけでセットアップが完了
省電力で広域通信が可能なLPWA通信規格「Sigfox」を採用。SIMカード不要で、簡単にセットアップできます。測定データはSigfoxクラウドに送信(アップロード)され、お客様環境からアクセスして解析できます。
■ 高精度センサーを標準搭載し、拡張も可能
アナログ・デバイセズの加速度センサーと、センシリオンの温湿度センサー、CO2センサーを標準搭載。Qwiicコネクターが付属しており、差し込むだけでセンサーを容易に追加できます。
■ バッテリー駆動も安心の低消費電力設計
低消費電力設計のため、外部電源だけでなく、単3電池やコイン電池といった小型バッテリーでも長時間駆動できます。
仕様やBOM情報についてはこちらの製品ページをご覧ください。
MAX32660 Reference Board for Sigfox - 半導体事業 - マクニカ
IoT開発を手早くスタートし、迅速な市場投入を図りたい方に最適です。ぜひご活用ください。
今回は、アナログ・デバイセズの汎用MCU「MAX326xx」シリーズを紹介しました。アナログ・デバイセズの超低消費電力MCUのラインナップは、「アナログ・デバイセズはアナログの会社」というイメージをお持ちの方にも、ぜひご検討いただきたい選択肢です。
評価ボードやモジュールは、いずれもすぐにお試しいただけます。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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