1 パッケージで高速LVDS通信と絶縁を可能にするADN465xシリーズ
現在、インダストリー4.0に代表されるように社会全体のデジタル化やオートメーション化が急速に進行していますが、そこで重要な役割を果たすのが信号やデータの伝送技術です。
デジタルI/O、ASIC間通信、映像または画像通信などに広く使われる低電圧差動信号(LVDS)の絶縁をおこなうには、従来のインターフェースの再設計もしくは低速アイソレーターを使用した信号処理をおこなう必要がありました。
アナログ・デバイセズのiCoupler®デジタル・アイソレーター技術を搭載したADN465xファミリーは、高速LVDS信号のダイレクトな絶縁を実現します。この記事では、LVDSアイソレーター ADN4654/55/56の以下の3つの特長について紹介します。
1. 最大1.1Gbpsの業界最速データレート
2. 高精度・低遅延と高い堅牢性を実現
3. 信号方向を選択できる豊富な製品ラインナップ
1. 最大1.1Gbpsの業界最速データレート
ADN4654/55/56は、高い評価を得ているガルバニック絶縁のiCoupler®デジタル・アイソレーターとLVDSを1パッケージに集積することで、安全性と信頼性を強化しつつ、業界最速であったADN4650/51/52 と比べて約2倍高速となる最大データ・スループット・レート1.1Gbpsを実現しました。
従来、LVDS信号の絶縁には低速のアイソレーターを使用して信号処理をする必要がありましたが、ADN4654/55/56により高速のLVDS信号を直接絶縁することが可能になります。
さらにADN4654/55/56はLDVS信号の絶縁に必要な機能を完全に統合しているため、従来の光ファイバーやディスクリート型の絶縁と比較し、部品および製造コストの削減と設計の簡素化に貢献します。


2. 高精度・低遅延と高い堅牢性を実現
ADN4654/55/56は以下の高精度・低遅延性能と堅牢性により、数メートルのケーブルを高速信号でつなぐ最先端のI/O拡張システムにも使用することができます。
・90ps(代表値)の超低ジッター
・4ns(代表値)の低伝搬遅延
・TIA/EIA‑644‑A規格への完全準拠
・8kVpkでテスト済みの強化絶縁を備えたサージ保護
・最大5kVrmsの耐電圧定格
また、ADN4655およびADN4656はフェイルセーフ機能を備えており、入力がフロート状態、短絡、または終端処理済みであるが駆動されていない場合に、対応するLVDSドライバー出力が確実にロジック1になります。この機能により信頼性の高い設計を実現します。
3. 信号方向とフェイルセーフ機能を選択できる豊富な製品ラインナップ
ADN4654/ADN4655/ADN4656は以下の複数のチャンネル構成に対応しており、最適な信号方向の組み合わせを選択することができます。
製品 |
フェイル・セーフ・レシーバー入力 |
チャンネル構成 |
---|---|---|
ADN4654 |
なし |
同方向のデュアル・チャンネル |
ADN4655 |
あり |
各方向で1チャネルのデュアル・チャンネル |
ADN4656 |
あり |
各方向で1チャネルのデュアル・チャンネル (ピン配置はADN4655の逆) |
ADN4654/55/56の比較表






ADN4654/55/56 の主な機能
・5kV rmsおよび3.75kV rms LVDSアイソレーター
・TIA/EIA-644-A LVDS規格に準拠
・複数のデュアルチャンネル構成
・低ジッタで最大1.1Gbpsスイッチングまでの任意のデータ・レート
・4ns(代表値)の伝搬遅延
・2.6ps rms(代表値)のランダム・ジッター、rms
・1.1Gbpsで90ps(代表値)のピークtoピーク合計ジッター
・電源:2.5V/3.3V
・−75dBc電源リップル除去、位相スプリアス・レベル
・グリッチ耐性
・絶縁バリアーをまたぐ±8kV IEC 61000-4-2 ESD保護
・高いコモンモード過渡耐圧:>25kV/μs
・1.1Gbps PRBSでEN 55022クラスBの放射エミッション制限をクリア
・動作温度範囲:−40°C~+125°C
・7.8mmの沿面距離とクリアランス(最小)
アプリケーション例
- 医療用内視鏡
- データセンター
- 産業用PLCバックプレーン


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